ダウンサスや車高調などで、車の車高を下げた際、車高の変化に伴って、いろいろと交換したほうが良いといわれるものがあります。
その中でも、比較的手の出しやすいスタビリンクロッドの交換の必要性について、自分なりに考えてみました。
なお、自分は別に専門的知識があるわけでもないので、話半分で読んでいただければと思います。
スタビライザーについては、車高を下げることで取付角度が変わり(いわゆるバンザイ状態になり)、動きが悪くなるのだと言われます。
個人的には、この理屈がどうも納得いきませんでした。
スタビライザーの機能的には、左右の取付位置の高さ変化によるねじれが生じて初めて効果を生むものであり、初期の取付角度が変わったとしても、スタビライザーがきちんとねじれるのであれば、スタビライザーの効果には大きな変化はないと思うのです。
というわけで、確認のため、取付位置によってスタビライザーの動きがどのように変化するのかを図にしてみました。
この図は、初期位置(P-a-A)から、スタビリンクのショック固定側の位置をスタビリンクの全長分(2マス)ずつずらしていったものです。
通常、スタビリンクの全長は10cm程度はあるでしょうから、車検に通る程度の数cmのローダウンでは図のような動きはあり得ないと思いますので、あくまでイメージとして見てください。
先に書いたローダウンによるスタビライザーの動きの悪化については、図のa~eで発生するものと思われます。
動きの良し悪しは、Pにおける角度(∠bPa、∠cPb等)で判断することになります。
A~Eの変化は一定なので、取付角度による動きの悪化が無ければa~eも一定の動きをし、Pにおける角度も全て同一になることになります。
図を見ていると、確かに∠ePdや∠dPcは初期状態である∠bPaに比べると角度が狭まっており、著しい動きの悪化が見られます。
ただ、通常CやD、Eの状態では、まともにストロークできないのはもちろんこと、おそらく車両下部が地面に腹がついており走ることができないのではないかと思います。
一方、走れる範囲でかなりローダウンした状態がBになるのですが、この場合の動きの変化については∠cPbと∠bPaを比較することになります。
図を見る限り、著しい変化は見られません。
もちろん、アバウトな図のため、実際には若干の変化はあるのかもしれませんが、先のC~Eほどの著しい変化ではなく、路面状況や乗車人数等で変化するレベルの範囲であり、パーツ交換が必須と言えるほどのものではないと思われます。
以上の検証から、個人的な結論としては、常識的な範囲でのローダウンでは基本的にスタビリンクロッドの交換は不要です。
(もちろん、スタビライザーの角度変化によりストローク時にスタビライザーがアーム等に干渉する場合や、車高調に専用のスタビリンクロッドが添付されている場合は、交換したほうが無難ですが。)
と、ここまでは一般的なもので、124スパイダーのようにNDロードスターをベースとしているもの(以下「ND系」)は、もう一つ検討材料があります。
それは、スタビライザーがブッシュと接着されているということです。
通常スタビライザーとブッシュは独立しており、スタビライザーはスタビリンクの動きに合わせて先の図のように回転運動をしています。
ND系はスタビライザーとブッシュが接着されているため、スタビライザーの回転運動の範囲が凄く限られているのです。
その結果、スタビライザーの動きにくさがバネレートの一部のような働きを持っているようです。
ローダウンによりスタビライザーに角度がつくということは、初期状態より反発力が上がっている状態(サスでいうとプリロードをかけている状態)になっているのではないかと考えられます。
よって、スタビリンクを交換しスタビ位置を修正することで、スタビライザーでがよく動くようになり、結果、車両全体のバネレートを下げる効果が生まれ、乗り心地の向上が狙えるのではないかと考えますので、ローダウンしたものの突き上げがキツイと思う方は交換してみてもよいかもしれません。
もっとも、スタビリンクによるバネレートアップ効果の回避については、スタビライザーの交換やスタビブッシュ剥がし加工などがありますので、好みに応じて試してみればよいと思います。
長々と書き連ねましたが、誤りや勘違いなどあるかもしれないので、ご参考までに。
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124 | クルマ
Posted at
2019/10/02 16:18:35