👆👆👆 three-fingers hand-sign

黎 智英 （れい ちえい)　/　Jimmy Lai Chee-ying

周 庭 （しゅう てい)　/　 Agnes Chow Ting

タイやミャンマーなど、現実世界の抗議運動で用いられている人差し指・中指・薬指の3本指を掲げるハンドサインは、もともとジェニファー・ローレンス主演で映画化された『ハンガー・ゲーム』から取られたものです。

仮想の独裁国家に対し、民衆の抵抗と結束を表す『反逆のしるし』として描かれました。近未来を舞台に、市民が支配者たちに立ち向かうディズトピアSFです。

3本指のハンドサインは、映画版でジェニファーが演じたカットニスの出身地区固有の挨拶で、もともとは感謝や敬意、愛する人への別れを表すものえす。それをカットニスが1作目のハンガー・ゲームで、仲間を弔うためにこのサインを中継カメラに向かって掲げたことをきっかけに、抵抗のサインとして民衆の間に広がっていくのですね。

最初にこのサインを使ったと言われるタイの運動家シラウィズ・セリティワットは、『ハンガー・ゲーム』の映画で使われた反権威主義的なサインが、当時の若者の抗議者たちの共感を呼んだと説明し、続けて「当時の反クーデターの状況が、映画『ハンガー・ゲーム』の中で人々がドナルド・サザーランド演じる（独裁者）スノウ大統領に向かって3本の指を立てるシーンに似ていると感じたことも理由の一つだった」と声明を出しています。

その後『抵抗のサイン』は香港にも広まり、2014年に勃発した民主化デモの雨傘運動でも使われたことは上記の通りです。

そして2021年になり、ミャンマー市民の間でこの3本指のシンボルが使われるようになったのですね。英Guardianによると、3本指のサインはミャンマーで医療従事者によって最初に使用され、その後、若者の抗議者たちも使い始めたとされています。

ドナルド・サザーランド

また、その後ミャンマーの学生が行なったデモでは、参加者が警察官にバラを送るという場面も見られました。ちなみにバラは『ハンガー・ゲーム』の独裁者スノウのシンボルでもあり、映画の中で意味深に登場するものです。