CR-Xカーボンボンネット製作〜表面製作編〜
1
ボンネットやエアロ自作というと大体樹脂を塗ってFRPを貼り、また樹脂を塗ってエア抜きをすると言ったハンドレイアップが主流かと思いますが、今回は真空でアシストするVaRTMで製作します。
型にカーボンクロスを貼り、その上からバギングフィルムを貼って布団圧縮袋のようにして真空引きすること真空と大気圧との差101.3kPa(1cm2あたり約1kg)で加圧出来ることになり型に密着する為自分のような素人でも割と綺麗に出来るのと必要最低限の樹脂しか使わないため軽量に作れるのがメリットです。
フィルムを貼ったり樹脂を引くためのホースを取り付けたりと準備にかなり時間がかかるのとフィルムやホースは中で樹脂が固まるため使い捨てのためお金がかかるのがデメリットです。
2
真空ポンプはエアコンの真空引きで使っていたやつを使用しました。
キャッチポットは市販品を買うと驚くほど高いのでとあるブログを参考にして自作しました。ホームセンターの材料で3000円程度で作れます。水の中に入れてエアを吹き込んでも気泡が出てこないようにしっかり密封できるように作りました。
型とポンプの間に設置して吸い出した樹脂がこの中に溜まります。
他に必要なものは作業工程と共に記載します。
3
離型処理します。ワックス×5をしてからPVAを塗りました。
型のフランジ部分、フィルムを貼り付けるところにあらかじめマスキングしておきます。
4
ゲルコートの代わりにエポキシ樹脂を200gハケで薄く塗りました。乾いたら1000番で足つけしました。
(クリア塗装前提ならこの工程は省いても良いと思いました)
5
カーボンクロスをスプレーのりで貼ります。表面で繊維の目が見えるので綺麗に貼りました。
平織3kです。
6
余分なクロスをカットして更にもう一枚貼ります。一層あたり約300gです。
7
ボンネットサイズでカーボンクロスだけで厚みを出そうとすると相当高額になってしまうため、補強材として5mmのスチレンボードを間に挟みました。出来るだけ大きめに作ります。
8
樹脂が通れるように3mmのドリルで穴をたくさん開けておきました。補強材438g
9
補強材料をスプレーのりで貼ったら縁と補強材の間を更に2層貼り増して補強します。
10
そして全体を覆うように一層貼ります。
2層+補強材+1層
縁部分は5層と強度重視で貼りました。
カーボンクロス約1kg使用
11
クロスの上にピールプライを貼ります。
これは樹脂を通す役割をします。防草シートで代用しました。
12
次にメディアを貼ります。これは真空になってフィルムが密着しても樹脂がスムーズに流れるようにするものです。防風ネットで代用しました。4mm幅の格子状になっているので流れやすいです。
13
樹脂を流すためのスパイラルチューブを中央に配置
(写真撮り忘れのため試作した時の写真を使用してます)
14
スパイラルチューブにホースを付けてからフィルムをブチルテープで貼りました。
15
ホースを取り回して樹脂吸い込み側のホースをクランプ、両側のチューブから真空引きし、真空になっていることを確認します。
樹脂→中央のチューブ→両側のチューブ→キャッチポット→真空ポンプ
16
真空が確認できたら樹脂吸い込み側のクランプを外して樹脂を流し込みます。今回は2kg用意しました。
型は真空になっているので勝手に中央→両側のチューブへと流れていきます。
含侵が終わったら吸い込み側をクランプして余分な樹脂を10分間抜きます。
17
樹脂はエポキシを使用
インフュージョン用の可使時間135分タイプです。
流し込むのにボンネットサイズですと45分くらいかかるので20分タイプなどでは樹脂を小分けに作って吸い込み口も3箇所配置して、含侵させつつ樹脂を作りつつエアを吸い込ませない様に注意して、等気を使うことが多いので少し高かったですが135分タイプを買いました。これですと小分けに作る必要もなく一気に2kg作って吸わせるだけで済みます。
気温が高いほど固まるのも早く、製作が夏だったこともあるので余計に可使時間が長いとありがたみを感じます。
18
エポキシ樹脂の説明に50℃以上で2時間熱硬化させるとありましたのでこのような釜を作って温風ヒーターで加熱します。
大体65℃くらいで2時間、更にそこから16時間熱硬化させました。
19
ガチガチに固まっていました。
ここからひたすらフィルムやメディアなどを剥がします。
ガラスのように硬いので革手袋をした方がいいと思います。自分は素手で作業して何箇所か切りました。
20
離型するとこんな感じになります。
表面にPVAが残っているので白っぽく見えますが水で洗えば綺麗にクリアになります。
21
トリミングしてない状態で2764gです。
ゲルコートで200g、カーボンクロスが約1000g、補強材が約440gでしたので樹脂は約1100gということになります。大体クロスくらいの樹脂量になるのでこんなもんだと思います。補強材に開けた穴に入り込む分もありますし。
22
ボンネットの縁にマスキングテープを貼って余計な部分をトリミングしました。
ホームセンターのドリルにつけるダイヤモンドカッターで切りました。粉が凄い出るので防塵マスク必須です。
更に縁はペーパーでバリを取って少しRをつけました。
23
トリミングしてマスキングテープを剥がしました。かなり綺麗に出来てたと思います!
自分は塗装してしまうので表面処理はしませんが、コンパウンドで磨いてPVAの目を消せば市販品の様になると思います。
次は裏面製作して合体させたいと思います。
[PR]Yahoo!ショッピング
タグ
関連コンテンツ( カーボン の関連コンテンツ )
関連整備ピックアップ
関連リンク