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SPEED GROOVE @ yoshiのブログ一覧

2017年02月14日 イイね!

GT-R Magazine 2017年3月号



祝・VR32GTーR完成。
32のボディに35のメカニズム一式を詰め込んでしまうとは、快挙としか言いようがない。
いっぽうで、とはいうものの今号ほど、ぼくにとってキツイ号はなかったと思う。
カナザワさん特集よりも、ヨシダさん特集よりも。
はっきり言って、いま、嫉妬心が湧き上がってきている自分を感じ、その心に受けた衝撃から、どう立ち直っていこうか困っているほど。
まあ、今はそっちの方の専門なので、そんな嫉妬心のでてきた自分の心理をみていくのがおもしろいというか、
ここからの心のプロセスを楽しめるんだろうな、と思っている。

では、このVR32GT-Rの完成に、なぜも、そんなにも嫉妬するのか。
それはというと、かつてボディ職人だった頃に、ボディの改造プランにおいて似たような方向でのコンセプトを持っていたから。
32GTRを34GTRのボディ剛性に近づけるべく、さまざまな改造プランをあたためていたんだよね。
サイドシル強化や、アウトリガーなど、実際に実現したものは、あくまでもその一部。
他のプランは実現することなく、ふと、クルマの職人から転身してしまったので、そのままお蔵入り。
ごく少数の懇意にしていたオーナーたちだけが知っている未完のシークッレットプラン。
さらに今となっては、打ち切り部品のリストに該当するような部分ばかりだから、
おそらく今後も実現は不可能となってしまったことだろう。

今回、メカニズムとしてトップシークレットさんが夢のようなプランを実現させたが、ボディにはどこまで手を入れたのだろうか。
詳細は今号では不明だが、とりたてて記事になっていないということは、おそらく32のボディ補強プラスアルファかと思われるがどうだろう。
ボディ部門としては、Gマガを見ているかぎり、どこのファクトリーも実現していていないのではないか。
ぼくが狙いとしていたことは、今回のVR32のコンセプトのボディバージョンというのが、ほぼ当たり。
32ボディのネガティブな部分を根本から見直そうとしていたから。



にしても、こんなにも嫉妬心が高まってしまったということと、なんでこんなにも悔しさがでてきているのか。
おかしい、と自分でも思う。
自分なりに納得して身を引いたはずなのに。
まったくもって、おかしいとしか思えない。
この気持ちを心理的な観点からすこし深めてみれば、こう解釈できることになるのだろう。
願っていたものや世界観が現実に近づくと古い価値観や苦い過去の出来事が思い起こされてくることがある、ということ。
それは、まるで足を引っ張られたり、引き戻されたり、昔に戻されたりするかのような感覚。
つまりは、心理的な抵抗としての未来への恐れ。
いまの現状から前へ進むことへの恐れの感情のあらわれとして起きてくる。

いまのぼくは、GTRオーナーやクルマ好きな人たちとは真逆なライフスタイルを過ごしている。
長く身を置いてきた、ある意味で尖った世界からは対極に位置するかもしれない。
それは、尖った世界を嫌悪するようになっているからではなく、ひじょうに細やかで繊細なこころの世界に日々身を置いているから。
そうすると、逆に、このGTRの世界が、いまの時代、この環境下でどれだけまぶしいほどに輝きを放っている世界なのか、現役時代よりもよくわかるという不思議なおもしろさがある。
たぶん、おおくのGTRオーナーは自分たちがどれほど強烈な個性を持ち、GTRと共に過ごし生きているのか、
そのような自覚は薄いと思う。
なにしろ、身近にGTRというモンスターマシンを所有し、それが、あたりまえのように馴染んでいるだろうから。
でも、傍目からみれば、GTRオーナーというひとたちが、どれだけクルマにエネルギーを注いでいるか、
その桁違いな情熱に、自分たちとは違う別世界の人たちというような感じをもっていることだろう。
ヘンな話かもしれないが、それなりにGTRに携わってきたことのあるぼく自身が、いまはそう感じる。
それは、GTRオーナーがある意味、非合理な世界に生きているからだと思う。
その性能や維持費などなど、どの要素もが他の一般的なクルマに比べたら破格であり、別格な存在であるから。
以前、すべてのGTRオーナーは1000万円級のクルマに乗っているという自覚をもつように、と書いたことがあるが、それが冗談ではなくなってきている。
おふざけでも、ヘンに肩肘張らせようとして書いたわけではなく、かつてGTRに入れ込んだ者がGTRの世界を離れてみれば、そのくらい世間一般の感覚からかけ離れた世界にみえるのだ。

GTRマガジンの記事ひとつひとつも、人が介在している以上、ほんとうはものすごい情報量がある。
だけど、あまりにもその情報が多すぎて、メカに関するもの以上は伝えきれないし、書ききれないのだと思う。
また、読む側にしてもメカ以外の情報を伝えられたとしても、たぶん必要としていないか、意味不明に思えてしまうことだろう。
だから、スペックやオーナーの経緯を中心にした背景を伝えるのが、メジャーなメディアとしてちょうどよい落とし所なのだと思う。
たとえばチューナーの気持ちを掘り下げて解説をしていったところで、GTRを維持したり楽しむこととは直接関係のない方向になってしまうだろうから。
当然といえば当然なのだと思う。
そんなことに面白みを感じて、こうしてブログを書いているのは、たぶん、ぼくくらいなものだろう。
でも、みんカラのファンが現在120名と、お友達18人がついているから、それは、なんともありがたいことで、みんなには感謝しています。

話を戻すと、かけがえのないクルマなんだよね、GTRって。
車に対してとは限らないが、愛っていうのは、ほんとうに愛している人は自覚なく愛しているから。
自分自身に、いったいどれほどの愛があるのか、案外わかっていないもの。
で、別にそれはそれでいいのかもしれないけど、でも、自分にはこんなにも大きな愛があるってことを知ると、さらに心の幅が広がってくる。
結果として、人間関係が、特に夫婦関係やパートナーシップが、より良好な状態になっていくとおもう。
(ますます車と関係のない話になってきているが・・・)

ぼくは、いまも、そんなGTRの世界にそっと寄り添わせてもらっているけど、
でも、そうして見させてもらえているってことが、とっても幸せなことに思えてならない。
もうひとつ思うことは、もし必要とされているのならばの話だけど、後進の職人たちになにかメッセージを残すことができればいいのかもしれない。
とくに、職人としてのマインド面で。
部品のすくない時代に移ってきたいま、金銭面よりも、より一層ものごとの内容を重視する傾向になってきているように思う。
だからこそ、職人は、ますます技術のベースとなる「心」というものの重要性が、いつかもっと大切であると気づく日がくるのではないか。
さんざん技術をやってきて、山のようにたくさん悩んできたからこそ、伝えられるものがあるのかもしれない。

*おまけの情報・ぼくの見立て
フロントサイドメンバー(いわゆるフレーム)へのスポット増しの記事があった。
もし、ぼくならば、スポット溶接機が入る箇所なのは知っているけど、あえてブレージング MIGで対応すると思う。
なぜならば、パネル内部のサビが起きているケースが多い箇所なので、溶接不良になることも考えられるから。
(保管状況のいい個体ならば別かもしれないが)
強度優先ならば、なおのこと。
まして手が入り、シーリングがしっかり施せる箇所なので、その後の防錆処置はしやすい。
エンジン側はシーリング。
サス側はチッピング処理。
こんなスタンダードな処置ができる、ありがたい箇所。
だからこそ、強度アップに振ることができる。という発想。

なお、室内側からの補強溶接は、ぼくなら、行わない。
フレーム付け根は、補強するならば、エンジン側から同じくブレージングMIG。
ただし、ここは熱による歪みがでやすいので、そのへんは十分に注意。
場合によっては、合わせパネルの防音材が熱で焼ける。
最悪は火災。
なので、消火準備も必要。
なので、溶接のポイントとしてはビードを長くだそうと無理に引っ張らないほうがいいと思う。
デキる職人ならば、追加の鉄板をL字に立ち上げたりして、フレームとガセットふうにしてみるのも妙味あり。
もし、そこまでやれば、かなり強固なサイドメンバー構造になると思う。
そもそもが、34Rのアウトリガーを取り付けることで対応できるのだけども。
参考まで。
yoshi



Posted at 2017/02/14 22:26:02 | コメント(2) | トラックバック(0) | GT-R Magazine | 日記

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