※このブログは、スペーサー装着の検討過程を共有するためのものであり、スペーサーの装着をお勧めするものではありません。装着はあくまでご自身で判断で。
まずは経緯から。
<経緯>
ホイールをちょいと外に出したい時「スペーサーを間に挟もうか?」車いじりが好きなら、考えたり、装着した経験があるだろう。
しかし、安全上の理由から装着を悩む人が多い。特に「純正ホイール」と「スペーサー」の相性は最悪だ。今日は、そんな純正ホイールを「安全に」「少しだけ」「外に出す」ことができるか?について考察してみたので、結果を共有する。
<スペーサーは、なぜ危険だと言われるのか?>
そもそも、なぜスペーサーは危険だと言われるのか。調査した結果をまとめると、3つの問題がある。
(1)ボルトの長さ
(2)強度
(3)回転の中心が出ない
それぞれについて整理していく
(1)ボルトの長さ
スペーサーが挟まるということは、ボルトが短くなったようなもの。
ボルトが短いと、ナットがしっかり締められなくなる。そうすると振動などでナットが緩む可能性がある。
この問題があるから、一般的にスペーサーは3~5mmといわれる。
対策だが、外国車については、ホイール側がボルトになっているため、長いボルトに変更すれば対応可能。国産車はボルトが車体側になっているので、素人は簡単に交換できない。でも、ショップなどに相談すればロングボルトに打ち換えることが可能。そうすれば、8mmや10mmなどのスペーサーも利用が可能になる。
(1)のボルトの長さの問題は対策が可能です。
(2)強度
スペーサーが割れることがある。そうなれば、ホイールがガクガクになって、大変なことになる。
この方は、これが原因でハブボルトが5本とも折れたそうです。
スペーサーには、車体側・ホイール側から、強大な圧力がかかる。めちゃ強い力で挟まれる。特に、レース走行など負荷の高い場面で割れが発生する可能性があるようだ。
こちらは、一番よく見るスペーサー。
PCDや、ボルトの本数が違うものに対応して、穴が多いので割れやすい気がする。
次は、穴が少ないもの。最初のものよりは、強い気がする。
厚さ・材質や、鍛造などに変われば強くなるのでは?
安全を考えると付けないほうがいい、という考えになるが、一般的にはサーキット走行などをしなければ心配ない・・・とも思う。
自分の走行する場所や速度を考えると、(1)~(3)の中ではこの(2)が一番リスクが低いと考えている。
(3)回転の中心が出ない
車体側のハブがホイールに接触していないと、回転の中心の精度が出ない。中心が甘い状態で高速回転すると、振動が出てナットが緩む可能性がある
この写真の輪っかのように出っ張った黒?茶色?の部分がハブ。
ここを、ホイール内側にピタリとはめることで、車軸の中心とホイールの中心が一直線となり、安定した回転をさせるのだ。高速回転では非常に重要な事だろう。
<社外ホイールにスペーサーを挟む場合>
社外ホイールを、何の対策もせずに、車体に取り付けた状態を横から見るとこんな感じ。車体側のハブの直径よりも、ホイール側の穴(ハブボス)の直径が大きい。
※ハブ直径:スバルは56mmだが、OEM各社で異なる。ホイール側は、73mmが一般的
だから、ハブがホイールに接触してカポッとハマるように、ハブリングを付ける。ショップで社外ホイールを購入した場合は、何も言わなくても装着する前提で見積もられる。
ハブリングはこんなの。
ハブリングを装着した状態を横から見るとこんな感じ。
ここにスペーサーを入れる場合も、スペーサー+ハブリングを付けることが出来る。
スペーサー+ハブリングはこんな感じ。
一体型のもあるが、厚さ8mm以上のものしかないし、純正ホイール用はない。
先ほどの、(1)の「ボルトの長さ」をクリアし、(2)の「強度」が問題なければ、(3)も対策できるので、より安全である。
(ハブリングも一般的に販売されているものはアルミなので本当に意味があるのか?という指摘もあるみたいだけど)
という事で、
社外ホイールの場合、(2)の強度が心配なので「完全に安全」とは言い切れないものの、対策しつつ、お小遣いの範囲内で「スペーサーを装着可能」と考えることも出来る。
問題は、純正ホイールの場合だ。
<純正ホイールにスペーサーを挟む場合>
純正ホイールの場合、純正状態では、車体側ハブとホイール内側のハブボスがもともと接触している。
横から見るとこんな感じ。
中央部分。丸いハブがホイールの内側とぴたりと接触している。
ホイールと車体側は、ボルトとナットにより、面全体で締結されているし、ハブがハマることで、ハブとホイールの中心が出ている。
ここに、スペーサーを投入してみよう。
車体とホイールがスペーサーの厚さ分だけ離れる。そうすると、中心部のハブが純正ホイールの内側に接触するのか?カポッとハマるのか?が怪しくなってくる(赤丸のところ)。
ホイール側は車両装着をしやすくするため逆テーパー状になっている(赤丸のところ)ため、単に「ハブの高さ」よりも「スペーサーの厚さ」が薄いから問題ない、とはならないのだ。
ホイール内側の逆テーパーの写真
この問題があるので、純正ホイールの場合は特に、スペーサーの厚さが問題になるのだ。
横からみた図にすると、こうなる。この「?mm」がプラスでなければ、車体側ハブボスが、ホイールに接触しないことになるのだ。
この計算をしようと、ネットを調べまくった。Google Geminiも、Microsoft Copilotも、オンボロマイボディ+頭脳も使いまくった。しかし、正確な寸法は出てこない。
仕方がないので、実測したり、推測したりして計算してみた。
・スバルの車体側ハブの高さは7mmらしい(ネット検索、ホント?)
・スペーサーは3mmとして仮置き
・ホイール側逆テーパーの斜面はたぶん5mm(自分調べ、実測)
・ホイール側逆テーパーの角度は45°らしい(AI調べ、怪しい!)
・直角二等辺三角形は、1:1:√2だから、高さは3.54mm
とすると、0.43mm接触していることになる。
あいまいな数値が多いのでしっかり計測が必要ではあるが、どう考えても純正ホイールには「つけられるとしても3mmスペーサーが限界」であることが分かった。
一般的にスペーサーが5mmまでといわれているが、純正ホイールの場合はたとえ使えても3mmが限界で、原因はハブがホイール内側に接触しなくなるからだ。
<ハブを純正ホイール内側に接触させるには?>
さて、では確実にハブをホイール内側のハブボスに接触せる方法はないか?を検討した。
対策1:社外ホイールにように、ハブリングをはめることはできないか?
ハブの直径とハブリングの直径が同じなのでハマるわけがない(笑)
対策2:ハブを延長できないか?
<結論>
さて、色々と検討してきた結果として、スペーサーがなぜ危ないと言われるのか、そして対策はできるのかを学び、整理することが出来た。
結論としては、以下のとおりである。
・ハブの高さと、ホイール内側の形状をしっかり計測したうえで、3mmスペーサーならやってみてもいいかな。
・ハブエクステンションアダプターを金属加工会社にオーダーして装着すれば、(1)~(3)に対応できて、5mm以内のスペーサーならやってもいいかな。
色々と、検討した結果、対策をしたとしても純正状態に比べると安全性を損なっているから、「人生を賭けてまでやることか?」と考えると、避けるべきである。
こうして、正しく理解した結果、結局は深い葛藤にさいなまれることになったとさ。
以上、今日も一日、お疲れさまでした。