尾和東、価格comの通り音楽関係で、蟻の涙ほどの印税収入があります。といっても、楽器弾きなんて耳は頼りになりません。
ということで、ハーマンの音を定量的に評価しようと思い、システムを構築しました。
・実験は夜中静かなところで
・エンジンはON、アイドル状態(アイドリングストップ状態ではない)であくまでも普通のリスニング環境を想定
・伝導ノイズを避けるためバッテリーで駆動、とにかくも車とは電源完全分離
・超小型PCに音響・音場解析ソフトWERをインストール
WERならばあちこちで使われているので他のスピーカーやサウンドシステムと比較することもできますが、測定環境の影響を受けるため一概に良い悪いの評価にはならないことに注意です。
・マイクは音場測定用の専用コンデンサマイクもありますが、人間の耳で曲を聴きたいのだから、そのあたりの周波数の特性や指向性がしっかりしている普通のボーカルマイクで収音(写真参照)
・残念ながら頭にマイクを安定的に設置できないので、センター肘置き上の一番奥に設置
・ドライバー席に一人乗車している環境
・トノカバーなどは普通に閉じている、サンルーフも閉じている、窓も閉じているなど、その他は普通の環境
・AUXに突っ込んで測定
このようなセッティングで測定しました。比較ですが、以前知人のところで取得したBS9後期型純正サウンドナビのグラフも載せておきます。スピーカーなどよくわからないので、あくまでも参考に。たしか、何も触っておらず、プロショップなども使っておらず、デフォルトのままと聞いています。なお、こちらは測定は昼間で、エンジンオフでした。
まったくお金のかかった機材ではありません(1/80アウトバック)。それでも、「元の機材の特性の影響を受けたとしても、両方とも等しく受けるのだから、そこはよいだろう」「このような普通の環境でどうなのか?を調査する」ということで、評価もしますが、どちらかというと差を見たい、ということです。
#このシステムを棚の奥から引っ張り出してきて、元のプログラム実行環境を整える方がめんどくさかったですが。
チェック1:周波数・位相特性
(ハーマン)
フラットな良い特性です。ネットで調べてみても、ここまでのフラットさは、専用機器でないとないのではないでしょうか。さすがです。特別チューンだけあります。特にスーパーウーハーがあるため極低音もしっかり出ており、無理に持ち上げたりしていません。
(サウンドナビ)
なかなか良いです。スーパーウーハーがないのか、極低音があまり出ておらず、その分70Hzから90Hzを持ち上げることで補うようなチューニングがされているようです。良い工夫です。とはいえ、流石に専用チューンのハーマンにはかなわないようです。
位相特性という観点でも、ハーマンのほうが良い値で、透明感のある音が得られるといえます。ただ、聴覚的には、高音ではあまり差がなかったような気もします。
チェック2:ひずみ率
こちらは、両者ともそれほど差がありません。低音がでるハーマンの方が低音のほうまでのびやかに出ていますが、全体として変な共振などはありません。ただ、よく見るとハーマンは、特にボーカルライン付近でより低いdb値となっており、比較としてはよりひずみが小さいといえます。どちらも車内という特殊環境でこれですから、よくやっていると思います。
(ハーマン)
(サウンドナビ)
他にもGDや、インパルス応答などもあります。顕著に差があるのは、インパルス応答で、ハーマンの方がピタッと音が収まるようです。ハーマンThlなんと60ms、サウンドナビThl 100msです。つまり、キレがでてくるようなイメージでしょうか。サウンドナビもスピーカを変えて車内の消音環境をフルに活用できるような位置にスピーカや向きを配置できればよいかもしれません。
インターネットで皆さん自慢のオーディオの特性を公開していらっしゃいますので比較してみるとよいと思います。いやいや、すごいですよ。ハーマンの原音再生能力。こんだけフラットならば、逆にEQ触りたくなる人もいるのかもしれませんが、そうなら、そういうiPhoneアプリを入れるだけなんですよね。Onkyo HP Playerとかおすすめです。EQなんて、オーディオでやってもどうせデジタル処理、一緒です。各曲に合った最適なEQを自分でそれぞれ設定して、それで再生すればよいのです。
とはいえ、音のよさなど、宗教なので、気に入ったシステム、チューニングで聞くのが一番です。精神衛生上も…
特性上の特徴もしかしたら欠点すらも味として受け入れられるのですから。
真空管がよいとかデジタルケーブルにこだわるとか、私にはわからない世界です。
Posted at 2022/01/14 23:23:13 | |
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