・「991GT3国内初試乗、インプレッション揃い踏み」
オーナーとしてあまたの雑誌・Web媒体大変興味深く読ませて貰った。
が、ま〜初めから結論が分ってしまう論調が大半で、プロに求める辛口の指摘はたったの1つAUTOCARの上記記事しかなかった。
次点は911DAYS.
だが低速官能が無いという単なる事実だけでなく、何故そうしたのか、その原因の分析が無いと単なる事実の羅列に過ぎない。
CGも同じ。詳細な計測テストの結果、、、は素晴らしいけれど、「だから何なのよ!」って所まで踏み込んでくれないと宝の持ち腐れだよ!
これらはかなり良い方で、他は全て「ハイハイ秒速斜め読みで内容完全に把握できます、カタログに書かれてる内容をなぞっただけね」な内容。
少なくとも1つはその車の欠点・煮詰めきれていない箇所・原因を指摘しているか、欠点が万が一1つも見当たらない場合はその完成度をきっちりと説明し切っているかが批評記事の最低限の条件だと思う。
991GT3については、素人としては僅かだが
釈然としない部分*もあるにはあって、そこの部分をどう分析するのか気鋭の論客沢村氏のインプレッションを是非聞いてみたいと思っていた所のAUTOCARの記事。
電子制御てんこ盛りの991GT3だから、その発端を作った堕落の原点である997(RS除く)をあれだけけちょんけちょんに言ってきた沢村氏ならばやはり厳しい評価だろうな・・・とは覚悟しつつ。
一方で、991世代は997で陥った奈落の底からの再出発として新たなステージに入ったとも言える。
新生911つまり、電子制御を我のものとして、それを自然な形でドライビングに馴染ませる方向へシフトしていく事、それが少なくともGT3では一部結実している!とも感じ取れたのでこれをどう加味して評価するのかに大変興味があり、首を長くして沢村氏のAUTOCARへの寄稿を待っていた。
・ 「991GT3への期待」

エンジンの直噴化に電子制御ダンパーの採用等スポーツカーの禁じ手に手を染めた初めての世代が997である。
あれだけ軟弱化したといわれた996でさえ、997と比べればまだまだ素手で操る感覚を多分に残していたし、997のそれとは比べ物にならない純度を備えていた。
昨今のポルシェの変節=カイエンユーザー向けポルシェ?それは何を差し置いても997世代(RS除く)を置いて他は無いだろう。
991世代はその流れの延長線上にある事は確かだが、997をどれだけまともな方向に修正してきているか?が評価のポイントであると考えている。
名誉挽回なるか!GT3の復活を待っていた。
・「沢村氏のAUTOCARでの991GT3の批評記事について」

今回の991GT3はエンジンよりも、脚回りやボディ剛性により感銘を受けた事は確かだ。
そういう観点から沢村氏の脚回りの評価については概ね理解できるものだった。
コーナリングで負荷をかけた時に魔法のように進んで行くある種のヴァーチャル感の根拠が理論立てて丁寧に書いてある。
ただエンジンのセルシオ化!?については、、、半分分かるようで、半分は読んだ時点では保留。。。
996世代のそれと比較して、がわが厚くエンジンと右足との直結感は40%減という印象は受けたものの、右足に対する反応感度が恣意的だとはそんなに感じはしなかった。
エンジンについては右足と一体化して回転を上げ下げする情感がドライだな?=これが新世代911か!とは感じたが、それがやる気をすっかりげんなりさせる程には達していないのも事実だった。
とはいえ、991GT3で
釈然としない部分*も僅かながら存在した。
それは驚愕の域を超えた超高速コーナリングを冷静に「素晴らしい完成度だ!」と客観的に見ている自分。
完成度とかとやかく言う前につい前のめりになって魅了されてしまうかつての情感、、、それが少しだけ薄い事。エンジンのジリジリ感が無い!
もっともっと近くに来てくれ!と感じはしたが、それはこれから距離を走り込み慣れていく過程で達成できるのでは?と今でも期待はしている。
そして先日じっくりと右画面をトルク表示にして再度乗ってみた。
残念ながら沢村氏の指摘は正しかった。
やけにトルクのツキが良い(というより分厚い)な!とは思ってはいたが、ツキというより全体としてボワッと多めの出力特性を有していた、、、のか。
これを昨今のダウンサイジングターボエンジンと変わらないとまで言い切ってしまうのには未だ少し抵抗があるが、間違いなく純スポーツカーとしては何ら嬉しくない難点と言って良い。
ただそういった小さくない難点が覆い隠されてしまう程に、991GT3は全体としては超高速コーナリングマシンとして人を圧倒する総合力(それはまやかしや雰囲気、ではなく)を備えてはいると思う。
これら旦那志向なトルク特性を少しでも噛ませることで何か991GT3が得たものはあるのか?
たとえ991GT3が沢村氏の言うように一番高いの持ってこい!の旦那向けGT3だと仮にしても、ターボを買うのとは違うのだからGT3ユーザーがそんな志向を歓迎するとは思えないのだが・・・ましてやよく分らないGTSってのだってあるんだから。
要は今回の991GT3はGTS-Sみたい!って結論で、最大限オトナな表現に留めているものの沢村氏のお眼鏡には到底敵わなかったということだろう。
恐らく997の時の様ように、後になって考えれば991GT3RSがあったから(991GT3はストイックでなかった)だろう〜的な結論になるのか?
でも実はこのRSがあるから⇒GT3はヤワくてイイって、論理的には特に説明になってない。
あと、
一番高い「自然吸気の」911持ってこい!って(笑)、それちょっと可笑しいでしょ。
旦那様はそんな細かい指示ださないぜ。
そこんとこの論理的破綻はあえて微妙にずらして書いているのも分っているが、こーなったら991GT3RS買ってやるぜ!!って気にもなってくる。
それでまた結果がダメだったら、PDKのみだったから旦那向けRSって呼ばれるのか?
何はともあれ、今回の991GT3は行き着く所までいった気がする。
この先にスポーツカーの未来は存在するのか?
エンジン・脚回り・・・この方向性の「次」はもう無いのではないか。。。限界まで来た気もする。
残されているとすれば、いかにヴァーチャルをよりリアル化していくかという作業ぐらいか。
ただそれは本末転倒な作業とも言える。
Posted at 2014/12/11 16:01:12 |
991GT3 | クルマ