
今日は雨で洗車出来ないのでブログです。
実は私、ガラスコーティングは「水洗いだけで汚れが落ちる」と真剣に信じていました...
そして「メンテフリー」だと間違った解釈もしておりました...😂
そんな私が自分の間違いを知る事になったのは...
ある日、洗車中にルーフ、ボンネット上についた多数の丸い水ジミが拭き取れないことを発見!
とにかく何しても拭き取れない!
しかも撥水性がなくなり車は酷い状態に...。
そして、その状態をみんカラに投稿すると、優しいみん友さんから「ガラスコートレジン層は壊れないのでトップコート剤を再施工で撥水性能は修復可能」との情報をいただきました。
調べると塗装上にガラスコーティング、更にその上に撥水剤の2層で形成されている事を知りました。
そして疑問が、「どうして2層必用?そもそも取れない水ジミが出来るガラスコーティングて一体何物なんだ?」
答えを見つける為、ガラスコーティングの組成を調べると...
ばくっと、
ポリシラザン系→ガラスコーティングの元祖、2000年代の主流。
アルキルシラン系→改良型、2010年代から現在。
2020年現在、様々なタイプのコーティング剤が改良に改良を重ね出回っておりますが、要は今も昔もガラスコーティングの主原料はガラスと同じ二酸化ケイ素(SiO2)で、このケイ素、すなわちSiは車に堆積するチリやホコリの主成分と同じ物質だったのです。
「ケイ素」と言うと「なんじゃそりゃ?」となりますが、地球上に存在する量が第一位の酸素に次いで、第二位の物質で、別名シリコン、シリカ等と呼ばれています。産出される形は珪石として日本では愛知県瀬戸市、静岡県西伊豆が産地として有名です。
Siに酸素Oを2つ付けた二酸化ケイ素(SiO2)はガラスの主原料、もしくはシリカゲル、加工されてシリコーン樹脂等として使われています。
原子名は「シリコン」、加工品は「シリコーン」です。
とにかくSiは酸素に次いで我々の生活に深く関与している訳です。
学校で習った、「分子間力」、「ファンデルワールス結合」って言葉覚えてますか?
とにかく「同種の物は互いを引き合う」と言う物理的結合の基本。
この結合の中でも強力な「共通結合」でガラスコーティングのSiとチリやホコリの中のSiが結晶化する可能性がある訳です。
ダイアモンドも同じ共有結合で炭素が結晶化しています。
一度結合したら、
「削って除去」
「溶かして除去」
のどちらかですが、
「溶かす」は劇薬物を使用の為、考えないほうが良いです。「フッ化水素酸」と言うガラスを溶かす薬品で、「医薬用外毒物」指定です。僅かに肌に触れただけで皮膚や筋肉をすり抜け骨を溶かすらしいです。😱
それでも「デポジット除去剤」として様々な商品が出回っているのは知っていますが私は使いたく無いです。
なので現実的に健康被害リスクゼロで素人がガラスコーティングに結合したウォータースポットを除去するにはコーティング共々ポリッシャーで削るしか無いと思います。
カーケアグッズで取れるシミは結合してない物のみです。
プロの方などでどうしても薬品処理を行う必要がある方は、厚手ゴム手袋、長袖、長ズボンのカッパ着用で皮膚を全て隠し、顔はマスク、ゴーグル、フェイスシールド、帽子着用で望んでください。
作業上で問題生じて健康被害が出ても除去剤の薬品会社から保証される事はありません。
水道水にもケイ素は含まれるので、ガラスコーティング面にケイ素の付着を防ぐ為、純水器設置が推奨される訳です。
オーナーが水道水飲んで、車の洗車に純水器で洗車ってなんか人としての生活バランスが変だと感じるのですが...皆さんはどうですか?
またケイ素だけが結合する訳でなく、無機質の物質、鉄、カルシウム、マグネシュウム等もガラスコーティングに付着します。
ここまで調べて、やっと自分の疑問に対して答えに辿り着きました。
「どうして二層構造なのか?」
答えは、
「ガラスコーティングはガラスと同じ親水性である事と、ケイ素を主にした無機物質の結合を防ぐために撥水剤(シリコーンオイル、シリコーンレジン、フッ素含有物等)を塗布してガラスコート面を守る必要がある」と分かりました。
とにかくガラスコーティングは、塗装面を極めて有効に守ってくれる反面、こまめなメンテが必要だと分かりました。メンテナンスフリーなどあり得ない事だと知りました。
なので、ガラスコーティングは、
1. メンテがこまめに出来ない方
2. 青空駐車の方
いずれか一つ以上当てはまる方は施工しない方が良いかもです。
と言うのも、コーティング施工なし、洗車しない、青空駐車の放ったらかしの弊社営業車の塗装面は、本当に綺麗です。
水ジミが一つも無いんです!
2年間放置状態です!
放置状態で洗車してませんので洗車傷が一つもない!
中性洗剤で軽く洗車するだけで、新車と同じピッカピカになりました。
この営業車を洗車して「そもそも現代の高度な技術で作られた塗装面にコーティングって本当に必要?」とマジ考えてしまいました。
本来、雨風で劣化するはずが無い現代の塗装が簡単に劣化すると思い込んでしまったところが間違いの出発点でした。
そうは言うものの、既にガラスコーティングされているこの車を放っておけば水ジミだらけに...。
どうする?
行き着いた洗車法はシリコン洗車です。
シリコン洗車は正確にはシリコーンオイル塗布洗車。
信越化学工業の製造するKF-96シリコーンオイルはガラスコーティングと同じケイ素が主原料です。
「それなら結果、ガラスコーティングと同じやん」となるのですが、基本的に「液体」と「固体」の大きな違いがあります。
シリコーンは固体のガラスコーティングと違い液体なので水ジミが形成、固着出来ません。
しかも汚れの原因である有機物を引きつけ、無機物汚れはボディから剥離させてくれると言う効果があります。
シリコーンに引きつけられた有機物汚れは水洗いで流して、新しいシリコーンを再施工する。新陳代謝をさせる洗車法です。
経験で言うとガラスコーティング上に出来た水ジミもクレーターまでに成長していない物は、殆ど分解して綺麗にしてくれます。
更に、石油系溶剤では無い天然鉱物由来の為にガラスや石油系溶剤、水、空気、紫外線で劣化するゴム、プラスチック、ポリカーボネートなどにも相性抜群で車全体をこれ一つで施工する事が可能です。
以下、私が使っているKF-96の組成表です。
ケイ素を有機物のメチル基が囲んでいます。
このメチル基が撥水性を持たせてくれます。
ガラスコーティングもメチル基を付与して撥水性を持たせてるものがあります。
と言う事で、「ガラスコーティングとはなんぞや?」と言う自分の疑問に答えを見つけたと言うブログです。
決してガラスコーティングを誹謗中傷している訳ではありません。
ガラスコーティングは塗装面を守るソリューションとしてはとても有効な手段です。
でも危険な一面もあり注意が必要です。
ガラスコーティングのトップコート剤としてシリコーン塗布を使えば最強だとも思います。
皆様、それぞれご自分に合ったお手入れ方法を見つけてカーライフ楽しみましょう。
誰かの、何かの助けになればと思い投稿いたします。