2010年11月22日
オルタネーター故障
* この物語はフィクションです。
練習中にオルタネーターが故障。
ここから苦難の半日が始まりました。
そもそも故障したのが山の中。
人里までは車で40分くらいはかかります。
それも携帯の電波が入らない場所で、かつJAFが呼べたとしてもキャリアーが展開できるスペースが…
さて、困った。
まあ一緒に来ていた先輩らに牽引してもらうと言うのが一番楽な解決方法なのですが、先輩方はまだまだ練習をしていたので、練習終わるまでの数時間をただただぼーっと待っているのも性に合いません。
なので「電気が残っているうちにキャリアーが呼べるところまでどうにか帰ってやるか!どうせ途中で力尽きても先輩ら待っていれば牽引してもらえるし!」って事で助手席に「練習に興味があるなら付いてくる?」と言って誘った会社の同僚を乗せ、不安だらけの帰路開始。
走り始めて数十メートルで既にライトが暗く、暗く、暗く…
そのまま数百メートルで、アクセル踏んでもエンジンが回らない、間欠的にガス欠が発生したみたいな状態に。
ヤバい。
さてどうしたらパワーが戻るのか。
まあガス欠と違ってガソリンはあって、要はスパークプラグが点火できるほどの電気が無いのが原因なのだから、ヘッドライト消せば走るんじゃね?
という仮説を立てて、ライトを切ってみることに。
すると確かにパワーが戻りました。
これなら問題なく走り続けられるくらいに!
「よし、仮説は正しかった!!」
と、素直に喜ぶ事ができません。
何故なら、ここは木木が生い茂る山道で、時間が真夜中だからです。
道がっ!全くっ!見えないっっ!!
流石に前が見えなければ道を走る事は難しいですが、パワーが無ければ道を走る事ができません。
ならエンジン優先だろ、って事でヘッドライトを付ける事は選択肢的に有りえず、見えない道は集中力と注意力と気力でカバーしようと強く心に決め、走り続ける事にしました。
この場で先輩らのいる場所まで戻る、と言う選択肢が何故無かったのか。
この山道は途中まで登ればそこからは下るだけなので、登り切ってしまえばエンジン掛らなくても走れるだろう、と言う甘い目測がありました。
あとはまあ、それはこの状況がちょっと楽しかったからかもしれません(^^;
「これだ!これが逆境だ!!」みたいに。
残り少ない電力で、慎重に慎重を重ねながら山道を登ります。
パワーダウンが断続的に続き、もうだめかと思った時も何度かありました。
しかしそれでもどうにかこうにか、車を騙し騙し走らせて、やっとの事で山頂に…届く数十メートル手前でエンスト。
ここまで来ると先輩らのところに戻るには遠すぎるし、人力で押していくには登りだし…
と言う事で、ここで無灯火林道旅行は終了となりました。
が、ここで高校生止まりの物理知識が頭の中で囁きました。
「そう言えば金属って温度が高くなると抵抗が高くなるんじゃなかったっけ?とすると冷えれば今残ってる電気でも動くようになったりしないかなぁ…??」
と。
そう言う訳で、とりあえずしばらくは今のままで放置してれば動くんじゃないかと希望を抱いて待つ事に。
その間に用を足したり、同僚と「こんな事生まれて初めて経験しましたよ!」的な話をしながら、30分くらい時間をつぶしました。
季節は秋、車の外に居るのも寒かったくらいですから、エンジンが冷えるには十分です。そうして意を決してもう一度エンジンを…頼む!セルモーター動いてくれ!!と祈りながらキーを回すと…エンジンがかかりました!
そして無事、山頂に到着する事ができました。
が、実はここからが本当の地獄でした。
「後はエンジン掛らなくても、ニュートラルに入れて惰性で下って行けばよいだけだろ」
と思ったのですが、これが大不正解。
理由は非常に簡単で、
・エンジン掛ってないとパワステ効かないよ!
100kg近い男をお姫様抱っこ出来るくらいに腕力には自信がある私ではありますが、荷物含めりゃ1.2t近いFFを、フロントに負担のかかる下りに於いてパワステ無しで運転するのは、流石に、非常に、疲れますorz
特に1車線道路の90度カーブとかヘアピンとか…ハンドルどこまで回せば曲がれるの??
重い、重いよっ!
・エンジン掛ってないとブレーキ効かないよ!
CJ4Aはエンジンがかかっていないと倍力装置が効かないので、いつもよりかなり強めにペダルを踏まないとブレーキが効きません。
これが、非常に、重い。
いや、まあ、いつもより強い踏力で踏めばOKなんですけどね…
と言う事からです。
加えてライトは付かないので道が見えないと来れば、この下りを走りきれるのか…?
さ、て…どうするか?
「とりあえずエンジンが回ってさえいれば、最低限の排気もするし、パワステポンプも動くんじゃないか?それにエンジン回すのは何も燃焼に頼る必要は無いのだから、もしかして下りの道なら、ギアを5速に入れておけば、自重でエンジン回るんじゃね?」
と考えて、とりあえず5速に入れてみました。
するとまあ、思った通り、パワステと倍力装置が効きだしました!
これならどうにか運転に集中できる!
夜目に慣れてきてある程度走りやすくもなってるし、これなら行ける!!
と、一気に下山。
ただ目の悪い同僚にはかなりスリリングだったようで、
同僚「次のコーナー右だよね!?」
私「右に見えるけど、ここは左っ!!」
同僚「マジで!?嘘、大丈夫!?」
と、コーナー一つ毎に野郎のキャーキャーと言う声が響き渡っていました。
順調に思えた下りの旅ですが…そんな順調に行くわけはありません。
山頂付近は自重でエンジンが回せるほど傾斜が強かったのですが、下に降りれば降りるほど傾斜は緩やかになっていき、そのうちほぼまっ平らに。
それも左右どちらに寄っても他の車が追い越せないような細い道の真っただ中で、三度動かなくなってしまいました。
とは言えある程度傾斜気味ではあるので、人の手で動かすのはそれほど苦ではありません。
なのでここから一番近い広い場所まではそうやって進もう、と言う事にしました。
100mほど進むと木材を置く為の集積所(林道は山の整備や林業用に設けられている道なので、所所大きなスペースがある)があり、そこで先輩らが来るまで待っている事にしました。
1時間ほど待っていると、先輩らが到着。
そこから先輩の車でJAFが呼べる場所まで牽引してもらい、JAFのキャリアを使って青梅の板金屋さんまで運んでもらいました。
預けてあるAW11に乗って帰ればこの件は一件落着、だったんですけどね…。
なんと、AW11のエンジンを掛けたら、オルタネーターから火が!煙が!!
…一晩で2基もオルタネーターが壊れるなんて…orz
多分多くの人がそうそう経験しない事ですよね…何で悪い経験ばかり積めるんだろう(T-T)
その後、また帰るのにも色々あって、結局板金屋さんから家まで帰るのに4時間もかかりました。
久しぶりのマシントラブルにはへこみましたが、まあ、視界の悪い山道を眼を皿のようにして走ると言うのは、自分の苦手とする霧の練習に近いものがあったと思うので、良い経験ができたものだと思うようにします。
…します(^^;
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Posted at
2010/11/22 23:01:00
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