
お待たせしました!
続きです。

ロープウェイの建物から出るともう白銀の世界が目の前に広がります。

ところどころで写真を撮ったりはしゃいだりの外国の方たちの歓喜の声が響いてきます。

雪を被った大きな針葉樹。
その背後にはお日様。
しかし、ちょっと雲増えて来たかな・・・

天気が崩れないうちに独標までたどり着きたいので早速登山道へ向かいます。

ロープウェイ乗り場からしばらくは公園になっており、観光客も歩けるように遊歩道が整備されているので歩きやすいです。

5分ほど歩くと公園から登山道への入り口が出てきます。
左手にあるログハウスには登山届を出せるポストが設置されています。
ここが登山届を出すことが出来る最終ポイントですね。

では、冬の穂高へ出発です~!

新雪の雪面に一本のトレース。
良い感じですね。
ふかふかの雪で歩きやすくはありませんが、気分は最高ですね~。

木々の間からは西穂高岳を見ることが出来ます。
薄雲が出てきていますが、今のところ天気は問題なさそう・・
このまま夕方までこの天気でいてくれるようにお祈りします・・・

西穂山荘までのこのルート、序盤はアップダウンを繰り返します。
今回は20kg越えの58L重量級のザックを背負っての登山ってこともあり、急な登り下りでは足元が少々不安なので、早めにアイゼンを装着しておきます。

モンベル、カジタックスアイゼン装着。
ちなみに、モンベル、アルパインスノーポンも持ってきていますが、とりあえずアイゼンだけで行ってみます。

その後も一本のトレースに沿って歩みを進めます。

雪は最近に積もった感じでパウダーに近くトレースを外すと膝くらいまで沈み
込んでしまいます。

やがて斜面は断続的急になってきます。

標高が上がるにつれて周りの木々の様子も変わってきます。

急登の連続で息が上がってきます・・

そんな頃に前方に山小屋の建物が見えてきました。

11:45
西穂山荘に到着。
ロープウェイ西穂高口駅から約1時間15分掛かりました。
この重量級の荷物とこの積雪の中、頑張りました・・(自分で言うな?笑)

西穂山荘前からの景色。
すっかり曇っちゃいました・・・

積雪の加減で夏に見る西穂山荘とはかなり雰囲気が違って見えますね。

西穂山荘到着。
ちょうどお昼前ですが、休憩はせず天候が大きく崩れないうちに独標を目指す事にします。

西穂山荘の入り口

その入り口にある棚にザックをデポしておきます。
貴重品、カメラ等必要な物だけサブザックに入れます。
そして今日の為に購入したモンベルのバラクバラ(目出し帽)を被りヘルメット、ゴーグルを装着。
ピッケルを手に持ち雪山完全武装で一人独標へ向かいます。
注)ここからの画像は初めての冬の北アルプスの稜線歩き、しかもかなり過酷な状況での写真撮影だったので、見難く、決して絶景ではありませんが、興味のある方は暫くお付き合いくださいね。

西穂山荘裏手の急斜面を登り切ると、森林限界を超えた稜線に出ます。
すると前方には主峰、西穂高岳まで続くギザギザした稜線が見渡せます。
曇っては来ていますが見通しはさほど悪化はしていない感じなので少し安心します。

朝は雲に隠れていた笠ヶ岳もはっきり見渡せるようになっています。

振り返ると、さっきまでいた西穂山荘を見下ろせます。

前方には他の登山者の姿も確認出来ます。
全くの一人でない事に少し安心します。

周りの木々にはエビの尻尾が幾重にも重なっています。
私、こんな状態のエビの尻尾見るのは初めてなので興味深々です。

足元の岩にもエビの尻尾が・・・

こんな細い竹の棒にまで・・
自然の力って凄いです。

しかし、初めて見る自然現象をのんびり喜んで見ている状態では無い位に凍り付くような冷たい強風が容赦なく吹き付けてきます。
この冷たい強風があの立派なエビの尻尾を作り出すのでしょうがね・・

振り返ると、私と同じソロの男性の姿が確認出来ます。

これから向かう稜線。

飛騨側からの強風で雪煙が舞上がっています。

そんな強風は勿論、今ここに立っている私にも容赦なく吹き付けてきます。

遠くに新穂高ロープウェイの建物が見えますね。

山荘より歩くこと20分ほどで丸山と言うポイントに到着

丸山から振り返った画像。
もう山荘は全く見えません、標高も上がってきており、白く雪を被った焼岳(手前)と乗鞍岳が見渡せます。

丸山では写真だけ撮ってそのまま進んで行きます。
そんな中でも絶えず飛騨側から容赦の無い強風に襲われます。
油断していると時折突風のような風に体を押されよろけてしまう事も・・汗
そして何より写真撮影の為にグローブを外すとものの10秒で手先が凍え激痛が走ります。
あいにく、我がスマホとコンデジの操作は雪山登山対応のアルパイングローブでは全く操作できずその都度グローブ外しての写真撮影を行っていました・・
グローブ外し、強風に飛ばされないように気を付け、手先が凍える前に写真撮って、またすぐさまグローブを装着するという事を繰り返します。

やがて急斜面にさしかかります。
夏道であればジグザグで登って行くような斜面ですがこの雪山では直登します。

急登の途中から振り返った画像。
焼岳、乗鞍岳

こちらは上高地方面の景色。
梓川が確認出来ますね。
こんな冬の上高地も訪れてみたいですね・・

斜面はさらに急になります。

そんな急斜面はよく見ると薄ら積もった雪の下は完全なアイスバーンになってます。
アイゼンを蹴りつけてもカッチカチ・・
こんなところで転倒したらと思うと・・・・汗

その後前を歩くソロの男性登山者を追い抜いてどんどん進んで行くと、目指す
西穂独標の姿が目に飛び込んできます。
いよいよ来ましたよ~!
岩岩のピークに立つ木柱が確認できますね。
ここから見る限りでは問題無く登れそうに見えますね。

ただし問題はこの吹っ飛ばされそうな位に容赦なく吹き付けてくる強風・・
立っているだけでよろけてしまう事も・・
そして何より立ち止まっていると手先、足先が凍えてしまいジンジン痛んできます。
この状況、バラクバラとゴーグル無ければここまでたどり付くことも出来なかったでしょう。
そしてもう一つとっても気になることが・・
それは、後にも先にも・・
・・・・・
「誰も居ね~!!!!」
・・・・汗
私の叫び声もむなしく暴風にかき消されてしまいます・・・
さあ、そんな過酷な状況ですが目指す西穂高岳独標へは登る事が出来るのでしょうか?
良いところではありますが、ここで一旦終了~!
続きはVol.3で・・
お楽しみに~。