
車へ乗り込む前に
車の周りを一周していれば...
車の周囲に小さな子供がいることに気付かず
発進して轢いて死傷させてしまう事故が後を絶ちません。
7月24日、奈良県で起こった事故もこのケースでした。
49歳の祖母が車の右前に1歳の孫がいることに気付かず
前進してしまったことで発生しました。
はねられた孫は亡くなりました。
事故の場所は自宅の敷地内でした。
事故を起こした祖母は「孫はプールで遊んでいるだろうと思った」と話しています。
奈良の事故
8月8日にも京都市内で同様の事故が起きました
。 買い物から帰宅した母親が駐車場に入れる際
1歳女児をはねてしまい、女児は亡くなりました。
女児は買い物には同行せず
自宅で兄弟と留守番していましたが
母親が帰って来たことに気付いて
兄弟と一緒に外に出たところだったということです。
京都の事故
事故の形態としては異なりますが、昨日20日
横浜のネットカフェの駐車場で男性が後退させていた乗用車に
内縁の妻と長女がはねられ停車中の別の車に挟まれました。
女児は搬送先の病院で死亡が確認され
妻は鎖骨を折る重傷を負いました。
男性は駐車場に一旦停車後、3人で車外に出ましたが
停車位置を直すため再び車を動かしたということです。
自宅や駐車場で子供が車へ寄って行くという
背景があるだけに、加害者が親や祖父母、親族のケースが多く
いたたまれない気持ちになります。
ニュース関連でこの動画を視聴し
自宅ガレージでは運転席からどのように見えるのか
検証してみました。
整備手帳
以降はベストカーWebの
記事から抜粋、要約します。
での調査結果
(1)速度10キロでの衝突死は3歳以下が突出して多いのは何故
車と歩行者が衝突する事故においては、車の速度が速いほど死亡率が高まりますが、そうならない年齢層があります。それは3歳までの子供達なのです。他の年代では、ごく僅かな死者数となる「10km/h」という速度で突出して多いのです。これは車が発進直後の低速時に、前にいる小さな子供に気付かずに轢いてしまう状況を意味しています。
「1992~2000年」と「2011~2020年」において、年代別の「歩行者対四輪車死亡事故死者数」は、0~3歳に限定すると、時速10km/hでの死者割合が突出しています。92年~00年に比べて、11年~20年の方が増えているのは、ミニバンなど車高の高い車がファミリーカー(死語かな)に使われるケースが圧倒的に増えたからだと推論しています。それでも全体的に減っているのは、リアビューモニターをはじめ、運転席から確認できるカメラ類の設置が進んだからだと考えられると結論付けています。
(2)車種はミニバン+ワンボックスが半分以上
「3歳以下」と「13~64歳」では、死亡の原因となる車種が大きく異なっています。3歳以下ではミニバン+ワンボックスで合計52%、13~64歳では貨物車が最多で46%、ミニバン+ワンボックスは合計9%で1割にも満たないのです。
近年、人気のSUVも車高が高い車に該当しますが圧倒的に少ないのは、最近のSUVはボンネットの位置が低くなっていることと、サイドアンダーミラーが自主規制を含めて早い時期からあったことも関係していると思われるそうです。
ちなみに新規生産車は2005年から、継続生産車は2007年から6歳児の体格を想定した「直径30cm高さ1mの円柱」が運転席からカメラなど含めて確認できることが保安基準として義務付けられています。
(3)事故はどこで起こっているのでしょうか
3歳以下では自宅から50m以内が最も多くて46%、13~64歳では自宅から50mは12%しかなく、それ以外が88%となっています。つまり、3歳以下では、半数近くが自宅の駐車スペースや庭など、家から近い場所で衝突事故にあい亡くなっていることが分かります。
歩行者と衝突した際、車がどのような状態にあったのか、という調査結果もあります。こちらも3歳以下では発進時(=前進時)が74%、13~64歳が同じく23%であることを考えると、0~3歳児の多くはミニバンやワンボックスなど車高の高い車の前にいて、運転者がそれに気付かずに発進し、子供にぶつかって亡くなっていることが分かります。
なお、後退時が0~3歳児では6%と少ないのは、最近のミニバンやワンボックスには殆どにリアビューカメラを備えていることが理由だと考えられます。運転者の目に後部の様子が目に入りやすい状況なので、車の後ろに子供がいてもすぐに分かりますよね。リアビューカメラの普及によって後部の安全確認を取りやすくなった結果、今度は前進時に幼い子が犠牲になる事故が目立つようになってしまったという理由のようです。
(4)事故の曜日や時間、そして運転手の年代はどうなのでしょう
事故が起きた曜日は平日が90%、休日が10%で時間帯は昼間が65%となっています。3歳以下の子供が10km/h前後の低速で車にひかれて亡くなる事故は平日の昼間が最も多いことになります。夜間で、暗くて見えなかったということではなく、運転者の安全確認ができていなかった、もしくは安全確認をしていなかったことが主な理由となります。
事故の当事者である運転者の年代は、1位30~39歳(38%)、2位20~29歳(21%)、3位40~49歳(16%)となっており、冒頭で述べた通り亡くなった子供の親世代に相当します。男女比は男49%、女51%でほぼ同じです。
イタルダの調査結果をまとめると
3歳以下の子供が車に衝突して亡くなる事故の場合
『家から近い場所で、平日の昼間にミニバンやワンボックスを運転する
親世代のドライバーの不注意によって起きている』
というパターンが多いことが分かります。
最も安全な場所であるはずの自宅のすぐ近くで
命を落とすことは、大変悲しく悔やまれる事故です。
乗車前に必ず車両の周囲を一周して
確認することが大切であるとまとめていました。
Posted at 2022/08/21 18:20:36 | |
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