予算の立て方

私の仕事はプログラマーで、設計までやってるんで一応SEとか呼ばれることもあります。
客から「仕事内容の見積りを出せ」と言われた際、規模によってこれくらいかなぁと思って見積りを出します。
設計に幾ら、コーディング、デバッグに幾らくらい、で、合計幾らと。

客によっては「詳細な見積りを」と希望する方も居ます。
インターフェース設計書、プログラム仕様書、モジュール詳細説明書…とまあ、設計の段階で物凄い膨大な項目に対して見積りを出せ、って話になるわけです。
そうするとコレがまた結構面倒と言うか、見積書を書くだけで既に設計レベルのことをしなくてはならなくなります。
加えて、細かく工数を出していくので、細かい見積りを書けば書くほど、どんぶり勘定予算よりも大きくなってしまうわけです。

ここら辺の予算の立て方というのは開発規模によってある程度選ばなければならないものであり、そう言うことをお客に説明して納得してもらえるようにしています。

大体作業と言うものは、単品でみると大きな工数のかかるものでも、全体からすれば効率良く組んで小さく納めることが出来たりします。
「見積りが確り出来ていて予算が高い」見積りと、「見積りはザルだが予算が低い」見積りとでは、後者を選ぶ方は多いです。
もちろんこの場合、その業者がどれだけの開発経験があるのか、と言うのが決め手になるわけです。
「前にこれだけのことをした会社だから、この概算見積りは信頼できる」と。

建築関係の本によると、建物の見積りってのにも同じ事が言えるようです。
「細かい見積りはかえって見積りを高くする」と言うこと。
詳しくはまあそう言う書籍でも軽く見てみてください。

他にも日常で良くあるものとしては、タクシーの運賃。
予算が決まっているなら乗る前に「○○まで行きたいんだけど幾ら?」と聞いて予算内かどうかを確かめるのは大切でしょうが、1000円しか持ってないときに大よそ1000円かかる目的地まで行こうとする人は少ないでしょう。
見積り内容について「どういう経路を通ってそれぞれの道が何キロで、幾らずつかかるからソレくらいかかるのさ?」って確かめる人、居るんですかね?
それに運転手の見積りの甘さや、実際目的地に着くまでに渋滞やら何やらもあって予め聞いていた金額を多少オーバーしたとしても、「最初の見積りと違う」と文句をつける事って一般的だとは思いません。
道を大きく誤ったならその点について責を問うことはあるでしょうが。

なので個人的には、職人に出す見積りなんてのはどんぶり勘定になるのは仕方が無い、と思っています。


購入者として予算ありきで生活をすることは大切です。
ですが、自分の購入しようとしているサービスがどういう性格のものなのかを把握し、そのサービスにあったお金の使い方をすべきだと思います。
サービスなんて量産された規格商品でもないんですしね。