
さて、グランツーリスモ。
選んだクルマによって、FFはFFの、FRはFRの走りをします。
実在するサーキットを同じように走ると、ほぼ同じタイムが出るそうな。
そんな、車種毎の挙動の違いは、どうやって再現されてるんでしょう?
グランツーリスモでは、クルマの挙動は計算で再現されています。
元となるのは、車種毎、もしくは共通設定されているパラメータ。
一体どんなデータがあれば、
クルマの挙動をあの程度に再現できるのでしょう?
手元の雑誌に、先代GT4のパラメータリストがあるので、
それを眺めつつ、考えてみましょう。
まずはエンジン。
静的なエンジンパワーは、トルクカーブ、アイドリング回転数、レッドゾーン、最高回転数、
こんなパラメータでだいたい定義できます。
でも、ターボの場合はタイムラグを再現する必要がありますね。
タービンの挙動は、タービンサイズ、過給圧、ウエストゲート開放圧、最高回転数で表現されます。
ターボは一個とは限りませんので、ツインターボなら二つ別々に。
アクセルを戻した時を考えると、エンブレトルクと、回転慣性モーメントも要りますね。
さらに、ハイブリッドはモーターの設定いろいろ。
当然、エンジンをチューニングすると設定が変わります。
駆動系。
まずは駆動方式と制御方法。4WDでも、スタンバイかアクティブかフルタイムで違います。
フロント、リア、センターデフそれぞれの設定。LSDなら、ビスカス、多板クラッチ、アクティブとか。
もちろん、イニシャルトルクなんかのパラメータも。
AYCとかアテーサとか、車種特有の機構も再現されてるそうな。
それからギア比、最終減速比、ドライブシャフトの慣性モーメント、ホイールの回転モーメント。
ブレーキは、ブレーキングトルクとABSの設定。
車体。
ホイールベース、前後トレッド、車重、重心位置、XYZの慣性モーメント。
空気抵抗も計算しなきゃ。前面投影面積、Cd値、前後のダウンフォース。
可変ウイングなら、走ってる間に変動させなきゃ。
使い道がわかりませんが、全長、全幅、全高も。
サス。
車高、バネレート、レバー比、伸び縮みそれぞれの減衰力、スタビのレート。
トー、キャンバー、キャスター角、オフセット。
それだけでは、ダブルウィッシュボーンもトレーリングアームもリジッドも一緒になっちゃいますから、
バネ下荷重、ストロークによる動的キャンバー変化も。
サスが縮みきった場合も考えなきゃ、とんでもない挙動になりますので、
バンプラバーのレートとクリアランス。
タイヤ。
ココがドライビングシミュレータの、一番難しいトコロです。
ドライ、ウェット、ダートなど、路面毎のグリップ、スリップ率、
スリップアングル毎のコーナリングフォースとドラッグ、荷重とグリップの関係。
ホイール径、トレッド幅、扁平率。
ついでに、
トラクションコントロール、スタビリティマネージメント類の作動機構。
もひとつ大事な事。
剛性を再現しないと、旧車も現代のクルマも一緒になっちゃいますので、
剛性パラメータも入ってるようです。そこから捻り剛性と曲げ剛性を計算するのでしょう。
ちなみに、走行距離に応じて剛性が低下してくるようですよ。
以上、PS2で動くGT4のパラメータリスト。
数十倍賢いPS3で動くGT5には、おそらくこれ以上のパラメータが存在するのでしょう。
そして、このシミュレーションがリアルタイムで動いて、
CGもリアルタイムに生成されちゃう。
うーん。凄すぎる・・・
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グランツーリスモ | クルマ
Posted at
2011/10/27 20:40:29