自動車を、運輸省令にて、軽自動車、小型自動車、普通自動車及び特殊自動車の四種として分けて、軽自動車の名称が初めて登場したのが、1949年(昭和24年)。
当時の軽自動車の規格は、長さ2.80m、幅1.00m、高さ2.00m、排気量は、4サイクル車が150cc以下、2サイクル車は100cc以下だったらしい。
けれども、この規格で製造された四輪車は、当時、まだ、存在していなかったそうだ。
1950年(昭和25年)、長さ3.00m、幅1.30m、高さ2.00m、排気量は、4サイクル車が300cc以下、2サイクル車は200cc以下に。
そして、1951年(昭和26年)、4サイクル車は360cc、2サイクル車は240ccへと、変遷していき・・・・・
1955年(昭和30年)、4サイクル車、2サイクル車とも360ccに、統一された。
ところで、いわゆる、軽自動車運転免許は、1952年(昭和27年)に、新設されたわけだが、当時の通商産業省が企画した「国民車構想」によって生まれた、初の国民車というべき、あのてんとう虫・・・・・スバル360(デメキン)が、発売されたのは、1958年(昭和33年)3月のこと。
さて、このブログでは、当時の軽自動車について、詳しく述べるつもりは、ない。
ほれっ、怪しげな(!?)運転免許証。
実は、この古ぼけた運転免許証、5年程前に他界した父親が、所持していたもの。
父は、生涯、軽自動車を所有することはなく(当時、運転可能だった二輪車は、運転していたらしいが)。
結局、軽自動車運転免許は、1957年(昭和32年)で、失効してしまったようだ。
そして、普通自動車運転免許を取得することは、なかった。
で、今回、このブログを書こうと思ったのは、以前から、疑問を感じていた・・・・・
1952年(昭和27年)に新設された軽自動車運転免許に関してのこと。
当時は、上記の通り、1954年(昭和29年)に、排気量が4サイクル車、2サイクル車とも360ccに統一されて、軽自動車運転免許で、運転できる軽自動車は、排気量が360cc以下の車だった。
その後、軽自動車の規格が、また、変わっていくのだが、1976年(昭和51年)、排気量が360ccから550cc(長さ3.20m、幅1.40m)に。
1990年(平成2年)排気量が660cc(長さ3.30m)。
1998年(平成10年)長さ3.40m、幅1.48mに。
※以上、規格変更等の記載年は、運輸省令・道路運送車両法が施行された日の年。
尚、軽自動車運転免許は、1968年(昭和43年)9月に廃止され、普通自動車免許に統合された。
余談だが、軽自動車の規格が変わっても、360ccのクルマを作り続けたのが、ダイハツ。
4代目ダイハツ・ハイゼット S38P型(トラック)と、S38V型(バン)。
550cc(S40系)のものも販売しながらなのだが、なんと、360ccの車を1981年まで、販売。
軽自動車(360cc)限定免許の人のためだったという。
ところで、軽自動車運転免許所持者は、当該運転免許が廃止されたあと、このときに審査を受ければ、通常の普通自動車運転免許に移行したのだが、審査を受けなかった人は、“普通自動車運転免許「審査未済」” ということで、軽自動車に関して、360cc以下の運転のみが可能だったそうだ。
その後、この「審査未済」というものも、廃止されて、2007年(平成19年)に、限定条件方式にへ移行し、制度としては消滅した。
つまり、現在、限定免許として、360cc以下の軽自動車の運転免許が、存在しているということ。
1965年(昭和40年)に、軽自動車運転免許を所持していて、普通自動車免許の審査を受けずに、更新し続けている人なのだが、当時、16歳(免許取得可能年齢)だったとしても、68歳だから、それ以上の年齢の人のようだ。
調べてみると、13年前(2004年/平成16年)に、こんなケースが、あったらしい。
《勘違い起訴》
反則金納付のところ略式基礎で罰金刑(20万円)に
松阪簡裁の略式命令を、最高裁で棄却判決
道路交通法違反(免許条件違反)で、本来は、反則金納付(7千円)で済んだはずの三重県勢和村の農業男性(65)が、松阪区検の間違いで略式起訴され、松阪簡裁も誤りに気付かないまま、今年3月に、罰金20万円の略式命令を出していたことが分かった。
命令の確定後、間違いに気付いた検察側は、刑事訴訟法の規定に従い、非常上告し、最高裁第1小法廷(才口千晴裁判長)は、12日、略式命令を破棄し、公訴を棄却する判決を言い渡した。
判決によると、男性は総排気量360cc以下の車しか運転できない古い免許を持ち、同県多気町内で軽四自動車(660cc)を運転したところ、無免許運転に当たるとして、道路交通法違反で略式起訴された。
しかし、実際には無免許運転ではなく、運転免許条件違反に当たり、反則金納付を通告して、納付期間が経過した後でなければ、略式起訴できなかった。
(毎日新聞) 平成16年12月13日
ずっと、疑問だったこと・・・・・
今でも、軽自動車(限定)自動車運転免許というものが、あるのだろうか、ということ。
今でも、所持している人が、きっと、まだ、残っているであろう、軽自動車(360cc)限定普通自動車運転免許。
そんなレアな運転免許を持ち続けているレアな人に、是非とも、アマガエルを運転してもらいたいな。
《追記 2020.12.25》
今現在でも、当時の軽自動車運転免許のままで免許証を所有している人がいらっしゃるようだ。
その場合、『普通車は軽車(360)に限る』という記載によって、360cc以下の軽自動車限定普通自動車運転免許となっている。
そして…
スバル360を普段の買い物等のために運転しているという…
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Posted at
2017/12/11 23:37:11