
ちょっと前に靴のABCマートが話題になりました。
自社ブランドの靴に実態のない
「メーカー小売り価格」を設定して表示した、
みたいな内容で、
あーそれってABC以外では見かけない
ナゾの紳士靴ブランド、
ステファノ・ロッシとかだよな~、
と思ってたらなんと、
HAWKINSやVANSもABCマートのプライベートブランドだった(驚)
日本での商標権をABCマートが買って、自社で開発も製造もしてるそうです。
つまり、本家ホーキンスの方はおそらくデザインにも素材選びにも関わっておらず、
「ホーキンスってこんな雰囲気だべ、こう変えたら日本人にウケるっぺ、んだんだ」
って感じでABCマートの人が決めちゃうんですね~(想像)
バーバリーも長らく三陽商会がライセンス生産してたし、
そういうのはフツーにあるんで、一度知ってしまえば驚きではないんですが、
こういう大衆ブランドの価値ってなんでしょうね~
技術とか特許って、アパレルにはあまりなさそうだし、
大量生産なので他社と比べて凄腕の職人が作ってるわけでもなし、
デザイン?
いや、本家と関係ない異国のデザイナーが開発できちゃうくらいだから、
デザインそのものに価値があるわけではありません。
歴史?
いや赤の他人に開発任せちゃうくらいだから、歴史って胸を張れるようなもんはないだろ。
なら、ABCが開発製造したホーキンスの靴に、
違うブランド名をつけて売ったらどうだ?
いや3割安くても売れないでしょ。
ホーキンスそっくり、って言われて本家を超えられない。
デザインも性能も同一なのに(笑)
うーん、じゃあ消費者にとってそのブランドの価値って何だ?
って考えてみたら、
「大衆にイメージが根付いたホーキンスっぽさ」
なのかなぁ~
服とか靴とか、気に入ったモノに巡り合うのって手間じゃないですか。
お店にフラっと入っても、全商品を公平に見るわけじゃなくて、
好みのブランドコーナーしか見なかったり、
店員さんに勧められたのしか試さないでしょ?
自分の好み・自分に合わないブランドが頭にあって、
触る前に「これやだ」「これいいかも」って絞り込んじゃうでしょ。
「ホーキンズっぽい靴」って言うと、あーあんなやつね~、と通じる。
これはもはや「言語」であるとも言えます(笑)
モノ選びを手伝ってくれる。それがブランドの価値なのです。
で、巷で起こってるのは、「ブランドでモノを売る」ではなく、
「ブランドとデザイナー、生産技術・設備、人材をひっくるめて譲渡する」でもなく、
「ブランドそのもの」が商品、つまり
「ブランドの商標権をABCマートに売る」のがフツーなのです・・・
ちなみに私は、とあるブランドの日本でライセンス生産された服が好みなので、
そういうのを否定しているわけではありません。
本家のは高くて買えないってだけではなく、
オシャレすぎて着れるのが見当たらないんです(泣)
Posted at 2017/04/25 20:51:27 | |
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