GT-Rマガジン創刊20周年おめでとうございます。
創刊号のときからずっと読み続けていますが、その長さを振り返れば感慨深いものがあるもの。
20年前は、たしか、整備士をやっていた頃で、エンジンを開けてはおもしろがっていたものでした。
それからボディ修理の板金塗装業界へと転向していったわけですが、32、33、34の第二世代GTRのボディ修理は徹底してやり尽くした思いがあります。
と、いちおう達成したかのようなカッコいいことを書いていますが、まだやり残した感じがいくらか残っているのも、また自分の偽らざる思いであると今号を読んでいて感じたものです。
特に、今号においてカナザワさんが施工されようとしている「34GTR用のセンターピラーレインフォースの移植」。
これは、私も、もう何年も前から考えていたことでありまして、当時お付き合いのあったオーナーさんたちにはプランとして話してあったことでした。
まあ、その実現化はしていなかったので、カナザワさんがその成功の第一号となるものでしょう。
今号の写真を見る限りにおいて当該部分のみの組み込みのようですが、当時のわたしのプランとしては、既に施工経験済みであったルーフ補強とあわせ、さらにはクオーターインナー周りまでを連結しての一体感のある補強システムを32GTRの究極補強プランとしてアイデアを持っていました。
(まだありますがそれは秘密・・)
おそらく今後、カナザワさんはじめ新進気鋭の若手の方たちが進めていくものと思われますから、また誌面を通じて楽しみに思っています。
ひとつ補足しますと補強においてだいじなことは、ある程度大きく行うことが効果的であり、部分部分で行っても、それはあまり意味がないということです。
ファッション性を重視するとわかっているのならば、数十万円するようなものをたくさん取り付けてもいいのですが、本気で長く乗るための補強をしたいと考えているのならば、やはりボディ本体に大掛かりな改造を施す必要があるものでしょう。
もうひとつ思うことは、32GTRの部品価格が相当に値上がりしていることです。
わたしの記事を前々から読まれている方達は既にストックを完了していたり、交換済みとの連絡をもらっていましたから、これについては想定どおりで心配なし。
カナザワさんのコメント(P117)にありました「買い占め・・・」の言葉にニヤッとされた方も少なからずいらっしゃることでしょう。
買っておいて良かったですね。
もはや第二世代GTRはワールドワイドに広まっている貴重なクルマとなっていますから、オーナーは意識を変えていかなければなりません。
デビュー当時は450万くらいの価値の車だったわけですが、いまやその潜在的な見込み価値(バリュー)は現在の部品価格を考慮すれば、その倍くらいはあると認識してもいいものでしょう。
もはや、一般的な国産車に対する価値基準からは脱しているのが実情です。
その認識と意識を持ったうえで、今後の維持プランを見据えていくことをお薦めしたいと思っています。
まず、部品については投資と同じで、まだストックしていない部品があるならば値上がる前に買っておく。
仮に自分が使わなくても誰かに売れる。
(クオーターのガラスは大丈夫ですか? ←無くなったら厳しい・・)
そして、ここからが大事な問題なのですが、それはパーツの製廃が相当進み、万一クラッシュしたときの大手術が出来なくなったらどうするか?? というもの。
おそらく第二世代GTRの海外輸出は、ますます拍車がかかることでしょう。
買い替えるにも、もうタマが無い。もしくは物凄く高価になっている。
そのような未来が予想できます。
したがって私なりの本気の維持プランを提案するとしたら、今のうちに部品取り車を購入しておくことを提案したいと思います。
エンジンなどの機関よりも、ボディの状態を優先してです。
もし買えるとしても、いま出回っているほとんどが事故車であることでしょう。
選び方としては、前後大破歴のある個体は避けたいところですが、望むならばリヤ側が生きてる(無事故)ほうがいいと思います。
ただし、その場合にはフロントのメインフレーム左右、コアサポート類は買っておく。
またはフロントが生きているのであれば、リヤクオーター左右とエンドパネル類は買っておく。(ホイールハウスアウターが再売されたら即買い)
いずれも、ガラスモール類は必携。
あとは過去記事を参照ください。
つまり、なにを想定しているかといいますと、究極の裏技、ニコイチ作戦のための準備をしておくということです。
ヘタに部分的な腐食修理をし続けていくことよりも、よっぽどマトモなものに仕上がります。
溶接と補強がしっかり出来ていれば強度的にも問題なし、です。
それと、よく聞かれるのですが、ニコイチは合法です。
法的に禁止されているのは車台番号打刻部分の入れ替えです。
以上、パーツ製廃時代を見据えての1000万円級のバリューあるクルマに対する備えとして、私なりの見解を書いてみました。
第二世代GTRオーナーが持っておくべき意識と将来的な覚悟ともいえるものでしょうか。
当サイトは非現実的なことを書いているように思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、実際にこのようなスタイルでやってきたがゆえに書いています。
これからもGT-Rを長く乗り続けていくと心に決めた方にとって参考になるところがあれば幸いです。
yoshihisa