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イイね!
2012年11月18日

行けなかった…

行けなかった… この週末が、バイクに乗れる最後のチャンスだろうと思った

土曜日の天気予報は「雨」だけど、
日曜日は少し回復し、晴れ間も出そうな予報

起きた時は曇り空だったが、
時間が経つにつれて、青空も顔を出し始めた

少し風が強いのが気になるが、
午前10時、セローにナビを付けて走り出す

今日は、南相馬に行って、
スタンプラリーの空白をヒトツ埋めてくるつもりだ

南相馬は、震災前にいつも行っていたカート場の先、
モーターランド川俣からは30㎞ほどなので、
ウチからは、ゆっくり行っても2~3時間ほどで行けると思っていた

三春を抜け、順調に進む
カートに行く時に使っていた慣れた道である

国道114号線にでて、カート場に近づくにつれ、
段々と人気(ひとけ)が無くなってくる
いつもの道が、両サイドから雑草に被われ、
クルマの通った跡すら、いつのモノか…

擦れ違ったクルマは、数台
しかもその中の2台はパトカーである

少しして「モーターランド川俣」のカンバン
枝道を入ってゲートへ向かってみる

固く閉ざされたゲートと雑草に被われ、
中の様子を見る事は出来なかった

元の114号線に戻り、南相馬を目指す

ココからなら30~40分で行けるだろう

この時、カート場の前に設置されている
温度計の表示は「4℃」

どうりで寒いと思った…

当然、寒いことは予想していたつもりで、
上はヒットエアージャケットに、冬用のインナーを付け、
その下にはウインドストッパー、そしてスキー用アンダーウェアと、
アンダーアーマーのコールドギアも着ている

下は、ミズノブレスサーモのアンダーに、
ゴアテックスのツーリングパンツ

ネックウォーマーも付けてきた

セローは、ハンドルにナックルガードが付いているので、
直接風は当たらないのだが、
ウインターグローブの中で指がしびれる

それでも、浜通りに出れば、少しは暖かいだろうと、
先へ進んで行った

浪江に入ると、その様子はさらに酷くなっていく

道路沿いの建物は、庭に雑草が生い茂り、
無人のガソリンスタンドに放置されたKトラは、
セイタカアワダチソウに埋もれている

まるで人の気配のないゴーストタウンの様な道を進んで行くと、
大きなゲートが現れた

ゲートの向こうから、ワタシを見つけた警察官が2人、
走り寄ってくる

ゲートの前で停車すると、1人の警察官が、
「この先は、立入制限区域です。許可証が無いと通れません。」
もう1人の警察官は、スッとワタシの後ろに回り込んだので、
ナンバーでも控えているのだろう

話しかけてきた警察官に向かって、
「南相馬に行きたいんですが…」と言うと、
「川俣まで戻って、迂回して頂くようになります。」と、
事務的な返事が返ってくる

ワタシが「あぁ…戻らなきゃダメなのね…」と言うと、
申し訳なさそうに
「スミマセン…県道12号線で迂回して頂くと、真っ直ぐ海まで出る事が出来ます。」

もう1人の警察官は、無言のままだった

ワタシは、かじかむ手をエンジンに押し当てながら、
「じゃぁ、引き返しますワ…」と言うと、その場でUターン、
来た道を戻ろうとした時、もう1人の警察官が初めて口を開いた
「お気をつけて!」

二人とも、20代前半と思しき若い警察官だった
ワタシは「ありがとう!あなた達も気を付けて」と言うと、
無口な方の警察官が敬礼してくれた

もう1人の警察官はペコリと頭を下げた
ワタシは左手を挙げて走り出した


少し戻って、迂回路、枝道を探すが、
どこも足場用パイプで作られた、頑丈なバリケードで塞がれていた

やはり川俣まで戻らないと迂回は出来そうにない

誰も居ない町の中を右往左往する内に、
身体だけでなく、心もドンドン冷え切ってくる

途中、かつては賑わっていたであろう商店の前にバイクを停め、
1年半以上、誰にも座られる事が無かっただろうベンチに腰掛け、
ナビで道を探してみるが、
これ以上ココに居てはイケナイという気持ちが強くなってきた


今日は諦めて帰ろう…


そう決心して、また走り出す

荒れ放題の田畑、生活の匂いがしない街並み…
寒さよりもジワジワと、得体の知れない恐怖が襲ってくる

来た道を戻り、田舎道からバイパスへ出た瞬間、
沢山のクルマ、道には人々が歩いている

まるで巨大迷路を抜け出したかの様な気持ちになった

ホッとした途端、急に空腹を思い出し、
寒さもピークをとうに越えていたので、
通りのラーメン屋に入ってみる

元気な「いらっしゃいませ!」の声と、
暖かな店内…

ついさっきまでの虚空な気持ちがウソの様に晴れてくる

ジャケットを脱ぎ、ラーメンの大盛りを注文してトイレを借りる
手を洗いながら、ふと洗面台の鏡を見ると、
カサカサになった頬に、幾筋かの線が見えた

「おまえ泣いてんのか?」

備え付けのティシューで、思いっきり鼻をかんで、
顔を洗うと気持ちもスッキリした

飛び込みで入った店なのに、大盛りのラーメンは、かなり美味しく、
イッキに汁まで飲み干し、にこやかに会計を済ませると、
またセローに跨り、帰路へと着いた

今年のバイクはコレで終了だろう

来年また、南相馬を目指すとは思うが、
あの場所を通る事は無いと思う

いわきの被災地を見た時より、心にダメージを負った気がする










※郡山・須賀川方面から南相馬を目指す場合は、
二本松から国道114号線→県道12号線で行くか、
福島から国道115号線で霊山の方から行くしか無い様だ

ブログ一覧 | バイク | 日記
Posted at 2012/11/19 14:18:00

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この記事へのコメント

2012年11月19日 14:43
同じ日本での出来事なんですよね

300kmも離れていないのに

実感がわかないことに恐ろしさを感じつつも

ちょっぴり暖かいやり取りになおっぴさんの人柄を感じます

ところで3大グルメって、喜多方ラーメンと浪江焼きそばと会津カレー焼きそばでいいんですか?
コメントへの返答
2012年11月19日 15:08
そうなんです!
同じ日本、同じ福島県に住んでいても、実際に見るまで、これほどのモノとは思いませんでした。

立て続けに、悲しい現実を見てしまって、「自分」を保つのが精一杯でした。

あそこに立ち続ける警察官達も、大変だろうと思います。

3大グルメと呼んでも良いのかしら?(^^;
「B級」を付けてもらわないとwww

あっ!ばぁさんにはもう一つ、「お食事処たからのモツ炒め定食」もネ♪w
2012年11月19日 16:43
オイラも泣きそうになりました。

最近涙脆くて・・・。(^_^;)

若い警察官二人となおさんの何気ないやり取り
がいいですネ!

身体は冷えてても、心は結構温まったんじゃない
ですか?
コメントへの返答
2012年11月20日 9:38
ありがとうございます♪

若い警察官が、一日中あんな場所で(マスクなしでは危険?)ゲートの番をしていると思うと、
頼もしいと思う反面、切ない思いもこみ上げて来ちゃって(^^;

「お気をつけて」の一言が、とても嬉しくて、つい「あなた達も」と返してしまいました。
2012年11月19日 16:45
まだまだ厳しい現状なんですね

こちらに住んでるとなかなかその後の情報が伝わらないのが現実です

以前消防団の公演で気仙沼の消防団員の生の声を聞いて涙が止まらなかった事を思い出しました

来年いく頃には少しでも復興されてるこ事を願って止みません
コメントへの返答
2012年11月20日 9:42
まだまだ所か、全くの手つかず状態です。

ドコゾの誰かが、勝手に「安全だ」と言い張っていますが、
実際には住める場所ではありません。

来年コチラにいらっしゃるんですか?
その時は、必ずご連絡くださいネ♪
心を込めて「迎撃」させて頂きます♪
2012年11月19日 20:07
まだ何も終わってなく、
始まってもない状況なんですね…

何か…考えてしまいますね。
コメントへの返答
2012年11月20日 9:46
ありがとうございます<(_ _)>

地元に居ても、あの状態は報道等に出てこない事なので、
実際に行って見て、衝撃を受けました。

かなり切ないです。。
2012年11月19日 20:39
あのカート場には入れないとは・・・

たった1度しか行ってませんが、
なおさん達の走ってる雄姿を見れないのが寂しいです。

こっちの十津川村もどんどん道路整備が進んでます。
山崩れの傷跡が余りにも大きくて行くたびに車を止めて眺めてます。

危険な、がけ崩れ防御ネットも取り払われ、新しく鉄骨で整備された道路を見てると、
自然の猛威に太刀打ちできない人間ってちっぽけな感じがします。

ただその自然が好きで、ここで生活をしている地元の皆さんが大きく見えます♪

災害が起きて、山や谷の形は変われど住んでいる皆さんの心が変わらない♪
決して若くないけど強い人が沢山いますね♪


福島もいつか元に戻りますよ!
強い人たちが沢山いますから!
そして、
遠くへ行ってからもそんな思いを抱きながら生活してる福島の人達も必ず戻ってきますって!


本当は、1年に1度は行ってみたかったのですがすみませんm(__)m
なかなか行けない自分が情けない・・・
コメントへの返答
2012年11月20日 10:09
あのカート場付近の立入制限は解除になっているのですが、
長時間、人が居て良い場所では無いと思います。

地震の被害は、ワタシの住んでる所なんかより、むしろ軽症に見えました。

崩れた瓦屋根に、ブルーシートが掛けられ、
ソレを押さえる土嚢から雑草が生えている様な状態…

強力な放射性物質が降り注ぐ中、
避難の指示も、どれほど危険な状態かも知らされずに、
屋根の応急修理をしていたかと思うと、
胸が締め付けられ、呼吸も出来なくなりそうでした。

自然の前に、人間は無力ですが、
人間が作ったモノで、人間が苦しめられるのは、耐え難いものが有ります。

戦争とは違うけど、利便性とか豊かな生活という「大義名分」の基に進められたチカラが、
ソコに住む人達を逆に苦しめる結果になってしまう事を、肝に銘じなければイケマセンね。

タブンあの場所で、以前の様な生活が出来る様になるまでには、100年単位の時間が必要だと思います。

でもいつか、人々の生活が戻り、豊かな田園風景が復活することを祈ります。

いつも心配してくれてありがとうございます♪
そのお気持ちだけで、十分勇気付けられていますので、
1年に1度とか言わずに、ゆっくりと遊びに来てクダサイ♪
2012年11月19日 21:59
泣きそうでは無く・・・泣きまし・・・・泣きません!!

なんとかならない状況に歯痒い思いで一杯です。


復興に協力なんて大それた事できませんが
何時の日か『ふぐすま』に行きます!
コメントへの返答
2012年11月20日 10:14
おまえも泣いてんのか?(^^;

貰い泣き、ありがとうございます。

酷い所の話を書いてしまいましたが、
普通に生活できて、活気に溢れている所も有ります♪
キレイな景色と、安全な食べ物も有ります♪

いつかソコをバイクで走って、
その空気を感じて頂きたいと思います♪

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