
タブレット端末のNexus7(2013/32G/LTEモデル)を買ったので、オーディオで遊んでみることにしました。
ところが、
Androidのオーディオ環境はiOSに比べて遅れている!
と知ったのは、Nexus7を買った後でした。情けなし俺。
(普通にヘッドホン端子とかBluetoothで音楽再生する位なら問題ありませんよ。もう少し高音質を狙った時の話ですので念のため。)
iOSはOSレベルでUSB Audio Classをサポートしており、ハードウェアとしてUSBホスト機能をもつiPadなどはUSB DACと接続して本格的なオーディオソースとして使用することができます。
(iOS7以降では、iPhoneなどでも使えるようになりました。)
対するAndroid OSでも、基盤OSであるLinuxにはALSAという優れたオーディオ環境があるので、PC並みにUSBオーディオ機器を使えるはず...と思っていたのですが、現在のAndroid OS 4.x上のALSAは一部の機種を除き無効化されており、root化などひと手間かけないと有効にできません。がっかり。
(7/21追記)
実はもう一つ、ホスト機能のない端末でUSBオーディオを使う方法があります。脚注参照。
そんなAndroidオーディオに救世主現る。それがこれ
USB Audio Player PRO
(2018/3追記)アイコン・UIが一新しました。現在のアイコンは3代目。
音楽再生アプリでありながら、USBオーディオのクラスドライバーを含んでおり、root化などの必要なくこれだけでUSB Audio Class対応機器による再生が可能になるという、画期的アプリです。
もとが録音アプリだったためかプレーヤーとしての使い勝手はイマイチ洗練されていないようですが、ハイレゾFLACにも対応しており面白そうかなと。
それに、何とも
最新オーディオ環境っぽい!
じゃないですか。以前に挙げた
デジタル出力対応ヘッドユニットと比べると、「カーオーディオ、遅れてないかい?」と思ってしまいます。
USBオーディオ機器として試したのは、とりあえず自宅でPCオーディオ用に使っているこれ
hiFaceTWO pro (aurora sound)
USB DDCです。デジタル出力専用なのでDACじゃなくDDCといいます。
M2TECHのhiFaceTWOをベースに、コネクタなどを変更したチューンアップモデルです。
もちろん USB Audio Class 2.0 対応品で、オリジナルモデルの方がNexus7とともに
UAPPの互換性リストに載っているので大丈夫でしょう。
接続は
Nexus7 - USB OTGケーブル(microB-A) - USBケーブル(A-B) - hiFace - 同軸デジタルケーブル - DAC
となります。
OTGとはOn The Go(移動中=モバイル)の略で、普段はPC相手に「デバイス」としてふるまっているUSB機器を「ホスト」としても使うための規格です。OTGケーブルを使うことで、Nexus7に対してホストとして動作することを伝えます。
UAPPをインストールして自宅システムに接続、手持ちのFLACファイル(16bit/44kHz)を食わせてみたところ、
スマホの縦画面を想定した画面設計のようで、N7の高解像度な横画面ではバランスが悪いですねw 長~いクラシックの曲名も表示できそう。
特に問題なく音が出てきました。気を良くしてハイレゾ音源はと試してみると
ちなみに、これハイレゾ入門規格24bit/96kHzのファイルですが、1曲で160MB。アルバムだと3GB超えてました。でけーよ・・・
これまたあっけなく再生できてしまいました。画面上部に96kHzのファイルをダウンサンプリングすることなく出力していることが表示されています。
(3/4追記)
さらに、今回使ったDDCでは最高スペックとなる、24bit/192kHzファイルの再生まで確認できました。
UAPP自体は、32bit/384kHzまでサポートしています。
現在、Android OS標準のオーディオシステムを通すと16bit/48kHz止まりとなるはずですが、こんな方法で超えてくるとは。
うん、スマホ・タブレット+USBオーディオ、いいじゃないですか。
あとは映像出力と充電、リモコンができれば次世代車載オーディオの完成ですね。どうでしょう>オーディオ○クニカさんあたり。
なんて簡単に言いますけど、USBとHDMIは両立しないし、OTG時の充電の問題もあり。結構ハードル高いですかね。
音質も、まだ「ぱっと聴き」ですが悪くなさそうです。
DDCなので、きちんとしたデータさえ出力できれば再生環境に影響されにくい構成なのかな。
一方のiOSはDSD再生とか先に行っちゃってる訳ですが、Androidもここまでは来たということで。
動作確認はできたので、しばらく使ってみながら車載も考えてみたいと思います。
でも最大の問題は、デジコアがハイレゾに対応してないことなんですよね・・・
CD音質でもメリットがあるんじゃないかと期待はしています。
(投稿日追記)
これ、もしかして・・・音質悪くないどころか、自宅PCよりイイんじゃね?てな感じになってきました。ちょっとしたサプライズです。もうしばらく設定の確認&聴きこみしてみます。
(3/21追記)
車載化しました。音質レビューもそちらで。
(6/25追記)
UAPPはその後も順調にバージョンアップを重ね、イコライザーの追加、任意フォルダ再生、アルバムアートワーク表示ときて、ついに試験的実装ながらDoP形式によるDSD再生まで対応しました(要DoP対応DAC)。良いアプリに育ってきましたね。
(7/5追記)
お気に入りオーディオメーカー、Ayreの輸入代理店
AXISSさんの
FacebookにUAPPが取り上げられました。6/22からのエントリーに、同社取扱いの高級DACと組み合わせて192kや384k(そんな音源あるんだ)、さらにDSDも再生可能とのレポートが上がっています。かっこいいDAC達ですなぁ・・・
(7/21追記)
Android OSでUSBオーディオを使う方法には、ここで挙げたように端末にUSBホストとして動作させる他に、もう一つ選択肢があります。
AOA(Android Open Accessory Protocol)という規格に対応したUSBオーディオ機器であれば、Android端末はUSBデバイスとして動作するので、UAPPのような特殊アプリやOTGケーブル不要で簡単に再生が可能です。
TEACからポタアン
HA-P50、ONKYOから同じ仕様の
DAC-HA200(音は違うらしい)がAOA対応機器として登場しています。
残念ながら今のところこの2機種しかなく、どちらもヘッドホン出力専用でライン出力やデジタル出力はなし、AOA接続時には現状ハイレゾ未対応ですが、とにかく手軽に良い音を楽しみたい向きには面白い選択かと思います。(仕様から見るに、UAPPによるホスト接続もできそう。)
また次期Android OSでは標準で(ホスト動作の)USBオーディオ接続がサポートされるようです。
Androidのオーディオ環境も徐々に広がりを見せてきました。今後が楽しみです。
(2015/3追記)
その後もネットラジオをサポートしたり進化を続けているUAPPですが、今回初のメジャーバージョンアップで2.0.0になりました。UIが一新されました。
うっすらとジャケ写が表示されています。
今までの個性的だけどプラスチックな感じのモチーフが一転、Android OS 5.0のデザインテーマである「マテリアルデザイン」にも合う、フラットで控えめな画面に。
曲を選択して数秒経つとリストがフェードアウトしてアルバムアート表示になります。画面にタッチするとリストに戻ります。
(設定でリストのままにすることも可能)
(2016/8追記)
2.0以降も、DLNA対応やイコライザー追加など精力的に改善が続けられているUAPP、メジャーバージョンアップで3.0になりました。
これまではAndroid OSのメディアデータベースを利用していましたがオリジナルのデータベースを使うように変更され、ついにDSDファイルがflacなどと同様タグベースで扱えるようになりました。
(2018/3追記)
バージョン4.0ではUSB接続以外に一部スマホやAndroid搭載DAPの本体でもハイレゾ再生が可能となった他、MQAやGoogle Play Musicなど盛りだくさんの対応を果たしました。UIも再び刷新、こんな画面です。

このブログを投稿した頃に比べると、ずいぶん小洒落た感じになりましたね。
個人的には、再生画面でキュー(曲目リスト)が表示されなくなったのはマイナスなのですが・・・
関連ページ
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