そろそろ冬休みなので、2回目の自由研究です。遠い昔、2年生ともなるとサボることを覚えて、パーツレビューもとい買ってきたモノのレポートで簡単に済ませちゃったり・・・しませんでしたか?
パサートさんのオーディオ、ソースユニットとして前回組んだシステムがマニアックすぎたので、またまた見直しました。
Ver.0.1 Nexus7 + hiFaceTWO Pro(ホームで実験)
Ver.1.0 Nexus7 + hiFaceTWO Pro(最初の車載化)
Ver.1.1 Nexus7 + hiFaceTWO Pro(Nexus7のカーネルを書き換えて充電対応に)
Ver.1.2 Galaxy Tab S + hiFaceTWO Pro(タブレット変更でストレージ容量up)
Ver.1.3 Xperia Z3 Tablet Compact + Audiophilleo2(DDC変更で音質up)
Ver.1.4 Xperia Z3 Tablet Compact + Audiophilleo2(バッテリー電源で音質改善)
Ver.2.0 Andoer i68 + Audiophilleo2 + MDV-Z702W(ナビ統合化)
Ver.2.1 Andoer i68 + Companion One + MDV-Z702W(DDC変更)
Android端末にUSBオーディオ(DDC)を接続し、プロセッサーにデジタルで入力するという基本方針のもと、改良を続けてきました。そろそろ集大成してもよい頃でしょう。
箱替えを機にケンウッドの彩速ナビZ702Wを導入し、Android端末をナビの画面で操作できるようにしたのが前回。
これを実現するために、USBとHDMIの同時動作が可能な家庭用Android端末を使ったのですが、起動・シャットダウンなど面倒なのでなんとかしたいなと。
そこで今回「Miracastアダプター」を使ってみることにしました。
これは、スマホと無線で接続し、画面をHDMI対応テレビに表示できるものです。
これなら、普通のスマホやタブレットでUSBオーディオを使いながら画面出力できるはずです。H.264による圧縮伝送なので有線接続よりタイムラグがあり画質も落ちるかもですが、操作用なら問題ないでしょう。
最初、ネットの評判を参考に某大手OS会社のもの
を試しました。ところがこれはXperiaと相性が悪く、10分もたたずに接続が解除されたりフリーズしたり。ファームアップしようにも、そのためにはPCとMiracast接続する必要があり、自分のPCはMiracast未対応で実行できず。Android対応といいながらメンテナンスはWindowsでないと出来ないとは。
仕方なくもう一台お買い上げ。
Miracastレシーバー LDT-MRC02(エレコム)
こちらは丸一日表示を続けてもトラブルなく、見事に安定しました。やるじゃんエレコム。
※Miracastは相性問題が結構あるようで、端末によっては今回と逆の結果になる可能性もあります。
端末として今回選んだのはこちら。
Xperia Z3 Compact D5803(Sony)
2世代前のZ3ですがこれで十分。
否、むしろUSBオーディオにはZ3、それも今回はCompactが良いのです。
選定理由は以下のとおりです。
Z4以降で廃止されたマグネット充電対応
これは「USBホスト動作と本体充電の両立」を意味し、当ページでは何度も取り上げているテーマです。車載利用でこの条件は譲れませんが、これまでに紹介したSony、Samsung、Googleの一部機種以外に対応情報がなかなか見つかりません。よって今回もZ3です。
画面解像度が控えめ
前回の経験で、ナビの画面に見やすく表示するためにはスマホ本体の解像度が低い(画面サイズが小さい)方がかえって有利です。しかしUSBオーディオとWi-FiミラーリングのためにSoCのパワーは欲しい、というバランス要求に応える必要があります。
SIMフリーのグローバルモデルで格安SIM利用可能
余計なキャリアアプリが入っていないメリットもある一方で、グローバルモデルには対応バンドが少なくなるデメリットがあります。普通にスマホとして使うならキャリアモデルのSO-02Gの方が安心かもしれません。または同等スペックの後継機Xperia A4(SO-04G)までがマグネット充電対応です。
今はキャリアモデルでも格安SIMで運用可能になりましたが、テザリングできない制限があります。
自分はグローバルモデルのタブレットも使っていて、IIJmioのデータ通信専用SIMで特に困ったことはありませんが、このあたりは使い方(音声通話かデータ通信か)やエリアによるので何とも言えません。
技適対応で法的な問題なし
グローバルモデルには型番により技適(技術基準適合証明)対応品と未対応品があります。未対応品で通信を利用すると国内では電波法違反となるおそれがあるので、よく調べて買いましょう。
今回のZ3 Compactはオーディオ専用なので、当面SIMは入れずタブレットとBluetoothでテザリングして使います。
使っているガラケーの更新時期が来たら、みおふぉんSIMでも入れようかと思っています。
USBオーディオはコレ
Companion One(Celsus Sound)
世界初というWi-Fi対応ポタアンです。購入レビューは
こちら。
XperiaとのWi-Fi接続を試した時には通信が安定せず、一度は使用を断念したものです(
箱替え時のレポート参照)。ところがこれUSB-DAC/DDCとして使うこともでき、むしろそちらの性能が優秀だったため敗者復活となりました。
SUPERNOVA Series7 SMO7/3.0(WIREWORLD)
ポタアンはコンソールBOXへ。
トランク内に設置したプロセッサーアンプから引き込んだ光デジタルケーブルを接続します。
やっと日の目を見たよワイヤーワールド!
Micro USB OTG ホストケーブル 1m UMB010HL(クラムワークス)
Xperia用マグネット充電ケーブル 0.5m (サンワダイレクト)
車載USB電源セパレート 2.1A/2ポート T5229(多摩電子工業)
スマホとポタアンをUSB(OTG)ケーブルで接続。一般的なOTGケーブルの端子はmicroBオスとAメスですが、今回はポタアンに合わせて両端microBで直結できるものを探しました。L型で1mってほとんどありません。
スマホはシガーチャージャーから給電します。
極めてディープな話で、Companion Oneはバッテリー駆動かつAsynchronous転送、さらに後段とは光接続なのでUSB側の電源やケーブルの影響を受けにくく、音質向上の謎デバイスも必要ないはず。USBまわりにオーディオ用製品を使わないのは、ささやかな自分のこだわりです。
そりゃあね、USBといえどオーディオに使う以上は
いろいろありますよ。でも、S/PDIFから四半世紀後の最新規格は、ケーブルなんぞに左右されずイイ音を出してほしい、今回はそういう風に使ってやりたいと思ったのです。
青臭いかな?後日太いケーブルに変わっていたら、「やっぱ影響あるんだw」と思ってもらえれば。
MiracastのアダプターをナビのHDMI入力に接続。
アダプターの電源はUSB端子になっているのでこちらもシガーチャージャーから給電します。
ナビの入力をHDMIにすると、こんな初期画面が表示されます。
スマホから設定すると簡単にミラーリング表示が始まります。
表示は問題なし、USB再生も特に問題なし。
・・・と、ここまでは良かったのですがトラブル発生。ナビからのタッチ操作で座標に誤差が出ます。
隣のアイコンをタップしたり、「OK」のつもりが「キャンセル」になったり。ちょっと使えません。
マイクロソフトの方はタッチ操作は問題ないのですが、先に述べたように安定性に問題があり。
うーむ・・・
もう一台試すか?
それもなんだかなぁ・・・
で、結局こうなりました。
ナビでの操作はあきらめて、普通にスマホをダッシュに固定することにしました。小型の端末にしたこともあり思ったほど目立たないので、もうこれでいいやと。
Ver.2.2が失敗してVer.1.5って感じで、オーソドックスな着地点となりました。そんなの自分もやってるよという人も多いでしょうね。
普通すぎて、自分としては
かなりの敗北感がありますorz
使ったのはコレ
車載ダッシュマウント MAGNETIC DASH MOUNT MAGDM(Scosche)
スコーシュというアメリカの会社が発売した、磁石で固定するスマホ用マウントです。いつものプロショップおすすめの一品。
付属の鉄板をスマホに貼り付けて固定します。磁石が強力なので、スマホ用ケースを使っていても固定でき(鉄板はケース内側に貼っても可)、スマホをつかむタイプのマウントより小型で目立たず、簡単に使えます。
なお車両側の固定は両面テープで、他にエアコンの吹き出し口に固定するタイプもあります。
Bluetoothメディアボタン(Satechi)
端末がAndroidなので豊富なアクセサリーが使えます。
Bluetoothリモコンで前方から視線を外さずに曲送りできるようにしました。
肝心の音質については、こちらは妥協無しで納得できるものです。
DDCの変更なので大きな違いではありませんが、今まで使っていた同軸デジタル出力のUSB-DDC、Audiophilleo2に比べると、力強さは少し後退した代わりに高音がきめ細かく優しい音になりました。DDCの音なのか光デジタルの音なのか、悪くないと思います。一長一短あっても好みのレベルの違いで、Companion Oneはバッテリーの持ちが良くAudiophilleo2+ラトックのバッテリー電源に比べて使い勝手は上なので採用します。
セルフパワーのCompanion OneとバスパワーのAudiophilleo2。最初からイイ音出せるのは前者で、チューニングの余地があるのは後者って気がするので、しばらく競わせてみたいと思います。
今回は以上です。
Xperia Z3シリーズはUSB動作も安定しており、とても良い端末です。持っている方は、好みのUSB-DACやDDC、ポタアン※とOTGケーブル、それにアプリを揃えて、ぜひUSBオーディオで遊んでみて下さい。USBポタアンは安いものは数千円からあるので取っ替え引っ替えするのも楽しいですし、高級プレーヤーに負けない音だって狙えますよ。
※Android対応品であれば確実ですが、少なくともUSB Audio Class対応である必要があります。
システム図です。来年はこれでいけるか?
USBオーディオをあれこれやっていますが、本音を言えば、接続の手間などない車載ソースユニットが欲しいんです。
今年いくつか試したものの、「音が良くて」「今風に使いやすく」「ナビやプロセッサーと相性の良い」製品はついに出てきませんでした・・・
外せない純正オーディオ、アイドリングストップ、バッテリーの充電制御、スピーカー交換しづらいドア構造などなど、社外オーディオに吹く逆風は年々強くなる一方です。某新型ハイブリッドカーのように、ついにスピーカー交換すら拒否する車種も現れました。
そんな状況とどちらが先なのか、カーオーディオにお金をかける人は減っているそうなので、高性能なアンプやプロセッサーを新品で買える時代はこの先長くないかもしれません。その後は旧車を手に入れビンテージ品のオーディオ機器を探すようになるか、あるいは、ホームオーディオのように普通の人には無縁の高価格化に進んでしまうのか。
アンプやプロセッサーまで行かないと得られない音があるのは事実です(カーオーディオ新参者の自分がこんなことを言うのもおこがましい世界ですが)。それなのに、プロセッサーを導入したら良いソースユニットが無くて困っている人は多いんじゃないかと思いますけど、どうですか?
多くの人に「スピーカー交換の先」の世界に来てもらうためにも、来年こそは魅力的なソースユニットを。各社頑張っていただきたいと心から願います。
今年のカーオーディオいじりはここまで。一年間ありがとうございました。
皆さまどうぞ良いお年をお迎えください。