以前behringer ECM8000を使用してmy XBEE車内のスピーカー再生音特性を測定しましたが、停車時であってもエンジンやエアコンの騒音が大きく、低域をフラットに設定したのでは低音が騒音に飲み込まれて聞こえなくなってしまうので低音部分を持ち上げて走行中でも聞こえるように設定しました。
単に特性測定だけではなく、音楽的に録音したものがどう聞こえるのか、それを再調整のための記録用モニター用音源として役立てられないかについて検討しました。
1)
現在マイクとして、Behringer ECM8000の他、同 B-1、ZOOM H5の本体マイクの3種類を所有しているので、ECM8000以外のマイクで測定して再生音の録音を行うことにしました。
目的は、現状の再生音と騒音の関係把握と改善策検討です。
2)
先ず、3種類のマイクの特性確認をしました(録音データは全てLCh、RChの合成)。
自室のスピーカーを使っての相対比較なので、このデータがマイクの特性を直接示すものではありません。
H5の付属マイクは低域の感度が他の二者に比較して低く、中域では他の二者よりも感度が高くなっているのが判ります。録音された音もその通り低音が少なく中高域がうるさく感じられる音です。
音響測定用のECM8000とB-1はメーカーのデータ上では共に50Hz~100Hzはほぼ平坦ですが、録音された実音ではB-1の方が少し低域の感度が高くなっています。
今回は音楽の録音です。ECM8000は”サー”というノイズが大きいため、B-1の低域感度が出でいることが確認できたのでこれを使用します。
3)
ECM8000をセッティングしたのと同じヘッドレストの位置(耳に近い位置)にB-1をセット直して録音しました。
4)
H5をPCのインターフェースとして接続し、直接PCでモニターすると共に、H5本体で録音しました。
5)
今回設定を少し変更しました。運転席で聴く再生音に不自然さが出ない程度に低域は出来る限り大きく設定し、高域は少し強く感じたので、少し下げるように微調整しました。また、聴いている時の音の大きさも今までより上げて、これ以上は運転時にはしないというレベルに設定しました。
そして完全に作動off時、エンジンoff(ACC)時、エンジンon(停車)時の暗騒音を測定しました。
6)
ACC時とエンジンon時と先の暗騒音のグラフを併せてみると、明らかにエンジンをonにした状態でこの設定でも低域で騒音の影響うけるのがはっきりわかります。
しかし、低域の騒音の大きさを鑑みると、この影響を30Hz程度まで余裕をもって受けないようにするためには、音楽の再生レベルを約30db程度上げる必要がありますが、現実には不可能です。
動画1
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この設定での録音ファイルでは運転席位置で聴く音よりも低音が大きく、モコモコした音になっています。しかし、実際に耳で聴く音はエンジンonでも低音は聴こえ、モコモコした音でもありません。このように録音した音と実際に聞く音には大きな差があり、録音ファイルの音をそのまま設定した音とするには無理があります。
この差は微弱音に対する感度が非常に良いコンデンサーマイクを使用したことによるものかもしれません。耳に聴こえない弱い音でもしっかりマイクが拾っているようです。
中高域を少し下げるように微調整し、低域も可能な限りレベルを上げたので運転席で聴く限りは気持ち良く感じられる音になっているのでこれでFIXしました。
7)
現状B-1での録音はこれで終わりとし、日を変えてH5での測定を行いました。
運転席のヘッドレストを外し、運転席のシートバック部分にセットしての録音です。本体のみで録音出来るので便利です。
動画2
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H5での録音は手軽で便利ですが、やはり低音は弱く、中音域が強く感じられ、全体的に厚みの感じられない音になっています。外部マイクを使用した方が自然な音で録音できます。
H6に付属しているマイクの方が広帯域で良い音で録音可能という情報もあるので、これを購入しました。
納期が掛かるようですが、入手次第これも試す予定です。
8)
暗騒音については、やはりエンジンonだと低音に影響が見られます。
9)
H5の場合、マイクの低域感度がECM8000やB-1と比較して低くなっているのでエンジンon時の騒音量の増加は低いですが、やはりはっきりと騒音のマスク効果が確認できます。
マイクの低域感度の違いでデータの違いはあるものの、エンジン騒音(走行時はこれにロードノイズが加わります)が低域をマスクしてしまい、低音が適正に再生できないことが確認されました。
今回の一連の測定の目的である現状の再生音と騒音の関係の把握については、エンジン騒音とロードノイズは再生音の低域をマスクしてしまい、この影響を受けない設定にするためにはグラフィックイコライザーでの周波数調整やスーパーウーファーの付加では対応できないことが判明しました。
対策として、騒音を下げる防音処理をXBEE自体に施す必要(但し全く影響が無くなるような対策が可能か疑問)があります。その他、アクティブノイズキャンセリングなどの新たな方法も考えられますが、これも簡単ではありません。
動画3
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今回のブログの動画で録音用音源データとして使用させて頂いた、YouTube Studioのオーディオライブラリー内の著作権フリー音源をまとめた動画です。
レベル調整をしましたので、劣化はありますが、ダウンロードした音源をまとめたものであり、空気録音ではありません。
これと全体的に大きくバランスが違わないスピーカーからの再生音の空気録音が出来るのが理想であり、目標の一つとなります。
以上XBEEの車内のスピーカー再生音に関して色々調べましたが、エンジン騒音とロードノイズを何とかしない限り良質な低音は望めそうもありません。サブウーファーの追加だけではまだ足りずといった状況には困ったものです。
大幅に車を弄らない方法をもう少し検討してみようと思っています。
録音した音と運転席で聴く音にはまだ大きな隔たりがあり、これを記録用モニターとして使うためには録音方法の検討がかなり必要です。
録音用のマイクの種類をダイナミックマイク(ボーカル用ではなく楽器録音用)に変えてみるのも良いかもしれません。
今回の検討では殆ど進捗は無かったのですが、備忘録としても記録しておきたかったので取りあえず纏めました。
Posted at 2020/12/08 20:06:52 | |
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