
サニー・クーペ1200GX B110(1970)
1970年代のニッサン・サニーは、今日のイメージよりもずっと“熱い”モデルだった。それにこの頃は、FFであることはむしろニュースで、サニーのような小さいクルマであっても、駆動方式はFRがほとんどであり、またATもまだマイナーだった。
そしてMTということでは、このGX-5のミッションは異色だった。このクルマのシフトパターンは2速から5速までがH型で、1速はHパターンの外側に置かれていたのだ。1速は発進時しか使わず、走り出したら「2~5」までのギヤを駆使するというレーシングカーによくある方式が採用されていた。今日でいうなら、このGXは、おそらくインテグラの「タイプR」に相当するポジションにいた。
そして後年、ミッションだけでなく、小型・軽量で後輪駆動といったこのクルマの属性にレース界が着目し、サニーはサーキットで大活躍する。多くのチューナーが参入し、エンジンは140馬力にまでパワーアップされたレーシング・サニーが競う「マイナー・ツーリング」カテゴリーは、前座ながらも、富士スピードウェイでの最もエキサイティングなレース(接近バトル!)として観客に愛された。
(ホリデーオートBG 2000年3月より加筆修整)
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2016/06/27 07:05:58