
半年ぶりのブログ。お久しぶりです。
イベント参加の様子が某誌に掲載されたのですが、まさかの本名住所つき。Pマークだのなんだのウルサイこのご時世、メディアなら当然わかってるでしょ、とアンケートに全部書いた自分が無防備すぎました・・・勉強させていただきましたよハイ。
気を取り直して今回は、先日弟分も発表されたオーディオテクニカのUSB-DAC兼DDC、AT-HRD5導入の後日談です。半年分というほどの進捗はありません。
当ブログで紹介してきたような、スマホやタブレットで楽しむのは少しだけマニアックな雰囲気のUSBオーディオも、最近はウォークマンやAKなどDAPでも同じことができる機種(まとめは
こちら)が増えてきたおかげで、ちょっと勢いがついてきた感があります。
さらに、デジタルプロセッサーで遅れていたハイレゾ対応が始まり、先行のHELIXに、Audisonやmosconi、BRAXなど、ようやく製品が増えてきました。こちらでもインターフェースとしてUSBを採用する機種があります。
光・同軸に続く本格的なカーオーディオ用のデジタル伝送手段としては、LAN、Wi-Fi、Bluetoothなどある中USBが頭一つリードしつつある、と感じるのは自分がUSBオーディオ派だからでしょうか。
さてこのHRD5、アナログ接続なら後段の機器の対応フォーマットを気にする必要がなく、非公式ながらDSDまで再生できる便利さと、裏腹に電源やケーブルなど周りの条件には敏感に反応する神経質な面も持ち合わせています。
ポン付けでも普通にイイ音ですが性能を出すのは難しく、見方を変えればホームオーディオ的な楽しみ方ができる製品と言えそうです。
自分のシステムでも、導入直後は残念ながら
「Audiophilleo2のデジタル接続で聴くCD音源に負けてるやん。どーすんだよコレ・・・」
というのが「本気の」オーディオ用として見た場合の感想でした。
デジコアの場合、アナログで入力するハイレゾ音源より、44.1kHzの同軸デジタル信号をできるだけ高品位な状態で(ここ重要!)入力してあげた方が音質的には有利なようです。
何度でも書きますが、なかるうは「アンチハイレゾ」派ではありませんw
とはいえホームオーディオのハイレゾ音源をそのまま聴けるのは(メリットを活かせるかどうかは別としても)やっぱり便利。
一度慣れてしまうと、いちいち変換して準備するのはもう面倒くさい。ハイレゾ対応と、ハイレゾかどうかによらない部分、いわば「基本的な音質」をなんとか両立させられないか?と冬の間アレコレやっておりました。
もともとの購入動機が
PCM(CDとハイレゾ)、DSDが混在したライブラリをシームレスに再生できること
だったので、CD音源だけデジタル接続に切り替えるとかは却下。RCAの音質を改善する方針とします。USB側のシステムについては下の図、導入時(
ブログ)から変わらず、アナログ側と電源系に手を入れました。
STEP1. レベル合わせ
まずは基本から。
HRD5とデジコアの組み合わせで、最初「あれ?」と思ったことは、音源によって歪みが出ること。
再生アプリのUSB Audio Player PROはデジタルボリュームが使えるので少し絞ってみたら改善したことから、レベルの問題だろうとあたりをつけました。
DACの出力仕様もプロセッサーの入力仕様もカタログには記載がない(書こうよ!)ためメーカーに問い合わせた結果、1dB強ほどながら確かにレベル過大であることがわかりました。
デジコアには入力感度の調整機能がなく、RCA段階で適正レベルにしておく必要があります。わずか1dBといっても、現在は最大レベルまで音圧を突っ込んだ音源がほとんどなので問題になります。(おっと、
海苔音源の話題とつながりました。)
デジタルボリュームを使うとわずかながら音質に影響が出るのと、特にDSD音源でボリューム調整するためにはPCM変換再生としなければならず、魅力が半減します。PCM処理のプロセッサーが入っている自分のシステムでも、DoP伝送とPCM変換で明らかに音は違いました。
そこでアッテネーターを挿入して物理的にレベル調整することにしました。

10dB in-line attenuators (Rothwell Audio)
最初に入れたこれは音は良かったのですがレベルを絞り過ぎS/Nが悪化したのでNG。減衰量の少ないものはないかと探してみつけたのが

3dB RCA Line Level Attenuators (Harrison Labs)
eBayで購入。最初空の封筒だけ届いてクレームの英作文書いたり、入手に手こずりました。
国産でこういう製品は見当たらなかったんですけど、皆さん自作してるんでしょうか。
オーテクさん、Rexatブランドで作ってよ。
これにより、

ビットパーフェクト伝送、DACの最大出力で「普通に」使えるようになりました。ここからチューニング開始です。
(2017/4/12追記)
こんな声が他にもあったのか、新製品のAT-HRD1には出力レベルの切り替えスイッチがつきました。HRD5の後継機にも取り入れて欲しい機能です。
(2017/6/14追記)
後継機のAT-HRD500が発表され、こちらも出力レベルが切り替え可能となりました。
500mVはちょっと絞り過ぎな気もしますが。
STEP2. ケーブル交換

SUPRA Sword ISL(SAEC)
ATC-RCA1(中村製作所)
ラインケーブルによる変化はUSBケーブルあたりの比ではなく、効果が一番大きかった。やっぱアナログはこういうのが楽しいやね。
パーツレビューは
こちら。GR1(k)Sophiaあたりと比べてみたいな。
アモルメットコアはラインケーブルに比べれば微調整といった感じ。こちらは聴感上のS/Nを改善してくれました。Hi-μ(高透磁率)材とはいえフェライトコアを1ターン(1回通すことをこう言います)した程度では可聴周波数帯域への影響などあり得ないのですが、不思議なものです。
プロセッサーの端子にアッテネーターを取り付けるための延長ケーブルの役割も兼ねています。
STEP3. ノイズ対策
今思えばSTEP2と3の順番が逆でした・・・
DACを導入しRCA接続にして以来、ノイズが気になって気になって。絶対的なレベルはそう高くはない、というか「わずかに乗っている」程度でしたが、デジタル入力なら極めて高いS/N比を誇るデジコアなので、これを許すわけにはイカンと。
ノイズなんて音質の一要素に過ぎない
と頭ではわかっているつもりでも気になるものは仕方ない、でもRCAラインに入れるフィルタはちょっと避けたい。というわけで、根本の電源を強化することにしました。どうせ入れるならノイズ対策だけでなく他の音質面でも効果の期待できるものを、ということで導入したのがこれ。

AT-RX60(audio-technica)
AT-RX10(audio-technica)
AT-NF100(audio-technica)
RX60はRexatブランドのキャパシタ。
設置済みの安定化電源だってコンデンサの塊みたいなものなのに、さらに追加する意味はあるのか?試してみたい興味もあって導入。パーツレビューは
こちら。
RX10はリモートアシストボックスといい、本来はマルチアンプシステムでリモート線がたくさん必要な時に使う製品です。
この出力をDACに接続することで、ACC線を電源として使用するDACを安定化電源+キャパシタのクリーンな電源で動作できるようにしました。詳細は
パーツレビューにて。
RX10、RX60、電源ラインフィルタのAT-NF100と順番に設置したところ、それぞれ3dB程度のノイズ改善効果があり、3つあわせてほぼ気にならないレベルにすることができました。S/Nが上がったことで、音の透明感も向上しました。デバイス1つで一件落着とはいかず、少しずつ積み重ねていくしかないのがアナログっぽいなあと。
なんだかオーテクさんの回し者みたいになってきました・・・
またRX60はノイズ低減だけでなく、アタック音がより重く実体感をともなったものになるなど音質面の効果もあり、なかなかおいしいアイテムです。(最初低音のレベルが上がったのかと思いました。)
ここまでで半年。
低域の切れとか、空間の広さなど、いまだDDC専用機による同軸デジタル接続の方が上と感じる部分はあります。それでも音色はこちらの方が好みに近く、ようやくCDフォーマットでも主力ソースユニットとして使えるかな?てな感じになってきました。
ハイレゾについても、当面はこの「簡易再生」システム(昔のS-VHSみたいな呼び方ですが)で良かろう、というのがここ半年の結論、プロセッサーまで変更してのネイティブな環境でのレポートは他の皆さんにお任せすることにします。
上位機種出してくれたら検討しますよオーテクさん。あ、LUXMANさんとかDENONさんが復帰してくれるのも大歓迎です。DA-06の車載バージョンなんていいですね・・・
レベルあわせやノイズ対策なんて、ホームオーディオでこんな苦労はしたことがなかったのですが・・・デジタル接続のメリットも再認識した次第。
カーオーディオでアナログ接続って大変ですけど、やってみればそれなりの利益はありますね。
デジタルもアナログも、ハイレゾもCDも、好き嫌いせず取り入れて楽しめばいいんじゃないでしょうか。