クラッチオーバーホール他

本日はクラッチをオーバーホールします。

まずは洗浄から。
3セットある手持ちの中から選んで
元々付いていたモノが良さそうだったので洗浄してチェックします。
クラッチセンターには昭和46(1971)年10月13日のスタンプがありました。
新車時から入っていたクラッチで間違いなさそうです。
ちょうど生産台数が一番多かったK1の生産が終わり、K2に切り替わった頃ですね。

このエンジンは
カムまわりやクラッチの状態から推測すると走行距離が少なめですね。
シリンダースリーブはサビ跡があったのとキックスピンドルのスプラインが真っ赤にサビていたので殆ど乗られず放置期間が長かったのでしょう。

フリクションディスクの当たり面は摩耗も少なく状態が良いのでそのまま使用できます。

というか旋削時の挽き目がまだ消えていないぐらい摩耗していません。

クラッチセンター側の当たり面はちょっとだけ腐食があるけど大丈夫そうです。

リフタープレートのスライド面もキズなく再使用可能。

こりゃダメですね。

クラッチプレートはサビが出ているので交換します。
フリクションディスクも厚みは基準を満たしていますが、劣化があるので新品交換します。

プレートはディンプルのある当時物。
フリクションディスクも放射状にスリットが入っている当時物ですね。
一度も交換されていないみたい。

この事からも走行距離は短く、放置期間が長かったのが伺えます。

リフタープレートのベアリングは油圧プレスで抜き取りました。

このベアリングはクラッチを切る時にスラスト方向に力がかかりながら回っている部分ですので、バラした時に交換しておくのが安心ですね。

こちらの新品ベアリングを使って組み上げる予定です。
ベアリングは現在純正で入手すると不二越製が出てきます。
元々入っていたのはNTN製でした。

一般的な6003オープンなので純正じゃなくても良いかと思います。

スペシャルワッシャーの再メッキが上がってきたので組付けします。

M6のナットとプレーンワッシャーは新品を使いました。
スパークアドバンサーとコンタクトブレーカーはこれにて完成。

こちらはテンショナーホルダー
プッシュロッド固定用ボルトも再メッキから上がってきましたので組付け。

このボルトは新品入手ができませんので、元々サビだらけでボロボロだったボルトをダイスに通してネジ山をさらい、除錆剤に漬け込んだあと真鍮ブラシとペーパー、スリーエムの研磨スポンジで丁寧に錆取りして下地を作り再メッキに出しました。

ロックナットはM6ナット3種ユニクロの新品を使用します。

テンショナーホルダーもこれにて完成！
出番まで保管します。

どーでもいいネタなんですが

ファイナル部分のM10ボルト
現在、純正で入手すると統合部品となっていて普通の六角ボルトM10と銅色のワッシャーが出てきます。

新品ボルトを使って締め付けたのですが、気になって元々付いていたヘッドが小さなフランジボルトとワッシャーを再メッキして入れ直しました。

クランクケースのキワで工具のアクセスがしにくいので、こっちの方がコンパクトで断然締めやすいですね。
こんな理由でこのボルトが新車時から採用されていたのかと思います。

次回はクラッチの組み立てとフライホイール＆スタータークラッチのオーバーホールを進めていきましょう。