
先日買った図説・日露戦争を読んでいたら急に映画「二百三高地」を思い出しました。
子供の頃テレビで見たのですが、暗くて難しかったのを覚えています。
大人になった今もう一度見たくなってDVDショップでゲットしてきました。
これは・・・・
難しすぎる!
とにかく難しいです。
日露戦争の知識が少しでもないと全くついていけません。
私もこの図説・日露戦争を読んでなければまったくわからなかったでしょう。
日露戦争の予備知識を入れて見直してみると・・・・
ものすごい映画なんだと感じましたね。
まずものすごくリアルです。
そして俳優陣が凄まじく豪華。
仲代達矢、あおい輝彦、丹波哲郎、夏目雅子、野際陽子、森繁久彌、三船敏郎など、どの方も大作級の作品で主役できる方ばかりです。
これだけすごい方ばかりだとほかの役者の影が薄くなったりあるいは個性が強くなりすぎるのですがそれがまったくなく、見事としかいいようがありません。
演出や迫力、存在感、主題歌、ストーリー、全てが最高の映画だと思います。
しかも単なるドキュメンタリーになるのではなく、前線の兵士に焦点をあてているため、ドラマとしても非常によく出来ていると思います。
トルストイに憧れ、「美しい国日本 美しい国ロシア」と子供たちに敵国ではあるが憎んではならないと教える先生が小隊長として召集され地獄の苦しみや部下が死んでいく姿を見てロシアを憎んでいくようになるドラマは見事です。
ロシアを尊敬している小隊長の婚約者が戦死の知らせを聞いて黒板に「美しいロシア」と書こうとしても書けずに泣き崩れる姿、地獄のような戦場と対比して美しい日本の何気ない平和な風景をバックにエンディングにもっていったりすばらしい演出です。
何よりこの映画に関心したのは一見好戦っぽいと思いつつ反戦映画の部分もあり、なおかつ単純な「戦争ハンターイ」的な映画ではないということです。
戦争の悲惨さ、虚しさを描きつつも日本の生存をかけて絶対に避けることはできなかったという苦渋の選択を選ばざるを得なかった時代背景をちゃんと描いています。
変なイデオロギーに染まっていないのがいいですね。
印象的だったのがあおい輝彦演じる中隊長が前線の兵士には国だとか規則だとかそんなものは関係ない、地獄の業火で焼かれるだけだと叫ぶシーンです。
政府や軍は国を守るために前線に兵士を送らなければならない。
でも前線で命を懸けてる兵士は地獄の苦しみしかないんだという組織と兵の乖離ですね。
見事な映画でした。
Posted at 2008/02/25 00:01:54 | |
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