
3.1.2016ジュネーブショーでデビューを飾った991.1型911の最終系と目される911R.

ポルシェAGは1年前に発売された991GT3RSこそがピュア911の究極であると称していたが、これとエンジンを同じくする911Rを「日常で楽しめる」最高の911として出してきた。
元来911自体、使い物になる後部座席を備えたGTとしての性格を持ちあわせたスポーツカーである所が特徴であり、GT3RSでさえサーキットオンリーの速さのみを追求したものではなかったはず。
そこら辺はこの911Rの登場、もっと言えば登場のさせ方によってかなり分かり難いものとなったと言える。

これ出されたら、GT3RSを買ったオーナーこそ困惑すること必至!!
やもすればギミック染みたフロントフェンダーやいかにもな雰囲気を醸し出す大きなリヤウイング・・・それらは不必要だったと認めるのか?
はたまた500psまで高出力化したピュアスポーツにはもはやオートマチックギアボックス=PDK以外適切でないと説いたのは嘘だったのか?
逆に必要であるとするならば、911Rの正当性は???

ずっと以前からポルシェAGはモデル末期に意図が読めないスペシャルモデルと称するものをリリースしてきたが、それらは知っている人が見れば「形だけのスペシャルモデル」であると容易に判別できた。
それらは簡単にいえばエンジンが別物だったからだ。
しかし今回はエンジンが同じ。

更に言えば、991GT3の物足りなさの一つがその重さやリニアリティ(音や操縦性諸々の直結感等)の減少に起因していたことを考えれば、正に911Rこそが本体出すべきだったGT3もしくはGT3RSの姿ではなかったのか?とも言えるから厄介だ。
GT3RSと911Rの住み分けの理解に苦しむ。
2016年3月現在、GT3がカタログ落ちしていることからしてGT3の中期型に相当すると考えるしかないか?
ただ一つだけ言えることは、プロモーション映像を見る限りそのエンジン音は明らかにGT3はおろかGT3RSよりもキレがある硬質なものになっているということ。

オーナーとして2年近く共にした実感からして、少し過大評価されがちとも言える991GT3のエンジンは、993以前とは当然比ぶべくもなく、996、直噴化される前の997程の硬質感のレベルにも達していない事は確かだ。
Posted at 2016/03/02 17:32:16 |
991GT3 | クルマ