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2015年01月01日

【その他】~アルピナB3Sというクルマ(エンジン編③)~

【その他】~アルピナB3Sというクルマ(エンジン編③)~

アルピナB3Sに一年乗ってみて、このクルマについての私の感想を、一年間の総括も兼ねて綴ってみよう、というこの企画。

毎度のことですが、「エンジン編」だけでもう第3話(汗)

エンジン以外にも書きたいことが沢山ありますので、今回をもって「エンジン編」を完了したいと思います。

------

前回書いた通り、アルピナ(B3)とM社(M3)のパワー競争は、1995年に2代目M3が321psのハイパワーを獲得したときに本格化したと思われます。

そして、2000年に名機「S54B32」を搭載したE46ベースのM3が登場したことで、ことパワーに関しては一気にM3優位に傾きます。

おそらくアルピナ社内では、M3のモデルチェンジがなされた1995年と2000年の2度の時期において、M3とのパワー競争の方向性や、B3の位置づけ、クルマ全体での差別化などについて、多くの議論がなされたはずです。

以下は、私が想像する2000年におけるアルピナ社内での議論の様子です(完全にフィクションですから!)


(~2000年春~)

(B社長)
しかし今回のM3には驚いたな。最高出力343psだと!
しかも実質的に全く新しいエンジンを開発して、プライスはB3より若干安いというんだから。
このままでは我々の顧客はM3に流れてしまうぞ。

(販売(M)担当)
はい、おっしゃるとおりです、社長。
先代M3の321psに対しては、新型B3の投入により十分な競争力がありましたが、同じE46でここまでパワー差をつけられると…。
343ps対285psですって?笑うしかないですね。
でも、早急に対応が必要です。

(B社長)
しかしなぁ、今のE4/6の285psだって簡単じゃなかったのに、さらに大幅なパワーアップができるのか。

(技術(T)担当)
あのエンジンをどう弄ってもM3に追いつくのは無理ですね。新型エンジンを開発するなら別ですけど。

(B社長)
はは、面白い冗談だ。E4/6は改良してまだ1年ちょっとしか経ってないんだぞ。それに、これから新型エンジンを開発したとしても3年はかかる。

(M担当)
しかし社長、B3をこのままのスペックで3年以上も引っ張るのは難しいですよ。
B3はMモデルとは一線を画した商品性で一定のファン獲得に成功しています。
ですが、それは「速さ」を前提とした「快適性」や「上質感」ということであって、動力性能が見劣りするようなイメージになったら販売は苦しいですし、アルピナブランド全体にも影響します。

(B社長)
それはよくわかってる!(私を誰だと思ってるんだ?)。
だから、B3が全面改良される6年後まで、何とか競争力を維持するしかないんだ。
難しいのは承知のうえだが、次の改良型では320psを目標にする!

(T担当)
えーっ!そんな無茶な!
ターボとか付けちゃってもいいですか?ツインターボとか。

(B社長)
ば、ばかっ!ターボのことは社内でも口にするな!ましてや「ビ・ターボ」なんて!
NAでやれっ!

(~2000年秋~)

(T担当)
社長、改良型ができました。

(B社長)
おおっ!できたか!
で、何馬力だ?スペックは?

(T担当)
ご指示の通りに320psです。ストロークを更に4mm拡大して3450ccになりました。圧縮比も11.0まで上げました。

(B社長)
えっ!そんなにロングストロークにして大丈夫か?ボアは?

(T担当)
ボアは…。これ以上シリンダー壁を薄くするとヤバいです。なのでストロークを・・・。

(B社長)
でもそれじゃあ、ぶん回せないつまらんエンジンになったんじゃないか?

(T担当)
はい。確かにパワーは出てますが、ドライバビリティは全然ダメですね。

(B社長)
そんなエンジン作ってどうすんだ!結局ギブアップってことか?

(T担当)
いえ、社長がそう言うと思って、実はもう1基作ってみたんです。
こっちはボアをギリギリの87.0mmまで広げて、ストロークは前のままです。だから47ccしか増えてません。

(B社長)
なんだ、だったらそれを先に言え!
で、何馬力だ?

(T担当)
295psです。やっぱりこれが限界…。

(B社長)
オマエなー、たった10psしか増えてないじゃないか!
M担当、295psでM3の343psに対抗できるか?

(M担当)
うーん、正直難しいですね。販売上はやっぱり320psくらいないとM3に負けちゃうと思います。
価格がうんと安いんなら別ですけど。

(B社長)
オマエもなー、アルピナが値下げ競争してどうすんだ?
当社の顧客は、最高の品質を最高の価格で買ってくださるプライドの高い方々だ。
とにかく、この試作機をベースにもっとパワーを上げるんだ!
あとな、圧縮比11.0は高すぎてダメだ。これはもう少し下げてくれ。

(T担当)
えーっ!そんな、もう無理です~!
やっぱり、ツインターボはダメですか?

(B社長)
オマエなー!何度言ったらわかる、しかも「ビ・ターボ」なんて!
NAでやるんだ!

(~2001年春~)

(T担当)
社長、再改良型ができました。

(B社長)
おおっ!出来たか!
で、何馬力だ?スペックは?

(T担当)
なんとか315psまでいきました!
排気量はボア拡大のみで47ccアップの3346cc、シリンダーは4mm厚になりましたけど、鉄ブロックだし圧縮比も10.2まで下げましたから、耐久性は大丈夫です。
社長の言うようにストロークはそのままで、逆にボアを拡大することで、より高回転型のエンジンになりました。トルクピークは4500rpmから4800rpmに上がってます。
但し、エアクリーナーボックス、インマニとエキマニ、エグゾーストパイプを全てやり直してるんで、当社専用品になっちゃってます。

(B社長)
そうか、よくやったぞ。夏のボーナスは期待しててくれ!
ところで、エンジンの形式名はどうする?普通でいけば「E4/7」だが。

(T担当)
このエンジンは、S52型ベースでは究極のハイチューンエンジンになってます。
E4/6とは大幅にスペックが変わってますから、新しく「E5/1型」でいいんじゃないですか。
でも社長、こんな苦労しなくても、ターボ化したらもっと楽にパワーアップできたんですけど、ツインターボとか。

(B社長)
オマエ、また禁句を言ったな!「ビ・ターボ」なんて言葉は、当社内には少なくとも5年後までは存在しないんだ!
罰としてボーナスの話は無しだ!

------


以上は私の完全なフィクションですけど、表現したかったのは、E4/6の完成度が高かっただけに、E5/1への改良はアルピナ社内でも一筋縄ではいかなかったんじゃないか、ということです。

B3Sのエンジンに関する私の理解が正しいかどうかはわかりませんが、運転してみて感じた「高回転域での荒々しさ」とか「いかにもハイチューンエンジン」といった、当初のイメージを覆すキャラクターを説明するには、意外と的を得てるんじゃないかと思っています。



ブログ一覧 | B3sについて | クルマ
Posted at 2015/01/01 23:13:27

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この記事へのコメント

2015年1月1日 23:38
フィクションとはいえ、なかなか面白いですねぇ。
5/1エンジン誕生秘話、意外に的を射ているかもしれませんよ(笑)
正月早々 楽しませて頂きました♪

これからも期待しています♪
コメントへの返答
2015年1月2日 1:46
トモさん、こんばんは!

明けましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いします!

今回のブログはちょっとおふざけで済みません。

「秘話」があるのかどうかわかりませんが、E5/1ってアルピナエンジンの中でも特殊な感じがするんですよね。

また色々教えてください。

引き続きよろしくお願いします!

Atsushi
2015年1月2日 0:20
AtsushiB3S様...今晩は(^^)v

「エンジン編」のカキコは御疲れ様ですぅー、楽しく拝読させて頂きました。
なぁ~るぅ程、フィクションとは云え興味を煽られる、議論の内容です。

ALPINAは、同ベースモデルではMより馬力が低い設定ですネ。
本家への配慮か、意図的なモノなのかなぁ!?
まぁー、馬力はALPINAの魅力に於ける、ほんの一部です。
ALPINAには明確な主張(エンジンはトータル)があり、ブレの無いクルマ作りされていると思います。

次は何編かなぁー、ALPINAの魅力を数多く列挙下さいねぇー、楽しみにしております(^_-)-☆

では又 by アル君(^^)/~~~
コメントへの返答
2015年1月2日 1:50
アルさん、こんばんは!

ふざけた内容で恐縮です。

おっしゃる通り、クルマの魅力はパワーだけじゃないですからね。

次回以降も、色々なアルピナの魅力をお伝えしていきますので、引き続きよろしくお願いします!
2015年1月3日 14:42
Atsushiさん、カキコミご苦労様です。楽しく拝見しました。S54B32型エンジンは、あとにもさきにも、あれを越えるエンジンは出てこないでしょうね。私も何度か試乗しましたが、ほれ込んでしまいました。サーキットではビュンビュン抜かれました(^^ゞ・・・一生に1度は乗ってみたかったエンジンです。でももう無理ですね(><)
コメントへの返答
2015年1月3日 15:24
M54さん、こんにちは!

エンジンのオーソリティであるM54さんにコメント頂くなんて、恐懼の至りです(汗)

でも「エンジン編」は実はM54さんに一番読んでいただきたかったんですよね。

最もらしく書いてますけど、私、E4/6もS54も乗ったことないので、是非ご意見を聞きたかったのです。

特に、私が書いたE5/1のキャラって、お乗りのE4/6とだいぶ違う感じですか?
2015年1月3日 18:47
Atsushiさん

私はB3Sには試乗したことがないのですが、文章を拝見すると、E5/1は高回転型のようですね。
私のE4/6も、私には高回転型だと感じられますが、E5/1は、より高回転型のように思われます。
しかし私は低回転での心地よさも大切だと思っています。
仮に1万キロ走ったとして、そのうち4000回転以上で走っているのは何%あるでしょうか。
おそらく10%にも満たない時間ではないでしょうか。
普通に運転していて90%以上の時間で如何に気持ちよく感じることができるかが大切だとも思っています。その点では私のE4/6も低回転では若干ガサツな感じがしてアルミブロックのM54に軍配が上がるように思えてなりません。さすがに4000回転を超えると圧倒的にE4/6の勝ちですが。。。(^^ゞ
E4/6でも4000を越えると猛獣が吼えるようなパワーを見せますが、E5/1だともっとなんでしょうね。
でもその快感を味わうのは月に何度かで、普通の運転をしている多くの時間で心地よさを感じさせてくれるM54やS54に未練を感じる今日この頃です。しかし、エンジン以外の部分、とくにサスペンションを含めて総合的に判断するとやはり普通のBMWよりもアルピナに軍配が上がるんでしょうね(^o^)
コメントへの返答
2015年1月3日 19:28
M54さん、返信ありがとうございました!

なるほどですねー。

E4/6もすでに高回転型なんですか。
それにしても、8,000rpmまで回り低回転でも心地良いとは、S54はすごいエンジンですね。

大変参考になりました。

これからも色々教えてくださいね!

Atsushi
2015年1月4日 15:26
E46のアルピナシャーシにS54B32型エンジンを載せるのが私の理想ですが、無いものねだりですね(^^ゞ
コメントへの返答
2015年1月4日 16:13
全く同じことを考えていた人間がここにもいます(笑)

まぁ、わかってる人は同じ形に帰結するんでしょうね。

でも、理論的にはその通りなんですけど、色々な制約の中で理想を追求するうちに、そのクルマの「個性」になっていくようにも思うんです。

B3Sの個性を理解することで、ますます愛着が沸いてきてるのも事実なんですよね!

こんな話を今度ゆっくりさせていただければと思います。

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「[整備] #944 車検・整備(82,000km) https://minkara.carview.co.jp/userid/2175498/car/3268422/7621403/note.aspx
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