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TECHNITUNED βの愛車 [ヤマハ SR400]

整備手帳

作業日:2023年12月5日

エンジンヘッドのどうしても傷んでしまう場所。オイル供給量アップでヘッドの保護。

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目的 修理・故障・メンテナンス
作業 DIY
難易度

初級

作業時間 30分以内
1
SRのエンジンでどうしても傷んでしまう、痛めてしまう場所。エンジンヘッドのバルブ周り。

ヘッドのバルブ周りのパーツ摩耗を抑える為に、ヘッドへのオイル供給量を増やしてヘッドを保護したいと思います。

写真はロッカーアームのオイルの吐出口を写しましたが、この穴の直径が2mmあります。インテークとエキゾーストに各1つずつあり、この2つの穴がヘッド内での唯一のオイル吐出口と成っています。
2
ヘッドへのオイル供給でボトルネックになっていると感覚的に思うのがこのオイルデリバリーパイプですが、カットして確認したところ穴の直径は3.2mmありました。

3.2mmのオイル通路で、2つの2mmのオイル吐出口の分のオイル通路が賄えているのか計算で確認してみます。


3.2mmの穴の面積は、
(3.2/2)^2×π=8.04㎟ と求まります。

2mmの穴の2つの合計面積は、
((2/2)^2×π)×2=6.28㎟ と求まります。

と言う事で一見細すぎる様に見えるオイルデリバリーパイプの径は
8.04㎟ > 6.28㎟ となるので十分に足りていると言うことになります。見た目のイメージとはだいぶ違うんですね。
3
ヘッドへのオイル通路で、8.04㎟又は6.28㎟を確保出来ていない場所があります。

一つはココ。オイルデリバリーパイプをヘッドに固定するためのバンジョーボルト。
ボルトの奥のオイル通路はオリフィスの様に絞られていて、2mmの穴しか貫通していません。2mmの穴の面積は3.14㎟なので8.04㎟は当然の事、6.28㎟も確保出来ていません。
4
なので3.5mmのドリルで穴の拡大をしてオイル通路のボトルネックの解消します。
(ハンドドリルでも大丈夫です。)
5
ついでにサイドの穴も2mm→2.5mmに拡大します。通路の抵抗は少しでも少ない方が良いですからね。
説明のため作業手順が前後していますが、横穴を先に拡大して縦穴を後に開けた方が内部にバリの残る心配が減ります。

3.5mmの穴の面積は、9.62㎟
2.5mmの2つの穴の面積は、9.82㎟

オイルデリバリーパイプの8.04㎟以上を確保出来ました。👏
6
もう一つはココ。
エンジンブロックとオイルデリバリーパイプを繋ぐバンジョーボルトです。ここもオリフィスの様に2mmの穴しか貫通していないので、同じ様にドリルで拡大加工してヘッドへのオイル供給のボトルネックを解消します。
7
奥の方がオリフィス状に狭くなっているのが見えると思います。これをドリルで削り取ります。
8
オイル潤滑量が不足していたり、オイル管理が適切にされていなかったり、タペットクリアランスが適正値内に入っていなかったりすると、どうしてもバルブの末端と接するタペットスクリューが虫食い摩耗してしまい、バルブ側も虫食いしてしまう事になりす。5万キロも走るとロッカーアームの摩耗も見られるので、管理によってはオーバーホール時に思いもよらない出費になってしまうので注意が必要です。
9
オイル供給の話はホースを変えたり、経路を変えたり色々ありますが、実際にはここのボルトのボトルネック解消がオイル供給量を増やす効果が大きいようです。

空冷エンジン共通の悩み事、ソレはヘッドの熱持ち。オーバーヒート気味になるとヘッドが熱膨張してしまい、タペットクリアランスも広がってしまう為にバルブ系から異音も発生してしまいます。そんなヘッドの熱持ちもヘッドへのオイル供給量を増やす事で冷却の一翼を担う事ができます。

ヘッドの冷却の考察のページはこちらから
↓↓↓
https://minkara.carview.co.jp/smart/userid/2092714/blog/46632760/
10
〜おまけ〜

SRはスカベンジャーポンプのオイルも潤滑に使うから、と言う訳ではないですが、スカベンジャーポンプに吸われる直前のオイルには鉄粉が多く含まれているので、マグネット付きのドレインボルトに交換すると安心材料に成るかも知れませんね。

理屈ではフィルターで濾されている筈なんですが、何故だか?磁石には沢山の鉄粉が引っ付きます。
11
加工してしまって大丈夫?ですが、SR400にこの加工を施してから暫く経ちますが不具合はありません。

SR400はSR500と共通のオイルポンプを持ち、腰下は400ccの方がピストンスピードが遅い事と500ccに比べてトルクが小さい事から潤滑に余裕があります。
運転状況も400ccの方がトルクとギア比の関係から回転数を上げて走ります。回転数が高いと必然にオイルポンプからの吐出量は増えます。と言う事で相対的にSR400の方がオイル循環に余裕があります。すなわち腰下へのオイルの供給量が過剰?余裕がある事になります。

1、500ccに比較して、オイルポンプからの吐出量が多くなる運転条件になる。
2、500ccに比較して、腰下の潤滑に余裕がある

以上の2つの理由から、余剰となっている腰下のオイルをヘッドへと流すと言う事で、腰下の潤滑には影響がない、と言えるかな??

大丈夫です。(保証は有りませんが、ウチのSR400はコレで1万キロ以上走行していますが快調です。SR500には強化オイルポンプとこの加工で2万キロ以上走りましたが、快調でした。只今オイル消費の悪化でエンジンOH中です。)

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