
PCを更新したついでに、iTunesライブラリの共有に挑戦してみました。
別のノートPCにiTunesと音楽ファイルを入れているのですが、
そのVistaマシンでiTunesを動かすと、
Core2 Duoとは思えないほど遅く、
しかもフリーズしたり、文字化けしたり、
アルバムアートが消えたりトラブル頻発。
で、家庭内LANとNAS(LAN接続ハードディスク)を使って、
速いデスクトップと、居間にあって便利なノートの両方で、
iTunesを使ったりiPodの同期ができたらいいな、と思ってトライ。
iTunesのファイル管理の仕組みがわからず、
またファイル転送も遅いので一日がかりでしたが、
こちらの情報を元にしてやってみました。
いくつか方法がありますが、個々の音楽ファイルだけでなく、
ライブラリを管理しているファイル本体もLAN接続のハードディスクに置くことにしました。
最初に注意点をいくつか。
NASは内蔵ハードディスクと比べてすごく遅かったりするので、
実用に耐えず元に戻さざるを得なくなる可能性があります。
また、何かの間違いでデータを消してしまったら大変なので、
元の音楽ファイルは、最初にバックアップしておきましょう。
移動後も、動作確認するまでは、元の音楽フォルダをリネームして保管しておくと安心です。
で、やり方です。メモせず試行錯誤してたので、うろ覚えですが、
「[iTunes Media]フォルダーの場所」に、LAN接続ハードディスクに作ったiTunesフォルダを指定。
ついでに[iTunes Media]フォルダーを整理」をチェックしておくと、
アーティスト、アルバム別にフォルダを作ってくれます。
「ライブラリを整理」の「ファイルを統合」と「[iTunes]フォルダー内のファイルを整理しなおす」
でデータをコピー。5000曲で半日がかり。
コピーされたのは音楽やビデオだけで、再生回数などの付加情報は含まれません。
で、ライブラリファイルの移動が必要です。
CドライブのiTunesフォルダからiTunes Library.itlを見つけて移動。
ココがトリッキーで、
シフトキーを押しながらiTunesを起動するとライブラリ選択画面に入れる。
これを複数のPCで行えば、ライブラリを共有できるようになります。
もうひとつ、買った音楽やソフトを扱うにはライセンス認証が必要です。
アカウント情報を入れて認証すれば、確かひとつのライセンスでPC5台まで使えます。
これで、ライブラリ弄りもiPod同期も、二つのPCからできるようになりました。
が、予想通り、iPodの同期にすごく時間がかかります。
NASのアクセス速度が明らかに遅いのが原因なのですが、
LANは有線の100Base-T、NASはバッファローのLS-C1.0TL。
ボトルネックはどこでしょう?コレで速度を計ってみました。
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CrystalDiskMark 3.0.1 x64 (C) 2007-2010 hiyohiyo
Crystal Dew World : http://crystalmark.info/
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* MB/s = 1,000,000 byte/s [SATA/300 = 300,000,000 byte/s]
Test : 50 MB
まず比較用に、
最新ハードディスクの速度。2TB、7200rpm。
Sequential Read : 120.210 MB/s
Sequential Write : 116.657 MB/s
Random Read 512KB : 44.301 MB/s
Random Write 512KB : 65.400 MB/s
Random Read 4KB (QD=1) : 1.434 MB/s [ 350.1 IOPS]
Random Write 4KB (QD=1) : 1.392 MB/s [ 340.0 IOPS]
Random Read 4KB (QD=32) : 4.668 MB/s [ 1139.6 IOPS]
Random Write 4KB (QD=32) : 1.460 MB/s [ 356.3 IOPS]
シーケンシャルリードが120MB/s。SATA600の上限600MB/sに対して余裕ありますね。
ハードディスクの仕組みは、昔のレコードみたいなもんで、
33rpmのLPレコードが200倍で高速動作している姿をイメージすれば想像できますが、
ツーっと針が動いて、目的のデータが針の直下に回ってくるまでの時間が、
ランダムアクセスのボトルネックになります。
実際には、キャッシュとアクセス順序の入れ替えで高速化しているようですが。
比較例その2。
8年くらい前のIDEハードディスク。120GB、7200rpm。
Sequential Read : 47.720 MB/s
Sequential Write : 24.692 MB/s
Random Read 512KB : 25.447 MB/s
Random Write 512KB : 18.934 MB/s
Random Read 4KB (QD=1) : 0.420 MB/s [ 102.5 IOPS]
Random Write 4KB (QD=1) : 0.905 MB/s [ 221.0 IOPS]
Random Read 4KB (QD=32) : 0.719 MB/s [ 175.5 IOPS]
Random Write 4KB (QD=32) : 0.964 MB/s [ 235.3 IOPS]
速度は最新型の半分以下。ATAですから、理論限界は100か133MB/s。
比較例その3。
SDメモリカード。30MB/s、Class10の速いやつ。
Sequential Read : 20.034 MB/s
Sequential Write : 17.069 MB/s
Random Read 512KB : 19.738 MB/s
Random Write 512KB : 8.326 MB/s
Random Read 4KB (QD=1) : 4.155 MB/s [ 1014.3 IOPS]
Random Write 4KB (QD=1) : 0.109 MB/s [ 26.5 IOPS]
Random Read 4KB (QD=32) : 4.563 MB/s [ 1114.0 IOPS]
Random Write 4KB (QD=32) : 0.129 MB/s [ 31.5 IOPS]
おっ、結構速い。USB2.0は60MB/sです。
意外とランダム書き込みに弱いのですね。
さて、
問題のバッファローのNAS。2年前くらいのモデル、容量1TBのLS-C1.0TL。
Sequential Read : 8.616 MB/s
Sequential Write : 10.556 MB/s
Random Read 512KB : 8.602 MB/s
Random Write 512KB : 10.363 MB/s
Random Read 4KB (QD=1) : 1.747 MB/s [ 426.6 IOPS]
Random Write 4KB (QD=1) : 1.698 MB/s [ 414.6 IOPS]
Random Read 4KB (QD=32) : 8.704 MB/s [ 2125.0 IOPS]
Random Write 4KB (QD=32) : 4.777 MB/s [ 1166.2 IOPS]
なるほど。ランダムアクセスは最新ハードディスク並みですが、
シーケンシャルは8年前のハードディスクにもSDメモリカードにも劣り、
その最大速度は10MB/s=80Mb/s。これは100Base-Tの実用上限と合致します。
って事は、NASじゃなくLANのスループットがネックっぽい・・・
ギガビットLANに換えて再挑戦してみたいところですが、
アレを買い、コレを買い、とちょろちょろ散財すると結局ムダになりがちなので、
家全体のLANシステムをどうアップグレードすべきかを考えねばなりません。
追記:
その後、LANを高速化しました。
「家庭内有線LANを高速化!NASに置いたiTunesライブラリがサクサクと!!」