
我が家の水槽は純水機でGH・KH共に1程度まで下げた飼育水を使用して換水しているため、多くの水草が白化してしまい上手く育たなくなってしまいました。
なぜGH・KHを必要以上に下げているかと言うと、大事に飼育しているペルー産ワイルドのエンゼルフィッシュが軟水を好むようで、GH1程度まで軟水化するとすこぶる調子が良いからです。アルタムエンゼルなどワイルド系のエンゼルフィッシュはGHを下げた極端な軟水が一番具合が良いのかな? 我が家のワイルドエンゼルは次に高水温と低PHが具合が良いですが、逆に軟水にさえすれば低水温と高PHは難なく受け入れてくれます。ゲインは圧倒的に軟水にありました。
そんな事でGHを下げているのですが、水草復活のため園芸用のカルシウムを含む植物用活力剤「リキダス」を使用した所メキメキと水草が調子を取り戻しました。
水槽内の水草の根の環境を的確に語っている記事はなかなか無いのですが、根からの養分の吸収には「根酸」と言う植物の根から出る「酸」が硝酸塩などからなる栄養塩を溶解してイオンとして養分とカルシウム(ミネラル)を吸収すると言う仕組みがあるのですが、その根酸が水中であるが故希釈してしまい酸が効かない効き難いと言う水草特有の事情があります。
そこで「有機酸」を飼育水に添加する事で有機酸が水中のカルシウムを「有機塩」として捉えます。有機塩は根からそのままで吸収することが可能なので根酸が効かない環境でも水草がカルシウムを吸収する事が可能になります。
↑
ー追記ー
これをキレート化と言うらしい。栄養塩からカルシウム(ミネラル類)を引き剥がして有機酸で包み込み、根が吸収できる有機塩のかたちを維持する。仮に有機酸が消えてしまうと放出されたカルシウムが硝酸などと結合して栄養塩の形に戻ってしまう。
ーーーー
新芽の白化の原因がカルシウム不足なのでカルシウムが吸収されれば新芽部分の白化が改善すると言うシステムになっています。新葉に栄養を引かれて下葉や古葉が痛むのはマグネシウム不足が影響しているそうです。
そんな有機酸の
・アミノ酸 ←根の周りの微生物環境を整えて根を健康に保つ(という表記だけれど実際には点滴の様に直接的な栄養になる)
・フルボ酸 ← 根が直接ミネラルを吸収出来る状態にする
・コリン(ビタミン) ←植物内でミネラルの運搬
この3つの働きとミネラルそのものを含んだ、至れり尽くせりの活力剤(肥料では無い)が「リキダス」と言う事になります。
コレとても効きます。適当に入れていましたが白化が治まり水草の色艶が良くなるのが見ていて分かります。
なのですがカルシウムが入っていると言う事で飼育水のGHを上昇させる要素となりますが、何せ園芸用なので水槽への添加の最適な用量など当然記載がありません。ネットを見ても「少量から始めて良い感じで。」とあやふやな感じです。
と言う事で今回は「適量を探ってみる」、と言う企画です。
まずは今日Amazonから届いた2Lのビーカーに1Lの純水を純水機から取ります。(TDS計が1ですが誤差という事でw)
当然ですが純水なのでGHは0となっております。
そこに1ccのリキダスを取り出して純水に添加します。
添加 & 撹拌。1,000倍の希釈液が出来ました。
TDS計測。82ppm
1,000倍希釈ですが結構濃い液体ですね。水道水であればGH=3〜4位になるTDSの値です。
続いてGHの計測。試験管に2滴の試薬を垂らします。
試薬が赤色に変色するまでリキダス1,000倍希釈液を注ぎます。
約、3.2cc で赤色に変色しました。
計算すると、基準5cc×2滴÷3.2cc=3.125と求まりました。
GH=3.125 となりました。
この計測方法、自分で考えた試薬の使用量が少なくて済み、割と正確?細かい数字まで追える計測方法です。
少し試薬をけちり過ぎて精度が?な部分もあるので、今度は4滴でやってみます。
赤に変色するまで1,000倍希釈液を注ぎます。
6ccで赤色に変色しました。
基準5cc×4滴÷6cc=3.333
GH=3.333 と求まりました。大体こんなモンです。
この方法良いですよね。
1,000倍希釈でGH=3.33なので水槽で1,000倍希釈では濃すぎますね。
更に10倍希釈して10,000倍希釈液にするとGH=0.333 となります。
20,000倍希釈でGH=0.166
30,000倍希釈でGH=0.1
10,000倍〜30,000倍の希釈でGH=0.333〜0.1 なのでこの辺りが実用域となりそうです。
実際、私が適当に添加して比較的早急に効果が確認出来たのが10,000倍希釈でしたので良い所だった様です。常用の場合は30,000倍希釈で良いかも知れません(感覚的に)。
飼育水はGH=1を目標に純水を使用しているので、リキダスの添加は少々のGH上昇で許容できる値です♪
そもそもの飼育水のGHを上昇させたくない場合には他の有機酸のみの添加剤を探した方が良さそうですね。
(有機酸は水草の生育にはとても重要な要素と思いますのでGHがある場合でも有機酸の添加は有効と思います。)
添加方法は換水時に新規飼育水量に合わせた添加です。毎日添加ではGHが積算されてしまうので添加済みの水は捨てて、新規の飼育水に添加する必要があります。
結論。
リキダスの添加量
3,333倍希釈でGH=1
5,000倍希釈でGH=0.666
10,000倍希釈でGH=0.333
20,000倍希釈でGH=0.166
30,000倍希釈でGH=0.1
40,000倍希釈でGH=0.083
10Lの換水に1ccの添加で10,000倍希釈。
20Lの換水に1ccの添加で20,000倍希釈。
30Lの換水に1cc添加で30,000倍希釈。
40Lの換水に1cc添加で40,000倍希釈。
少量でOK。
・カルシウムの吸収が増えると相対的にカリウムとマグネシウムの吸収は阻害されるのでバランスが大切(控えめに)。
・10,000倍希釈で水槽を満たすと比較的早急にエキノドルスの新葉の白化改善が見られたので、10,000倍希釈は頓服的な使用量。常用添加は30,000倍〜20,000倍が一つの基準。って感じ?
・硬度が高い方を好む水草には別途調整が必要。
・KHも計測しましたが影響はありませんでした(計測限界以下)。下げる方には若干影響すると思われる。酸なので、
・pHは酸が入っているので当然低いです。
・ADAのECAは有機酸にプラスして鉄とマグネシウムを含有。コンセプトはリキダスに似た感じ。
・新葉の不調には頓服的に「リキダス」。古葉の健康には継続的なADAの「ECA」の使用が有効(理屈では継続的なマグネシウムに摂取が水草には有効。光合成にはマグネシウムは欠かせない)。
今日は新しいビーカーを買ったので記念に?実験してみました。
■リキダス
https://www.hyponex.co.jp/products/products-636/
ブログ一覧 | 日記
Posted at
2024/02/29 05:25:44