
・一言インプレッション
①くるまに乗ってここまで車の存在(揺れ方、加減速のつっぱり感諸々)・運転していることに無頓着でいられた車
はかつてない。
②無駄が無い、無理がない。でも総じて味が薄い。
③完成度は高く価値はある。
④天才ではないが、秀才の領域ではある。
⑤1000万前後の車の中で日常遣いを考えた場合、これを選択するかもしれない。。。近々に試乗して吟味したギブリ、B3・D3、C63(絶版)よりはこちら。一長一短あるイヴォークと改めて迷う。
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・「マカンがカイエンより格下!?」
そんな事は絶対ない.
それは車をブランド物としか見れない連中の根拠の無い戯言。
ポルシェの心髄はその類いまれなスポーツ性能にある。
それは肥大化した図体や、見切りの悪いドライビングポジションからは発揮されない。
だからポルシェは軽くて小さい程エラい!、、、と思う(MRかRRとか色々他にも諸事情あるが)。
そういう観点でポルシェ初の小型SUVマカンには期待大!と共に、かつてのカイエンの時のようになんじゃこりゃ!?ポルシェでも何でもねぇ!とならないか一抹の不安があり興味津々だった。
・「初めて見た印象」〜あっさり.良い意味で薄い印象。上品
一瞬カイエンかと見間違い通り過ぎてしまう程、フロントはカイエンの新型?的で、
新しい印象は無い。
とはいえ、若干引き締まった印象のマスクはすっきりしていて、嫌みの全くない点が好印象。
街で頻繁に見かけるQ5は外観がスマートで、そこが逆に「センス良いだろっ!」ってグイグイ来られてるようでちょっと引いてしまうので、その点でマカンはカイエン程芋臭くもなく、アウディ程都会洗練見せつけ派でもなく、
上品。
次に後ろ、横、下、中、、、とじっくり検分しても、どこも鼻につくようなところが無い。
そう思って
契約者達を見渡せば、どことなく爽やか!
カイエンの際たまに、、、というか頻繁に見かけた10年後には潰れてそうな会社の青年実業家と夜の街で拾ってきたようなお姉さんの組み合わせは皆無。
・「初ドライブの印象」〜外観と同じくあっさり.欠点がない
エルクテスト云々や後輪ブレーキの件も頭にいれつつ、車の動きを注意深く観察してみる。
まず一番安心したのは、デカイものを無理矢理に矯正制御したような
無理な動きがなかったこと。
初代カイエンではそれが(というより他もちぐはぐしかなかったが)一番残念で致命的な欠点だと感じたから。
次に、
エンジンだが良くも悪くも印象が薄い、、、というか無い。
スーっとあっという間に速度が乗るのでその点で不満はまったく無いのだが、ポルシェ乗ってるぞ!って感覚では決してない。
その観点では車の存在を全く忘れさせてくれる、ある意味究極のピープルムーバーだと評価できる。
おそらく機械精度、車重とパワー、車高、脚回り
全てがよくバランスしている証拠だろう。
・「総括」
ポルシェが作るピープルムーバー=SUV
買う人達は「ポルシェ(ブランド)が欲しい人」ではなく
「良く出来た車が欲しい」層が多い気がした。
カイエンは元来こういう車にしたかったのに、急ごしらえと見栄えのためにデカくせざるを得なかったのだろう。
脚回りやエンジン回転上昇の緻密さ等、もう少しスポーツに振ったらもしかしたらポルシェ感が出て来るかもしれないのでGTSにも期待したい。
もちろん荷室や後部座席の狭さを指摘して、所詮ブランドに惹かれただけだろうと言う人もいるだろうが、あの走行性能をみるとこの大きさ、形状が
大きな物をスムーズに走らせるのに効いているのは確か。
くるまに乗ってここまで
車の存在(揺れ方、加減速のつっぱり感諸々)、運転していることに無頓着でいられた車はかつてない。
無駄が無い、無理がない。味が薄い。
ただよく同じように言われるセルシオ周辺とは違う。
あれはそんな言われてる程精度高くない(特に最終期)し、薄味なのは出す味がないから。
ポルシェは意図的に?京味?にしている感がなくもない。。。
脚回りとかよく煮詰めてある。
・「空虚感の元、SUVに求められる味」
総じてかなり好印象。なのに何故か空虚な印象が付いて回るところだけが難点か。
ドイツメーカーの作るSUVとしてはこれが最高峰、あとは味を求めるのならイギリス製(の感性まで織り込んだ機械作りのオタクさには一日の長がある)に限る、、、という事かもしれない。
背の高い乗り物でスポーツ性能を究めるって命題自体は無理のあるものだが、そこを数式を解き明かすかのようにポルシェは理論で答えを出してみせた所は立派だと思う。
ただ、背の高いもの=目線の高さ、空間の広さとマッチする「雰囲気」=味は理論で解き出された類いのものではない、って所が空虚感の原因の1つではないかと思う。
X5なんてどちらもいい意味で適当に味付けしてきて、ま〜いいとこ取りしてる!とも思う。さすがはドイツのイタリア人とも言われるバイエルン。
どこまでも一徹な真面目さを、無理な難題に挑ませちゃった事で少し(雰囲気的に)ちぐはぐな結果になってしまったという感じがした。
別につまらない優等生タイプって訳ではない、秀才の領域まではきちんと突き抜けてるから価値は高いと思う。
あとは好みの問題。
Posted at 2014/11/20 00:27:18 |
991GT3 | クルマ