認知症と運転

毎日新聞に、気になる記事。
認知症ドライバー：８割、運転やめず　医師の勧告拒む－－高知大調査

　上村医師らは９５～０５年、同付属病院を受診して認知症と診断され、運転免許を持っていた１０１人について調べた。このうち医師が運転をやめるよう勧告した患者は８７人いたが、聞き入れたのは９人で、７１人（８２％）は運転を続けていた。残る７人は病状が悪化したため、結果的に運転ができなくなっていた。

　また、勧告をしなかった１４人は初診時から重度ですぐに入院したケースなどだが、既に家族の説得を聞き入れて運転をやめていた患者は４人しかいなかった。

　勧告に従わなかった７１人について、理由を複数回答で求めたところ、患者本人は「まだ運転できる」などとかたくなに拒否するケースが４９人（６９％）で最も多く、以下「運転は生活に必要」１７人（２４％）▽「趣味、生きがいだから」１０人（１４％）の順。病気で勧告の意味を理解できなかった人も１０人いた。

　また、家族の回答は「本人がやめてくれない」が４０人で、６割近くを占めた。危険性が分からず「やめさせるべきなのか分からない」「生活のためにやめさせられない・やめさせたくない」と答えた人も各１４人いた。

関連して以下二つ。

クルマ高齢社会：第２部・認知症と運転／２　医師も止められず

　道路交通法上は、認知症と診断されれば運転免許の取り消し対象となる。都道府県の公安委員会が最終的に処分を決めるが、その際の判断材料は主に医師の診断書だ。しかし、どのような場合に免許を取り消すべきだと判断するのか、詳しい基準ははっきりしていない。

クルマ高齢社会：記者が行く　「買い物は自分で」　スーパーが巡回バス

　高齢運転による事故を減らすためには、マイカーなしで暮らせる地域づくりが欠かせない。全国スーパーマーケット協会の澤藤正義専務理事は「巡回バスを事業として継続するのは難しい。でも高齢化がさらに進むことを考えれば、そうしたサービスが必要な時期に来ているのだろう」と話している。

認知症のまま車を運転する方って結構多いんだな、という事が分かって驚きです。
全ドライバーの何パーセントが認知症なのか分かりませんし、認知症の方がドレくらいの確率で事故を起こすのかもわかりませんので、どれだけの危険性があるか大まかにしか分かりませんが。


昔友人と、
「自己の利便性を追求して自家用車を利用し公共交通機関を赤字に追い込み、廃線や減線と利便性を下げておきながら、自分が歳を取って能力的・経済的に自家用車に乗れなくなった際、公共交通機関が充実していない事について文句を言うのはお門違いだ」
という事を話したことがあります。
これは私が地方に出張した際、そこの公共交通機関の不便さを嘆いた時に出た話題です。
流石に2時間に1本のペースで運行されるバスって酷かったです。
そんな酷い運行状況だから余計に利用者は少なくなり、最終的には廃線になってしまうんじゃないかと思います…が、自治体からの補助金が出ているようで、細細とでも続ける事は続けるのでしょう。
そういう自治体の負担って住民税やらに課せられる部分なので、車を利用する事で車の維持費のほかに車社会の維持費まで払って、結果自分の首を絞めているという事になるわけです。

なので、というか。
以前からの主張として、私としては車と言うのは趣味か仕事で使うものであるべきであって、誰も彼もが所有していなくてはいけないものではないと思います。
そういう考え方のシフトが実現しない限りは上記のような問題は解決できないと考えています。
まあそう言う意味では、若者の車離れと言うものはとても喜ばしい事では有るのですが…市場が活性化しなければ魅力的な車も増えないんだよなorz
この点は難しい…


何時もの通り話がずれてますが、まあ何と言うか、認知症の方が車を手放せない理由と言うのは私たちが作っている面も有るという事です。
「車の税金を下げる」という事を考えるのではなく、「車の税金を上げる」事で維持を難しくさせて車を手放させ、交通渋滞の緩和や事故抑制に繋げる。
交通量の増加に伴うバイパスの建設を必要も無くなり、道路特定財源を一般財源化させることができれば公共交通機関の拡充も可能になり、結果無理して車を保持しなくても良くなって車離れが進めば…認知症の方が無理して車を保持しようとしなくなるでしょうし、より良い社会環境、より優しい自然環境の実現にも繋がると思うんですがね。


自分が安全に走るために、そして自分が万が一車が運転できなくなった際に、どういう手段が現実的なのかという事を考えてみた結果、私としては「増税」になってしまいました、とまあそう言う話。