• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+
イイね!
2014年05月18日

ランボルギーニ・エスパーダ

ランボルギーニ・エスパーダ Lamborghini Espada (Bertone)
発表:1968 Geneva Auto Show
出力:3,929cc / 325bhp
重量:1480kg

皆さんこんにちは!ガンディーニの部屋第二弾は?ランボルギーニの黄金期を支えた4シーター量産モデル、1968-1978の間1227台生産されランボルギーニのベストセラーとなった、エスパーダです。ガンディーニがミウラの次に模索したニューカーのディティールを余すところなくご紹介いたします。
さて、イキナリですが、、ガンディーニはミウラをはじめ車名を凝ったロゴにしてバッジしてますが、エスパーダはスペイン語で剣!左右リアフェンダーに取付けられたこれです!、右と左で違うんですよ!ノーズに向けた剣をモチーフとした巧妙なデザインです。。



このブルーのエスパーダはシリーズ2です





エスパーダのデザインの素はちょうど1年前1967年3月ジュネーブショーでお披露目されたマルツァルであると言います。ランボルギーニの4人乗りという構想はフェルッチオのオーダーです。未来的なガルウィングドア、エンジンの位置は後車軸よりやや後方ですがいちおうミッドマウント! ゆったりとした4座、薄いノーズ周りと長いボンネット、サイドラインと全体のフォルムはエスパーダも同じです。





このショーモデルを原型としたもう一つのクルマが同年10月のロンドンショー(アールズコート)で発表されたジャガー・ピラーナです。1968-1971少年マガジンに連載されたタイガーマスクの愛車はエスパーダではなくピラーナだそうです。実体験としてはほぼ無かったですが・・・
参考ブログ→伊達直人さんの車





そしてピラーナの長いボンネットと緩やかなスロープのファストバックスタイルを特徴としたこの形状は、ほぼそっくりエスパーダに受け継がれたと考えて間違いないでしょう。実は最初に紹介した剣をモチーフとしたロゴデザインだってピラーナで既に使っていたのです・・・。できたての頃には無かったはずですが、少し後に付けたようです。



ピラーナはショーのためだけに6ヶ月で製作されたワンオフモデルですが、完全な製品として今でも健在です。モータートレンド誌が当時の様子を記事にしています。
モータートレンド誌のサイト→1967 Jaguar Bertone Pirana Coupe Classic Drive

マルツァルの提案から一年後、1968年3月ジュネーブショーでエスパーダは発表されました。ガルウィングドアは長いスパンの2ドアに換えられクーペながら4人の大人が乗るのに十分なスペースの座席を備え、革張りのインテリア、エアコン、パワーウィンドウなどすべてがラグジュアリーでした。




ブルーのエスパーダの内装 シリーズ2です

実はピラーナの発表の後、フェルッチオの願いに応えるためプロトタイプの制作がされていました。そのプロトタイプではフェルッチオがマルツァルでドアの下半分がガラスで透け透けなのをとても嫌っていたので、ガルウィングを採用しながらもガラス部分は普通に上半分とし、ガラス全部を上下させるとその機構が大掛かりとなるので、軽量化のため先端の一部が開く方法を取った。エンジンの冷却と大量の空気を取り入れるためフェンダーに大きくエアダクトを設け、ヘッドライトはバンパーを切りかいて丸形4灯とし、ほぼエスパーダと同様のマスクでした。
ところがそもそも車重が重たくなるガルウィング式をフェルッチオは気に入らなかったようです。やっぱりふつーのドアにして再設計されたんですね。。。そのとき、ガンディーニはせっかくの新しい提案をなぜ気に入ってくれない??と少々ふてくされ気味にピラーナでの要素をそのまま流用したんでしょうね。。。。きっと(笑)



エスパーダはオプションでポータブルテレビとミニバーを装備したVIP仕様も販売されたそうです。ちなみにポータブルテレビはイタリアのブリオンウェガ社製で有名なマルコ・ザヌーソ(Marco Zanuso)とリヒャルト・ザッパー(Richard Sapper)によるもの。


この情報はこちらのブログから頂きました。
参考ブログ→ brionvega Algol in Lamborgini

ガンディーニはスリットやパターンの繰り返しを多用します。マルツァルの前後バンパーには縦に凸凹。エスパーダのリアウィンドウにも縦にスリットが設けられました。この縦スリットはシリーズ2以降廃止されますがエスパーダの素敵なポイントだと思います。たくさん検索しましたがシリーズ1でも初期の個体にしか付いていないようです。


こちらがシリーズ1

また、量産車では少しでもコストを下げるため他のクルマからパーツを流用することはよくある事です。ミウラの起き上がるヘッドライトもジウジアーロがデザインした850スパイダーから拝借しました。エスパーダではリアのコンビネーションランプを124クーペから拝借。124スポーツクーペは1967年フィアットの元で仕事したマリオ・ボアノによるデザインでした。


元ソース: http://californiastreets.blogspot.jp/2014/03/san-francisco-street-sighting-1969-fiat.html

他にも初期型だけが持つ素敵なアイテムが六角形の繰返しで形作られたダッシュボード+インストルメントパネル部分です。これはマルツァルでのデザイン要素が反映されたに他ならないでしょう。マルツァルではステアリングのデザインにも六角形が使われますが、このステアリングはワンオフモデルのミウラ・スパイダー(のちのZN75)にも採用されてます。つまりガンディーニは六角形の繰返し、ハニカム構造のスリットやパネルなど大好きです。


シリーズ1です

マルツァル、エスパーダはモナコGPに縁があります。フェルッチオが仕掛けたPR作戦として1966年のモナコGPにミウラを持ち込んだのがきっかけです。(マルツァルのリアエンド左側にある不思議なマークはモナコの何かからきているのかな...と調べても分かりませんでした)



1967年5月のモナコGPではペースカーとしてマルツァルが登場。グレース公妃を乗せたマルツァルはモナコ大公(レーニエ3世)のドライブでコースを周回しました。レーニエ3世はカーマニアとして知られモナコGPでのオープンカーパレードはお決まりらしい。1969年5月のモナコGPでは発売されたばかりのエスパーダに乗ります。生産型との違いはグラストップとミウラスパイダーと同じスカイブルーメタリックの塗装です。



アメリカに連れて行かれたランボルギーニが45年ぶりにヨーロッパに戻ってきたニュースの記事(アルベール二世は当時まだ11歳?)→ニュースの記事

モナコグランプリ1969の模様(Youtube)→Monaco GP 1969 - Race Day

$214,500で買い戻したようです!
とても市場価格からかけ離れているので問題だ!と言っております...

ということでランボルギーニ・エスパーダは揉みに揉んだ(揉まれた?)初期の傑作なのであります。動力性能においても、この当時の4シーターラグジュアリーで最高速度245km/hはなかなかないですし、、同年のコルベットスティングレー211km/h、1967 アストンマーチン DBSで225km/h ジャガーEタイプでも240km/h...なかなか4シーターで出す速度じゃないですね。

ちなみにシーリーズ3は?といいますと、これもダッシュボードの変更と、リアコンビネーションランプの変更、専用のホイールと、エンジンに多少のチューンナップがされ(350ps/7500rpm)最高速も250〜260km/hと書かれている場合が多いです。対米向けにも多数生産され5マイルバンパーを装備するモノもあります。




元ソース:Almost perfect, tastefully/thoughtfully modified Lamborghini Espada for sale
シリーズ3の対米仕様です


やっぱり初期型が美味しそうですね(^^)

最後におまけのニュース!
マルチェロ・ガンディーニ、ジュネーブで特別功労賞を受賞!
いまさらですが3月10日ジュネーブショーにてマルチェロ・ガンディーニが特別功労賞なるものを授与されたそうです。あれ?まだまだ現役じゃないんですかね?そろそろもらう頃?
喜びのインタビュー記事はこちら→Marcello Gandini receives Car Design News Lifetime Achievement Award

Auguri!
Ciao!!
ブログ一覧 | ガンディーニの部屋 | クルマ
Posted at 2014/05/18 20:52:15

イイね!0件



今、あなたにおすすめ

ブログ人気記事

うっかり間違い防止👀いいかも‼️
あぶチャン大魔王さん

日野自動車(7205)・・・202 ...
かんちゃん@northさん

ドライブの途中で、83338km
skyipuさん

チャレンジする勇気
avot-kunさん

今週のみんカラ定期便
waki8さん

スバル車だらけのツーリングに参加さ ...
koba♪さん

この記事へのコメント

2014年5月20日 0:17
こんばんは、相変わらずお詳しいですね。
頭が下がります。
さて、エスパーダですが、実物は数年前にお目にかかる機会がありました。
とにかく、『長い』です。写真以上でした。
これを、縦に潰すとランサー・セレステになりますね。

当時の日本車は名車の縮小コピーが大流行でした。
他にも小さくすると国産の○○に似てる・・・というのは結構ありますね。
やってることは今の中国と大して変わらないんじゃないかな~?

しかし、マネをされるってのはオリジナルが良い証拠でもあります。

ガンデイーニはやっぱり凄い人です。
コメントへの返答
2014年5月20日 12:00
いやぁ〜調べまくっただけなんですけどね。セレステか〜、、懐かしいですね。たしかに。気がつきませんでした。。
私はエスパダの実物見たこと無い気がします。こんど会ったら色々確認しちゃいます(^^;;
2014年5月20日 8:40
エスパーダもいいですね
フロントエンジンV12の車では低くてとてもかっこいいデザインで
さすがガンディーニといったところです
私も大好きでイベントに来るとつい余計に写真を撮ってしまいます
(笑
コメントへの返答
2014年5月20日 18:32
さすがですよねぇ(^^)ガンディーニ
私はツギハギのようなエスパーダのプロトを実は知りませんでした(^^;;
フェルッチオがNoと言わなければ、かなりエグいクルマだったかもしれませんね(^^;;
2014年5月21日 20:42
よう調べましたねー。エスパーダ。
ブームの頃は、なんかよわっちく、古臭い印象でした。
個人的にはこれの?短いハラマのほうが好きだったかなー。

今みるとすごく魅力的ですけどね。

今週末もよろしくお願いします。
コメントへの返答
2014年5月21日 22:34
ハラマもイイですね〜
たしかにブームの時はカウンタックとBB以外は興味なかったですからね…(^^)
3〜4年古いとだいぶ古臭い…確かに
でもハラマはまた別系統のシリーズになるんですよ。
それは今週末にでもじっくりと。

プロフィール

「整備、大して写真も撮っていない、メーターパネルが薄暗いので、3wのところ5w入れたら大変明るくなってGOOD!スピードのケーブルが外れて速度計ゼロのままだったり、接触不良接点磨いたり、一日中やってた汗」
何シテル?   12/10 19:31
'80年製FIAT X1/9に乗る。家族のクルマは'95 XJ Cherokee(2008年売却)。世がスーパーカーブームの時、小学4年生だった。確かにカウンタ...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/4 >>

  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930   

リンク・クリップ

ヒューズホルダー溶ける 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2024/09/24 22:03:09
ENKEI RPT-1 16inch/5.5J/+20 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2021/04/01 20:24:40
Tryforce company インテークチャンバー 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2021/03/20 06:23:16

愛車一覧

フィアット X1/9 フィアット X1/9
フィアット X1/9 1500に乗っています。 こんなに安上がりに楽しめるイタリアンスポ ...
フィアット X1/9 フィアット X1/9
ま〜いろいろあって復活後のクルマ。アバルトカップにエントリーするなど活動してましたね。し ...
フィアット X1/9 フィアット X1/9
いろいろあって安いクルマを探していて、あぁ、あのクルマ最近見ないな..と田園調布にあった ...
マツダ ユーノスロードスター マツダ ユーノスロードスター
あれこれ目移りして衝動買い。CR-Xから乗り換えた。ハンドルが軽くお尻がかんたんに飛び出 ...

過去のブログ

2024年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2023年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2022年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2021年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2020年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2014年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2013年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
ヘルプ利用規約サイトマップ

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!

あなたの愛車、今いくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離(km)
© LY Corporation