2017年03月06日
【インプレッション】GK7インプレッサ 2.0i-S EyeSight
去年の12月22日の話なので、もう時が過ぎた感もありますが・・・(^^ゞ
GVBのリコール対応作業中に新型インプレッサに試乗しました。
↑試乗したのは、「インプレッサG4 2.0i-S EyeSight」。
スタイルを見て思ったのは、ボンネットの膨らみが少なくなってフロントノーズがスマートになったかな?ということ・・・
歩行者保護エアバック搭載のおかげでエンジンとボンネットのクリアランスを少なくできるようになったのだろうか・・・。
リヤのシルエットが、なんとなくBE系レガシィB4の雰囲気に似ているなと思いました。。。
★動力性能★
最初にエンジンのスペックがどう変わったかチェックです。
〇新型インプレッサ〇
エンジン 2.0ℓ DOHC 直噴
最高出力 154ps/6000rpm
最大トルク 20.0kgf・m/4000rpm
圧縮比 12.5
〇GP/GJ系インプレッサ〇
エンジン 2.0ℓDOHC
最高出力 150ps/6200rpm
最大トルク 20.0kgf・m/4200rpm
圧縮比 10.5
注目は圧縮比がアップしたことですね。
直噴化による効果でしょうが、数値に現れないトルクアップを体感できそうです(^-^)
では、いよいよ試乗です!
私はAT車に乗る時、停止状態からタイヤが一転がりをしたところでちょっとアクセルを戻して変速させ、そこから低回転域のトルクを使ってジワ―と浅いアクセル開度のまま加速させていく乗り方をするのですが、その時のトルク感がかなり良くなっています。
今までのFB20では、EJ系より良くなったものの低回転域のトルク感が物足りなかったのですが、新型エンジンになり満足できるトルク感になりました。
浅いアクセル開度でトルクが出ていると燃費にも効果がありますし、クルージングでの加減速でも右足の操作量が少なくて済み、長距離ドライブをしても疲労が少なくなるのでホントに良いですね。
さらに巡行中・加速中とも基本的に静かですが、耳を澄ますといかにも圧縮比が高いです!という感じのちょっと硬くて乾いた排気音が心地よいです。
新型インプレッサは、ほんの少しのアクセル操作で軽快な排気音と共にグググと加速してくれるのは何より気持ちが良い印象を受けました(^-^)
★アイサイト★
●アクティブレーンキープ●
工事による片側交互通行を実施している場所でセンターラインを跨ぎ対向車線へ、そして再びセンターラインを跨ぎ走行車線へ戻るという場面がありました。
センターラインに近づくとマルチインフォメーションディスプレイに”はみだし注意”の文字と共に車がラインを跨いでいる図柄が表示され、しっかり車線逸脱警報を示してくれましたが、体感したかった”ステアリング操作アシスト”は機能せず。。。
あれれっ?と思ったら、ステアリング操作アシストは65km/h以上で作動するらしい・・・
もし把握していれば、試す機会もあったのですが・・・
試乗前に予習しておかなかったことを後悔です・・・(>_<)
●全車速追従機能付きクルーズコントロール●
全車速追従機能付きクルーズコントロールも初体験の機能です。
国道4号線を東方面に走行しながら試しましたが、全体的に不快な加減速をすることも無く快適なクルージングを続けてくれました。
久栗坂トンネル出口までは軽い上り坂、トンネルを出た直後に下り坂に変わります。
下り始めた瞬間に2~3km/h速度が上がるもののすぐにエンジンブレーキにより減速し速度を維持、さらに勾配が強くなりエンジンブレーキのみでは速度が上がってしまうような場面では、ふんわりブレーキにより速度上昇を抑制します。
速度コントロールが絶妙で、不安感・不快感は全くありません。
そのままクルージングを続けていると遅い速度で走る車列に追いつきましたが、穏やかな減速をしながら前走車に40mぐらいの車間距離まで近づき、そこから車間距離を維持しながら追従を始めました。
初体験のせいか前走車との車間距離が縮まり始めた時には不安になりブレーキを踏む準備をしていましたが、思ったより早めに減速を開始したのですぐに不安感が無くなりました。
車間距離は4段階に設定でき、それぞれの設定の中でも車速により車間距離が変化するようです。
普段長めに車間距離を取る自分には最長の車間距離が合っていて安心感が高いです。
試しに2段短くしたところ、30m弱ぐらいまで近づき自分の感覚ではちょっと近すぎる感じがしたのですぐに元に戻しました。
好みや状況によって車間距離を選択できることは、大変ありがたい機能だなと思いました。
オートクルーズを利用したまま5、6台の車列で走っていると前方の信号が赤になったので、アイサイトの停止までの制御をチェックです。
しかし、ここで全車速追従機能付きオートクルーズの弱点を発見してしまいました(^^ゞ
適度な車間距離を保ちながら緩やかに速度制御してくれるので”安心感”は高かったのですが・・・
前走車のドライバーは、グッとブレーキを踏んで減速→ブレーキを放して空走→グッとブレーキを踏んで減速→ブレーキを放して空走→最後に強めにグッとブレーキを踏んで停止という段々ブレーキをする癖のあるドライバーでした。
そのような中でもブレーキの制御が上手いな~と感心するほどスムーズな減速をしたのですが、車の動きとしては前走車に合わせた段々ブレーキになってしまいます。
そのうえ最後の停止では前走車の強いブレーキに合わせ、こちらも強めのブレーキとなってしまい、快適性という観点では”う~ん”と思ってしまいました。。。
これはアイサイトが悪いわけでは無いので欠点とか弱点というものとは違うような気もしますが、クルマに運転をお任せして快適な移動をしたいと思うと、何とかならないかな~と思ってしまうのも正直なところです。。。
前走車だけでなく2~3台前のクルマまでセンシングするという高度な技術を開発しない限り不可能な要望であることを承知していますが、今後自動運転が実用化され、目的が”自動運転”から”快適な移動”に変化していった時に、周囲のクルマの動きをどのように処理し、自車の運転に反映していくかが課題となりそうな気がします。
それもかなり先の話になりそうですけどね・・・(^^ゞ
とは言っても、前車追従オートクルーズが普及してきた今となっては、このあたりの快適性の追及も始めてほしいところです。
今のところの教訓としては、オートクルーズを使って快適なドライブをしたいと思うと、スムーズな運転をする前走車を探す必要がありそうですね。。。(^^ゞ

↑先のボンネットの件のおかげか今までより視界が開けているように感じました。
開けた視界と適度に包まれ感のある内装のおかげで心地よい空間となっています(^-^)
★ハンドリング★
今回の一番の注目は、やっぱり「スバルグローバルプラットフォーム(SGP)」がもたらすハンドリングですね。
スバル歴代プラットフォームは、
第1世代 スバル1000系(A10系)
第2世代 レオーネ(A20系・AB系・AA系)
アルシオーネ(AX系)
第3世代 レガシィ(BC系・BD系・BE系・BL系)
アルシオーネSVX(CX系)
インプレッサ(GC系・GD系)
フォレスター(SF系・SG系)
第4世代 SIシャシ
第5世代 SGP
自分の考えではこのように分けております。
これを踏まえて、今回はSGPと第3世代~SIシャシのプラットフォームを比べていきたいと思います。
自分の相棒だったBC5とGC8の2台は、第3世代のプラットフォームです。
4輪駆動は曲がらないと言われていた時代に、この第3世代のプラットフォームがBC・BF系レガシィでデビューしました。
このプラットフォームは、非常にクイックな動きでよく曲がるという評判でした。
しかしジックリ乗っていると、残念ながら問題点もあるプラットフォームでした。
クイックでよく曲がるという評価はその通りなのですが、それが仇となって雪道で乗るとピーキーなハンドリングで危なっかしいシャシでもありました。
軸足がドライバーより前にあり、ステアリング操作に対するゲインが高いうえにリヤの接地感が低いので、安定性が低く常にリヤの動きに神経を集中しなければなりませんでした。
一方、コーナーリング中にアクセルを入れるタイミングが悪ければ、一気に軸足がリヤに移りプッシュアンダーが強く出て曲がらないクルマになってしまいます。
GC8に乗っていた時、アフターパーツでボディ剛性を向上させていったところ、そのピーキーさをかなり押さえることができましたが、どこか落ち着かない神経質な性格は解消できなかったので、基本的にプラットフォームそのものの問題のようです。
とは言っても、操る楽しさは一級品であったのも確かですけどね(^-^)
クイクイッ!と曲がるシャシは、Rの小さいコーナーが続くワインディングで気持ちの良い走りをしてくれました(*^▽^*)
ただ、長距離ワインディングではドライバーのスタミナが持ちませんでしたけど・・・(^^ゞ
次の愛車GVBは第4世代のSIシャシです。
GVB以外では、GE/GH系インプレッサ、BM/BR系レガシィ、SH系フォレスター、YA系エクシーガに試乗しましたが、第3世代のプラットフォームの印象とはガラリと変わり、軸足が後ろにありリヤのドッシリ感が印象的なプラットフォームです。
デビュー当時のGRB(1、2)、GHインプレッサ、YAエクシーガは、特にリヤのグリップ感が強く安心感が高かったのですが、フロントのダイレクト感が低くキビキビとした動きを感じられない印象でした。
そんな中でBR系レガシィは、大きくなって乗り味も大味になったと酷評されてはいたものの、クレードルマウントのおかげでステアリング操作に対するフロントのダイレクト感が高く、自分としては一番印象の良いハンドリングでしたけど・・・(^-^)
この辺はスバルも承知していたらしく、年改とともにフロントのダイレクト感を向上させる対策がなされていき、GR/GV系インプレッサのマイナーチェンジの頃には、リヤのドッシリ感とフロントのダイレクト感が高い印象のハンドリングになりましたし、VABではステアリング操作にシャープに反応するハンドリングになりました。
もちろんWRX系のみならず、それ以外の車種でも初期型より自然な印象のハンドリングになり、かなり熟成された素直なハンドリングになりました。
とは言っても、やはり軸足がリヤ側にあるのは変わらず、リヤの安定感がやたら高い印象が強いハンドリングとなっています。
まぁ、雪道では一瞬たりとも気が抜けない第3世代のシャシとは比べ物にならないぐらいの安心感があるシャシとなりましたけどね(^-^)
SIシャシは、緩いコーナーが続くワインディングを長距離・長時間走り続けても疲労感が少なく、長距離ランナー的な印象を強く感じるシャシです。
では、新しいSGPの新型インプレッサはどうなのかというと・・・。
走り出した直後からボディと足回りのガッチリ感が高く、クルージングでも横風など外乱に左右されない直進安定性と、ステアリング操作に対してキレイな弧を描きながらスムーズに向きを変えていく印象が強いシャシです。
ビシッと一本の線が通った安心感とダイレクト感が高く素直な動きをするシャシは、ゆっくり走っていても気持ちが良いものです。
試乗した時にはこのような印象で、SIシャシのレベルを一段高くしたかな?ぐらいのものだったのですが・・・
帰り道にGVBで試乗と同じコースを走ってみると、フィーリングが良くなったなというレベルではないことに気づきました。

↑これぐらいの曲がりのカーブを走っている時に気づいたのですが・・・。
繰り返しになりますが、SIシャシのGVBは、リヤタイヤが真っ直ぐ走ろうとするのをフロントタイヤのコーナリングフォースによって向きを変えていくフィーリングです。
ドライバーよりリヤ寄りに曲がる中心軸があります。。。
一方、SGPの新型インプレッサは、フロントタイヤがインに入っていくとともにリヤがアウトに出ていく(滑りながらではなく、リヤタイヤのコーナリングフォースが外に向けて出ているという意味)感じで、まるで4WSが逆位相をしながら曲がっているかのような感覚です。
ヨーの中心軸が、ドライバーの左ひじ・・・車体の中心にあり素直に向きを変えているのです。
・軸足が前側にあってリヤの接地感が薄く神経質なハンドリングの第3世代、
・軸足が後側にあって安定感抜群だけどフロントタイヤ頼みで曲がる印象のSIシャシ
・軸足が車体の中心にあってシャシそのものが自然に向きを変えていくSGP
と、曲がり方の質が向上し、より素直なフィーリングになったのがわかります。
このようにまとめると、スバルが何を求めてプラットフォームを開発していっているのかがわかる歴史でもありますね。
素直に向きを変えるSGPのハンドリング、リヤの安定性とフロントの回頭性のバランスの良さをさらに体感するために、アイスバーンでの試乗をしてみたいところです(^^♪
★まとめ★
プラットフォームの世代交代で、さらに進化した新型インプレッサ。
フィーリングが自然なのでその進化に気づきにくいのですが、他車に乗るとその進化ぶりに驚かされます。
これをベースにWRXやフォレスターが出来るでしょうし、もし次期レガシィにもクレードルマウントが採用されればフィーリングはもっと向上するかもしれません。
また、考察で書いた後方衝突安全性向上が要因なのかどうかわかりませんが、3列シートのミニバンやトライベッカの次期モデル開発開始のうわさも聞こえてきます。
これからのスバルの展開がますます楽しみになりますね(^-^)

新しいプラットフォームを体感して、これからのスバル車がどのような走り味になっていくかがさらに楽しみになりました。
このSGPを使ってこれからどのようなスバル車が出てくるのか?、そして新型インプレッサが年改でどのようにレベルアップしていくのか?
今後もスバルからは目が離せませんね(^^♪
最後に・・・
非常に長い文章になってしまいましたが、最後までご覧いただきありがとうございましたm(__)m
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Posted at
2017/03/06 01:31:26
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