
今回のブログもタイトル通り先日行った雪山登山の様子です。
よって、登山に興味無い方はスルーしちゃってくださいね。
山を車で走ることの出来ないこの時期の私の楽しみは雪山登山。
雪山登山は、無雪期に比べ、ルートロス、滑落、深雪や吹雪での体力消耗などとリスクは格段に
増えちゃいます。
そんなリスク多い雪山登山を基本ソロで行う私なのでしっかりとした装備に事前の準備は必須
です。
考えられるリスクを想定し、装備、ルートを考えて無事たどり着いた山頂から見る、非日常の絶景を
見てしまうとまた次も来たくなっちゃうのですね。
そんな雪山の装備で私が考える最強のアイテムがカジタックスの12本爪アイゼン+モンベル
アルパインスノーポンってのは先回のブログで紹介したとおり。
その最強アイテムの真価を確かめるべく向かった竜ヶ岳では、想像していたより積雪状態は良く、良くも悪くもとても歩き易かったため、アイゼンもスノーポンも出番無くそのまま下山しちゃいました。
そんな中、またこの東海地方にも寒波がやってくるっていう天気予報。
予報通り平地でも薄ら積雪した翌々日の休日、万全な装備で雪山に向かいました。

自宅出発時 外気温2℃
ちょっと暖かい気がしますが、雪は一昨日に降ったばかりなので綺麗な雪景色を楽しみにして
出発します。

いつものルートで山を目指します。

いつもの建設中の新名神高速越しの御在所岳。

これから向かう釈迦ヶ岳。
綺麗に見渡せます。
今日の天気は晴れ時々曇りの予報。
綺麗な雪景色を期待できそう~。

道中、御在所岳の湯ノ山ロープウェイの山頂駅が太陽の光を反射させていました。

いつもの所からの鈴鹿山脈景色

御在所岳山頂付近。

先回登った竜ヶ岳
山頂は雲に覆われていますね。
気がつくとなんか雲行きが怪しい気がしてきました・・・

これから向かう釈迦ヶ岳。
こちらはまだ天気は大丈夫そう。
しかし、山の天気は油断できません。
ほんの数時間で天気が激変することなんてざらですから・・・

釈迦ヶ岳山頂付近。
数時間後にはあそこに立っている事を想像して車を走らせます。

登山口のある朝明渓谷キャンプ場の駐車場を目指します。

ここまで来ると外気温は-1℃
しかし、本来ならもっと寒くてもいい気がします。

駐車場にクルマ駐めます。

後部座席で道中コンビニで買い物した物などをザックにパッキングして、着替え等の準備を
します。

準備完了!
ザックにはトレッキングポール、ピッケル、アルパインスノーポンとアイテム満載で今回もヘビー級
になっちゃいました・・・・汗

ザックを背負っていざ登山道へ向かいます。
ここには竜ヶ岳と違い、係のおじさんも居ませんが(夏期は有料駐車場の為おじさん居ます)
ソロ登山のリスクを考えるときちんと登山届けを記入して提出しておきます。

登山道はいきなりの雪道。
しかしいくつかの踏み跡はありますし、私が準備中に一人の男性登山者が入山していってました。

いきなりの危険箇所。
足を滑らさないように慎重に通過します。
この山は、年末にいつも登る藤原岳や先回登った竜ヶ岳などに比べルート整備はあまり
行われて無い感じしますし、何よりルート自体が難易度が少し高いと思います。
しかし私、昨年の3月の積雪期に簡易アイゼン+スノーポンで登頂しています。
なので昨年同様のルート、釈迦ヶ岳登頂後、猫岳~ハト峰経由で下山する予定です。

やっぱり空には雲が立ちこめてきました。
このまま崩れ無ければ良いのですが・・・

その後すぐにさっき駐車場で先に入山していった男性に追いついちゃいました。

本日の予定のコース「中尾根登山道」の入り口に到着です。
しかし、さっきの男性は「庵座谷ルート」へ向かって行きましたよ。
この積雪期にあの谷ルートを選ぶなんてかなりのエキスパートさんなのでしょうか?
しかし、ピッケルもワカンも持っていない軽装な感じでしたが、鈴鹿の雪山でそこまでの
装備は要らないって事なのか?
そんな事を考えながら中尾根登山口を見ると・・・
ゲッ・・・汗
踏み跡ゼロ・・・・
これ、結構ヤバいパターンかも・・・
昨年冬の御池岳のいや~な思い出が脳裏をかすめます。
土曜日に積雪して日曜日を挟んだ本日。
昨日の日曜日も上天気で終日鈴鹿山脈を見渡すことが出来た位の天気だったので必ず誰かの
トレース(踏み跡)はあると思ってました・・・
しかし、御池岳の時と違うのは無雪期と積雪期両方登山経験のある山なのです。
全くトレースの無いルートで登頂するのも良い経験だと思いチャレンジしてみることに・・

いざ進んで行くと序盤はなんとなくルートは分かります。

山の斜面をよ~く観察しているとルートはやっぱり見えてきますね.
この辺りで斜面の下を見るとさっきの男性が登って来ているのが確認出来ました。
やっぱり、ルートミスしていたのかな?この登山口は確かに全くトレースの無い斜面だったので
見逃していたのかな?
はたまた、トレースの全く無いルートだったので私を先行させるための巧妙な罠だったのか・・笑
ま、どちらにせよ全くの一人では無いことに少しホッとします。

しかし、先行する以上、ラッセル(深雪をかき分けて進む事)とルートロスの危険がつきまとうのは
確定なので大変なのは変わりありません・・・

歩きながら、木々の生え方や斜面の形状をよく観察してルートを見極めて進みます。

この山は、竜ヶ岳のような登山道脇の目印や看板が非常に少ないのでルートロスの不安が
つきまといます。

ピンクリボンの目印の先に道標発見。

無事尾根上に乗ることが出来ました。
取り合えず一安心・・・

ここからはやせ尾根のルートの連続となります。
両側はこんな感じで崖になっていますね。
ちなみにこの斜面に付けられた足跡は野生動物の足跡、たぶん鹿だと思います。

鹿のように高性能4WDであれば心配無いのでしょうが、基本2WDの人間の私なので、もしもの
ときの為ピッケルをザックから取り外して持って歩きます。

こんな雪の尾根道を進んで行きます。

先行してある足跡は野生動物の物ばかり・・

その足跡は斜面奥へ消えていきます。

こんな危険な感じのルートが続きます。
とりあえずはピッケルを雪面にしっかり差し込んで一点を確保して慎重に一歩一歩進んで
行きます。

この尾根道はアップダウンを繰り返しながら進んで行きます。
そして標高が上がってくると次第に雪も深くなってきます。

天気は良くはありませんが、まわりの山々は見渡せるので大丈夫そう。

この辺りで次のアイテム、12本爪アイゼンの登場!

サクっと装着完了~

このような少々心配なルートが続きますがピッケル+アイゼンでかなり安心出来ます。

しかし、安心ばかりではありません。
竜ヶ岳や藤原岳のようなフラットな雪面では無く両側が切り立った崖で雪の下には木の根や岩が
随所にあり、うっかりアイゼンの爪を引っかけようなもんなら最悪、転倒からの滑落につながっても
おかしくない状況のルートなのです。
踏み跡の無い雪面の怖さはこんな所にもあるのですね。
なので一歩一歩を確実に、ピッケルも使いながら慎重に進んで行きます。
ここで、アイゼン装着したり、超スローなペースになったにもかかわらず後続の男性が追いついて
こないことに気づきます。
あまりの雪深さで帰ってしまったのかな~なんて思いながら進んで行きます。

「鳴滝コバ」ってポイントに到着。

そこからの景色。

正面には御在所岳がはっきり見渡せます。

この辺りまでくるとふかふかの新雪ですがまだスノーポン付けるまでの深さはないので
そのまま進んで行きます。

先行する動物のトレース。

ここは結構な危険箇所。
左手は落とし穴のようになっており落ちたら最後、急斜面を滑り落ちることになります。
右手は見ての通りの雪の急斜面。
流石の高性能4WDの野生動物もここを通るしか無いようですね・・・笑

その後超急斜面の直登りが出てきます。
無雪期のここは長く続く階段の斜面なのですが雪積もると、登れるの?って感じに見えます。

雪も深くなってきて非常に辛い登りが続きます。

超、急斜面を登り切ると、前方に目指す釈迦ヶ岳山頂方面が視界に入ります。
歩き始めて1.5時間程ですが山頂はまだまだ先ですね。

雪も深いところでは膝まで潜ってしまうので、ここで最終兵器、アルパインスノーポン登場です。

ここで、初めての装着。
実はこのスノーポン試し履きまだしていなかったのです。
自宅でしようもんならまたフローリングに穴開けちゃいますから・・・・笑

で、ぶっつけ本番での装着でしたが問題無く完了。
さすがモンベル製ですね~。

庵座谷ルートとの合流地点に到着。

ここの笹の急斜面も登るの超苦労しましたよ。
急斜面なので深いところは腰近くまで潜ってしまうこともしばしば。
そして笹がある為かやたら足滑ってしまいます。
そうなっちゃうとスノーポンも却って邪魔になってしまいます。
息が上がってしまうほどもがきながらやっとの思いで登り切りました。

登り切ると猫岳が見渡せます。

この辺りも相変わらずルートの目印はほぼ無くルートが不明瞭な状態になっちゃいます。
激狭のやせ尾根はどう考えても一本道なので迷うことは無いのですが、ルートがちょっと広くなって
しまうと、何処が正解なのか分からなくなり事もしばしば発生します。

そんな感じでルートを探しながらの不安な状態でラッセルで登り続けますが、ここで今回の
山行で一番の苦労をする事に・・・
この画像の右手上の岩の上部へルートは続いているように見えます。
しかし、急斜面と深雪でアルパインスノーポン+アイゼンでもなかなか登る事が出来ません。
ピッケルを刺しても雪が深くて体を支えることも出来ません。
なので雪面に手を付いてもがいているのが残された手の跡でご理解頂けると思います。

足元はこんな感じ。
ここまで来るまでも結構な急斜面を苦労して登って来ました。
その最後がここであと少しが登り切れません。
万が一、登るの失敗して滑落してしまうことを考えると、若干の恐怖さえ感じます。
しかし、ここまで来たので行くしかありません。

スノーポンで斜面の雪をしっかり踏み固めながらアイゼンの前歯をしっかり効かせて、
慎重に登り切りました。
岩の上に登ってから振り返って斜面を見下ろした画像。
木が斜めになって写っていますが決してカメラを斜めにして撮ったのではありませんよ。
真っ直ぐに立ってそのまま見下ろして普通に撮影しています。
木が斜めになっているのは急斜面に生えているのでそうなっているのです。

そしてあろう事か苦労して登ったにもかかわらず、その後のルートが全く分かりません・・・
今立っているところより上は笹に覆われた急斜面で登れるような感じではありません。

そのまま斜面をトラバースして進めそうにも見えますが非常に危険な感じなのでまずルートでは
無さそう・・・・
チ~ン・・・・汗
ルートは何処・・・?
ここで脳裏をよぎったのはさっき無理矢理登った急斜面をもう一度下りるって事・・・
ここより進むにしても超危険な香りが漂ってます・・・
戻るにしてもあの急斜面を下りるのです、安全ではありません・・・
しかし、同じ危険でも、ルートが合っているとの確証が無い限り危険を冒して進む事は駄目なので
ここは怖いけど、さっきの急斜面を戻ることとします。

また岩の上から下る斜面を見下ろします。
う~ん、怖い。
しゃがんで、ピッケル刺して恐る恐る右足を岩より出してアイゼンのかかとで雪面を捕らえます。
そにて左足も同様に雪面に下ろすと同時に大変なことに~!
なんと、ほぼ全体重が掛かっていた右足が滑っちゃいました!
右手に持ったピッケルには体重を掛けられるような状態ではありませしまわりにはつかんでも
ちぎれそうな笹の葉しか無く、左手も雪面しか触ることが出来ません。
尻もち付いてとっさに体重移動した左足のスノーポン+アイゼンだけに全体重が掛かっています。
右足でどうにか雪面を捕らえたいのですが急斜面の為スノーポンが邪魔をして右足のかかとだけ
のグリップでは体重を掛けられません。
せめて右手で何かをつかめればなんとかなりそうですが手の届く範囲には何もありません。
どう考えても元の位置に戻るのは不可能・・・
う~ん・・・!
絶体絶命です~・・・泣
果たして、無事この斜面を下りられるのか、そして無事登頂して下山できるのか?
非常に危うい登山ですが続きは後編で~。
(無事、こうやってブログ書いているので死んではいませんよ・・・笑)
続く