【GT-R Magazine 115】
GT-Rマガジン2014年3月号をご恵贈いただきました。
今号は、その表紙からしましてボディ関係の記事がメインなのだろうな、とピンとくるものがまずありました。
それにしましても、恐ろしいほどに大がかりな計測装置がボディに取り付けられているこの表紙は、いったいどこの修理工場の設備なのか、と驚いたものです。
おそらく赤外線を投射して測定するものでないかと思いますが、この赤外線技術を応用したものが町工場やショップなどにありますアライメントテスターにおいても取り入れつつあります。
ページをめくってみますと、この計測装置はメーカー直系のNISMOがメーカーから借りてきたもののようで、そのあたりの経緯は詳しくわかりませんが、いずれにしてもNISMOが手がけている作業のものでした。
R32のボディ剛性を計測するためのもののようでして、このような剛性計測の設備は、大資本メーカーならではのものと思います。
かつてカーコンビニ倶楽部の車検(旧ヤマト車検)の設備に、車検時にボディやサスペンションのヘタリを計測できるラインがあるということを聞いたことがありますが、仕組みは油圧を使うリフトということですから、おそらく方向性は似たようなものなのかもしれませんが、ここまで時間をかけて厳密と言っていいほど細かくセットするようなものではないと思います。
さて、R32の剛性のことですが、平成の車のボディ性能と比べれば、それはたいしたことはないと思います。
お乗りのオーナーさんたちにしてみれば、いくぶん残念な気持ちにもなることと思いますが、現実として体感されていることでもあるでしょう。
そして、タワーバーやボディ下部に補強バーを数本入れた程度でも、やはり申し訳ない言い方ですが、確かに効果はあるけれど、それもたかがしれているのではないでしょうか。
こればかりは嘆いても反発してみても仕方にないことでして、それが車作りの時代の進化というものになるのだと思います。
メーカー直系のNISMOが、今回このようにボディ剛性に着目してきたということが何よりもその証左でありましょう。
次号以降において、きっとNISMOの見解も掲載されてくることと思いますが、どのようなR32GT-Rのコンプリート、もしくはモデルカーを作り、ユーザーに提案してくるのか、たいへん興味にあるところであります。
NISMOは、大手パーツメーカーでもありますから、タワーバーやパフォーマンスダンパーに続く、さらなるボディ剛性パーツの投入も十分考えられることでしょう。
たとえば、アンダーボディのサイドシル近辺にボルトオンで取り付けられるようなもの。
リヤメンバー廻りへの補強パーツの追加。
誌面でもヒントが書かれていましたが、リヤ廻りの開口部のことなど、後出しジャンケンと思われても致し方ないことですが、私が現役の職人だった頃にアイデアとして思い浮かべていたことでもありました。
R32のリヤ廻りの剛性を高める方向でいきますと、走りにも大きな変化が生じてきますから、それにともなってサスペンションキットも見直すか、特別バージョンをリリースしてくるような気がします。
端的にいってしまいますと、R32は、フロントよりもリヤの方がバランスとして弱い味付けになっていると私は思っています。
「思っています」と書くのは、測定装置で計測したからではなく、勘で感じていたからなのですが、NISMOによってその答えが客観的なデータとして今後に示されてくるのではないでしょうか。
R32GT-Rが20年を超え、いまもまだ見直されつつあるということ。
しかもクルマの原点、根幹を成すボディの作りから見直し始めたということ。
R32GT-Rのその将来を想像してみますと、末恐ろしい感じがしてくるのはきっと私だけではないことでしょう。
第二世代GT-Rの完成形であるR34GT-Rや最新のR35GT-Rのパーツや技術を使ってR32GT-Rをもう一度見直し、新たに作っていく。
オリジナルの状態を愛好される方も多数いらっしゃることでしょうが、現代の技術を積極的に取り入れたR32GT-R。
新旧技術の融合、ハイブリッドな作りをしたR32GT-Rも、また違った味わい、きっと面白い車として生まれ変わっていくことになるのでしょう。
Posted at 2014/04/07 15:19:49 | |
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