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RicoAlfaRomeoのブログ一覧

2020年04月04日 イイね!

花咲く大井川鉄道

花咲く大井川鉄道【前回のあらすじ】

カレンダーみたいな写真が撮れてご満悦。

   *   *   *

大井川鉄道にむかいます。

新東名を島田金谷インターでおりて

チョイと走ると、見えてきます。

さくらのトンネルです。

家山の桜トンネル
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こ、これをこの目でみたかった!

3年前の正月にSLを撮りにきたとき、

(春になればさぞかし見事だろう)

と思いを馳せましたが、

ほんとうに来てしまいました。

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地元のテレビ局(静岡放送)も絶賛取材中。
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で、余談なんですが、いきなり冒頭から帰りの話なんですが、ここ帰りに通ったとき、花がブワァーッ!と舞って、それはもうえもいわれぬ情景。ヘヴン状態。
(帰りは坂を駆け上がるからです)
これ、オープンカーだったら、たまらないんじゃないかな。
胸すくようなドライブ、私が保証します。

   *   *   *

そこからすぐ。ほんとスグそこ。

SL撮影地
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10時に着いたら、みなさんスタンバってて少々あわてる。
SLくるの、11時だもんな。
ところが10時半になっても、みなさんのんびりブラブラ、カメラをかまえる様子がない。
だんだん不安になって、
「11時ですよね?」
とまわりの人に訊くと、
「それは臨時便!臨時便は運行中止!」
みなさん口をそろえて、しかもなんだかちょっと怒られ気味に言われる。
「え、じゃあ何時?」
「12時20分」
ええーッ!
あと2時間も待つんかい!

   *   *   *

とても待ってられないので、
三脚だけおいて、まわりを散策してきます。
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わたしが車を停めた河川敷の無料駐車場。

そこから見事な桜並木がつづいてます。
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この堤防ぞいは、川根町がほこる桜の名所。その名も、

川根さくら通り
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花もいいですが、
どうにも腹がへってなりません。

ところが、周囲には食事できるようなお店が見当たりません。

トイレはあるんですが・・・。
景観に配慮でもしたのでしょうか。
花の名所にはつきものの、屋台すら出てない。

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駅のほうに行けば、お店の一軒くらいあるだろう。
そう思い、花の並木道をいったん離れます。
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とうとう家山駅ですが、やはりお店はありません。
あるのは信用金庫くらい。

家山駅
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用もないのに駅舎のなかをのぞきます。
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駅構内も花がおおう。
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花ざかりの大井川鉄道。

しかし腹へったなー。
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花は咲けども、ごはんにありつけず。

じつはこの時点で北側に食堂があるのがわかったのですが、もういま12時。タイムアップです。

   *   *   *

撮影地にもどります。駅から1分ですわ。
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じっと待っている。
ときおり意味もなくファインダーをのぞく。
この緊張感がたまらなく好きだ。
やがて、

「ポッ」

とちいさく汽笛が。
だがすぐには姿をあらわさない。
まるで焦らすようにして、

きた。
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花咲く大井川鉄道
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SIGMA APO 70-200mm F2.8 EX DG OS HSM/
200mm/マニュアル露出(1/500秒 f5.6)/ISO 500/トリミング有

おっしゃあーッ!
いいのが撮れたぜ。
こんなの撮れたら、もう思い残すことはない。

   *   *   *

奥大井湖・秘境駅

川根温泉にあるホテルに道すがら寄ります。
今夜ここに泊まるんですが、昨夜スマホで予約したのがちゃんと受け付けてもらえてるか心配で。
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「ハイ、ご予約承っております」
と、フロントのおねいさん。
「夕食のビュッフェは、17時と19時のどちらになさいますか?」
うーん。はやく食べたいけど、このあとがなあー。

「山の上に湖ありますやん。赤い鉄橋が架かってて、すごいきれいなトコ」
われながら頭の悪い訊き方だ。すると、
「スマタ峡ですね」
寸又峡はスマタと読むのか。すんまた峡だと思ってた。
「車でどんくらいかかります?」
「1時間半ですね」
ずええーーッ!?そんなにかかるの?

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(↑ロビーにあった置物。クリスタルSL?)

(どうしよう)
ついロビーで考えこんでしまう。
バカな。
なにを悩むことがある。
ここまできたら、行くしかないだろ。
ハンドルを握れ!
絶景をもとめ、走り出せ!
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・・・ひとりで盛り上がってどうする。

おねいさんは1時間半と言ったが、
さすがにそんなにはかからなかった。

寸又峡と奥大井湖に別れるY字を右に行くと、
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ダムが見える。長島ダムである。
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この先で、せまい道に入るとすぐ駐車場がある。
駐車場は斜面になってて停めにくい。
車をおりて、ガク然となる。

エエーー!?これ登るの?
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なんか最近、こういうのばっかだな!

フッ、フッ、フッ・・・。
こういうこともあろうかと、今回は登山用ストック用意してきました。
車のトランクにしのばせておいたのですが、まさか本当に使うことになるとは。
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エモい。おのれの準備の良さがエモい。

上から駐車場を。
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なんでもない平地にみえるが、くりかえしになるが斜面になってて、車を停めるのに往生した。

山道を登ること10分。
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やっとで展望台に到着!
くぅ~ッ! ここまで遠かった!
みんカラのみなさんもよくここまで来ましたよね!?
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いま来た道をパチリ。
誰もいねえ。
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あとでギャラリー5人くらいに増えました。

列車がくるまで1時間。

奥大井湖上駅って、コテージがあるんですね。
ながめてて気付いた。
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いいなー。
男の隠れ家みたいで。

アレですよ。
「紅の豚」のポルコのアジトみたいな感じ。

秘境駅男の隠れ家なんて、
男のロマン詰め込みすぎでしょ。

あそこに住みたい。
泊まるんじゃなくて、住みたい。

テレビは映らなくてもかまわない。
ネット環境さえ整えばよい。
週に一度町におりて酒と食料品を買う。
新鮮な刺身はたまにしか食えないのが難点。

駅にたまにおりてくる旅行者に、コーヒーを淹れてふるまう。インスタントだけど。
食事もできる。メニューはカップヌードルだけ。しかもカレー、シーフードの3種のみ。こちらは300円。お金とる。

・・・駅に人影がある。コテージの客か。ホームに○○の鐘、みたいなのがあるらしく、客が鐘をつく。カラーンと鐘の音が風と共に湖上にひびき渡る。妄想から覚める。そろそろじゃないか?

静かなる奥大井湖上駅
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AF-S DX NIKKOR 16-80mm f/2.8-4E ED VR/
18mm/マニュアル露出(1/500秒 f8)/ISO 640/

 *   *   *   *

川根温泉ホテル

部屋はセミダブル。
なにが悲しゅうて男独りでセミダブルで寝にゃならんのかと、なさけなくて涙がでる。
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ベランダから「大井川第一橋梁」が一望できる。
わーい!鉄道風景写真撮り放題!と思ったら、じっさい泊まると正直そんなにうれしいもんじゃない。
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右に見えてるのが、道の駅「川根温泉」。

そうそう、道の駅でお茶買わなきゃ!
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3年前にきたとき、ここで「川根茶 深蒸し茶」を買って飲んだらメッチャうまかったから、今回もしこたまお土産に買って帰ります。
・・・お茶えらんでたら、店内に蛍の光が流れ、なにごとかと見まわしたら閉店準備。いまの時間が5時。早いよ。お役所かよ。

そういえば、ホテルのチェックインのとき、お茶の香りがしたので、
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「さすが川根温泉。ホテル内もお茶の香りで満ちているのか」
と感心して、それをフロントに伝えると、
フロントのおねいさん、ふたり顔を見合わせ苦笑い。
「いえ、フロントに茶香炉があるんです」
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なんですかそれ!?
そんなんアリかよ。

・・・3年前、SL撮りに川根温泉きたとき、このホテルに泊まろうとして満室で断られた。
(いつか、泊まってやろう)
と思い、今回本当に泊まった。
因縁のホテルです。

お風呂にいきます。
「川根温泉」というからには、温泉なんです。
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(上下2枚スマホ)

露天風呂が炭酸泉になっており、湯につかるとぬるめでしかも体で気泡がはじけ、すこぶる気持ちがよい。
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例によって、「第一橋梁」がみえるが、露天風呂からみえたってたいして意味はない。

温泉のあるフロアはリラクゼーション施設みたいになっており、
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アイス食べ放題。
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おれはどうでもいいが、ちびっこは大喜び。

それよりも、こっち。
マッサージチェアがならんでいる。
これもただ。お金いらないんですよ。
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・・・帰って新聞広告みたら偶然、通販でこれとまったくおなじのあって(フジ医療器)、価格が20万円でビックリした。そんなにするのか。

さーて、夕食ビュッフェのはじまりです。
たのしみ~。
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まずは地ビールで喉を潤します。
『 静岡麦酒 』(Brewing by サッポロビール
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みんカラでみなさまのブログ拝見してますと、
こんなかんじのホテルのビュッフェで、細かく区切られた白いトレイでお料理を盛り付けてるのをお写真で拝見することもしばしばですが・・・。

ここはわたくしRicoが、ごはんフォトに執念を燃やす不肖Ricoが、まことに僭越ながら「盛り付け例」などお見せしたいと思います。

こんなかんじで! 盛り付け例①
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全力でいきました!
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頭の中に白いトレイを思い描いて、色彩りやらレイアウトかんがえて。
われながらこういうつまらないことにだけは、全力で頭をつかう。

料理は品数が豊富で、
とても全種類食べきれない!

どれもうまかったが、
特筆するならコレ。

タイかベトナムでどこかで食べたような味がした。
和風な名前とは裏腹に、意外にエスニック風味。

「島田地酒をつかった
   白甘鯛の蒸し焼き
   ~魚介と山菜のスープ仕立て~」
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オープンキッチンでステーキを焼いてくれるそうです。
ほお~。
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焼いたステーキを切り分けて、
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いったん大皿に盛り付け。
おお~! うまそう!
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AF-S NIKKOR 35mm f/1.8G ED
フルサイズ用単焦点レンズの描写力に思わずニヤリ。

あわてない、あわてない。
ここから自分のお皿にとりわけます。

盛り付け例② 
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うますぎてヤバイ。じゃんじゃん焼いてくれ!

ほかにもこんなのがあって・・・。
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(あ、お造りだ!)
と思ってトレイに取り分けたんです。
上の写真みてもらえばわかりますが・・・。

(ずいぶんこまかく切ってあるなあ)
マグロとか玉子とか。でもまあ、トレイに入れやすくするためかなと。

そしたら隣にいた男が、トレイを持ったまま、
「お寿司?」
とつぶやくんですよ。

(エッ!?)
これ、お寿司か。でも寿司職人がいないじゃない。
ステーキ職人はいるけど、お寿司握ってくれる職人さんがいないじゃない。

(まさか・・・!)
自分で握れと?シャリを手にとり、みずから寿司をにぎれと!?

(すごい趣向だな、最近のホテルのビュッフェは)
と思って傍らに目をやると、

自分ごのみの海鮮丼をつくりましょう

みたいなこと書いてあって、

あぶねえッ!
いまオレここで寿司握るトコだった。
まじヤバいって!

寿司にぎってたら、どうなってたの?
「お、お客さま!?」
とかいって係員飛んでくるの?場内騒然となるの?やばいの?
怖い。おのれの視野狭窄ぶりがひたすらにコワい。

盛り付け例③ ミニ海鮮丼Rico's style
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ほかにも「ひつまぶし」なんかもあり、
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ほんとうにメニューが多くて、ぜんぶ載せきれない。

カレーは別腹。
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男とは、カレーを食べる生き物である。

   *  *  *  *  *

翌朝。
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グッドモーニング!大井川鉄道。
おはよう、大井川鉄道!(←せっかくナイスビューな部屋とったんだから、無理にも気分を盛り上げないともったいない) alt

朝食もビュッフェスタイル。
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盛り付け例④
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朝もメニューが豊富で、あれもこれもと目移りする。
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カレーは別腹。アゲイン。
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男はだまってカレー。

   *  *  *

さて、これでわたしの旅もおわりです。
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(↑伊勢湾岸道・刈谷ハイウェイオアシスにて。4枚とも)

今年もうつくしい桜に出会うことができました。
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ごらんいただいたみなさまには感謝。
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みなさまの花だより、楽しみに読ませていただいてます。
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ありがとうございました。
またお会いできればさいわいです。

  *   *   *

  自分用メモ 【後日談】

ブログを書くとき調べてわかったんですが、「かわね桜まつり」が中止になってたんだそうです。
それで屋台とかなかったんですね。おかげで昼メシにはありつけずでしたが。
祭りが中止でも花は咲きます。河川敷の駐車場も何事もないようにあけてもらえたので、旅の最中はまったく気づきませんでした。
・・・つまり、今年川根におとずれたかたははからずも、例年なら提灯がズラリぶら下がっている「家山の桜トンネル」を提灯ナシで撮れたワケです。ブログの一枚目の拙撮の写真のように。

Posted at 2020/04/10 19:04:11 | コメント(4) | トラックバック(0) | 日記
2020年04月03日 イイね!

龍巌淵の桜と富士山

龍巌淵の桜と富士山今年の春は

カレンダーでみた風景

を追い求めて静岡へ。

どうしても一度は見てみたい

風景があるんです。


地図にすると、こんな感じ。
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浜名湖SAに到着。
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いえ、浜名湖には用はありません。
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お天気いいから、ちょっと寄ってみただけ。
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浜名湖からちょっと先。
三方原スマートICで高速をおります。

お目当てのお店に到着。
浜太郎 半田山店
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そう、今回浜松に寄ったのは、
名物の浜松ぎょうざを食べに!
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みん友さんの『アムール☆』さんが、つい最近
浜松までいらしてぎょうざを購入されてまして、
ブログを拝見して、自分も無性に浜松でぎょうざを食べたくなったんです。
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このように丸くならべて焼くのがイイですねー。
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にんにくがきいてて、うまい。
ご飯大盛りサービスだったので頼んでみたが、ちょうどよかった。
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いままで「浜名湖・浜松」といえば、イコール「うなぎ」だったのですが、ぎょうざも名物だとは。

浜松はいいですね。おいしい名物がふたつもあって。

和歌山なんて、梅干しとみかんですよ。
どちらもアルカリ食品ですよ。
ヘルシー。

  *  *  *  *  *

ふたたび東名を東へ。

走りながらやがて富士山がみえる。

富士山がみえると、心がおどる。

気も逸る。

由比パーキングで一枚。
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このあと「富士川スマートIC」で高速をおりるのですが、
おりる前にサービスエリアで富士山をみたい。

ところがサービスエリアを利用するとスマートで下りられないんだそう。

下りられるようにすればいいのに、と思う。
設計ミスなのでは?と。

泣く泣く富士山を見ずにインターを下りる。
ところが!

そこからチョイ先で、きれいに富士山がみえた。
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なーんだ、サービスエリアからでなくても見えるやん。
なにもあわてることなんて、なかった。
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ここからちょっと先。
静岡・富士市。

龍巌淵(りゅうがんぶち)】にとうとうやってきた!
堤防ぞいにある駐車場に停め、
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花咲く堤防を歩いていく。
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お、やってる、やってる!
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堤防にそって、ずっと花がつづいている。
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橋から下を見下ろす。
こういうふうになってたのか!
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いちど下におりてみたが、私のイメージした「カレンダーの写真」はやはり「橋の上」からのようだ。
こういうのも、やはり現地にこないとわからない。

ああ、用意した長靴が無駄になってしまったな。
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これだけのために、ワークマンであわてて買ってきたのに。
ま、いいか。

いま来た道を一枚パチリ。
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お目当ての反対側。
南の方向、JR富士駅のあるほう。
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こちらもこちらで、悪くない景色。
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で、この時点でただいまの時刻が午後3時。
晴れてるけど、大きな雲が邪魔して陽射しをさえぎった。

ふたたび陽射しがさすまでみんなまっている。
私もひたすら待つ。

お昼には気温が20℃あったが、
川上から吹く風が強く、
だんだん寒くなってきた。
寒い。
もっと着込んでくるべきだった。

そして待つこと2時間。午後5時ジャスト。
パッと陽射しがあらわれた。
奇跡のように、ふたたび太陽が顔をだした。
果然、みなが色めく。
シャッターを切る音が河岸にひびく。

龍巌淵の桜と富士山
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こういうのが撮りたかったんだ!
よーし、よし。大満足。
しかし、本当に奇跡的に晴れたな。ギリギリで。

それにしても、ここはスゴいですよね。
さくらに富士山ですよ?
カレーライスに揚げたてトンカツのせて食うようなモンですよ?
絶景カツカレー」でしょう、たとえるなら。

しかも菜の花までトッピングですよ。
カツカレーに生卵ですよ。
スゴい、ぜいたくメニュー。

個人的には、花と富士山ならここは日本一の風景じゃないかな、と思いました。
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  *  *  *  *  *

さて、そこから車で10分。
ホントすぐそこ。
せまい街なみに今夜泊まる宿がある。
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『ふるいや旅館』
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なんでこんな街中に宿が?
と宿の主人にぶしつけな質問をすると、

学校の運動部の合宿やビジネスでの利用、
そして相撲取りが巡業で泊まりったりするそうだ。
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私がこの宿をえらんだ理由はとりとめもない。

富士インターそばにチェーンのビジネスホテルがあったが、
こっちのほうがおもしろいと思って。

もちろん、あたりハズレは覚悟の上で。

せまい階段をあがって2階に。
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部屋のナンバーは「200」。
201じゃなくて、なぜか200.
妙である。

ちなみに便所どころか洗面所も共同。
そのくせいっちょ前にオートロックときたモンだから、トイレいくたびに部屋の鍵を忘れずに携帯せねばならない。いろいろとおかしい。

部屋は怒涛の4畳半。
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ああ、これでテレビとカーテンがなければ、まるで服役してるみたいだ。

宿の主人が、
「屋上から富士山がみえる」
からぜひ見てほしいという。
宿の自慢らしい。
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ほかに高い建物もなく、
ほんとうにきれいに富士山がみえたのでびっくり。
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たしかにこれは自慢するだけのことはある。

お風呂はごらんのとおり。
カランが3つある。
風呂のフタがしてあるので、
「一番風呂かな?」
と思ったが、あがるときしめよ、とかいてある。
怒涛のセルフサービス。
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貸切風呂かな、と思ったが、
あとで同じくらいの年の男が入ってくる。

ふたりで湯舟につかりながら、
「どちらから?」
と向こうからきかれたので、
「和歌山から」
とこたえると、びっくりされた。
どんな仕事できたとおもったのだろう。
「いえ、写真を撮りに旅行で」
と説明すると、
「仕事で?」
いや、仕事じゃない。
そんな仕事があったらいい。

男はボーリング調査の仕事だという。
へー、めずらしい職種だ。
休日とかどれくらいあるのだろう。
おもわず根掘り葉掘りきくと、めんどうな男だと思われたのだろう。
「お先に」
といって、出ていった。

   *   *   *

この宿でビックリしたこと。

その①生ビールが飲める
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こんなビジネス旅館で生ビールなんてのめるのか。
冗談かとおもったら、本当にでてきた。
囚人から一転して、気分はパラダイス。

(↓ちゃんとサーバーがある)
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ちなみに1泊2食つきで6,800円。

今夜のメニューは、
「金目鯛に煮付け」に、
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ポークソテー!
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こいつはうまそうだ!

ビックリしたこと。
その②
宿の家族が客と一緒にごはんをたべる。
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食堂の入り口の席がそう。

イヤ、べつに悪いとかどうこうじゃなくて。
びっくりしただけで。

で、お酒をたのむと箸をおいて給仕してくれる。
芋焼酎「三岳」をロックで。
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給仕してくれたのは宿の娘さんらしいひとで、このとき気づいたんだけど、

「もしかして、昼間電話くれたひと?」
サービスエリアにいると、宿から確認の電話があって、

「あなた、きれいな声してはるよねー!」
保険会社のコールセンターからだとてっきり思い込んでしまうほどの美声で、さいしょ宿からだととうてい思えなくてなんども聞き直したのだ。

「声をほめられたの生まれてはじめて」
と笑っていた。

で、面白かったのが、(上のやりとりのまえ)娘さんがグラスに酒をついだとき、宿の主人が
「もっとついであげて」
といったのがきこえ、思わずニヤリとなった。
お酒はなみなみついでくれるとうれしい。

   *   *   *

翌朝、屋上にて富士山を拝む。
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朝食をいただく。
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海苔の佃煮と梅干は各テーブルに用意されているもの。
海苔の佃煮ひさしぶりにたべたけど、ごはんにメッチャあうわー。
こんなにうまかったっけ?ってなるくらい。

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チェックアウトのさいに、
「なぜ、宿の名前がふるいやなんです?」
とたずねると、
もとは「ふるいにかける」のあのふるいの製造会社なのだという。
娘さんの代で4代目。すごい老舗。
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宿の歴史はふるく、市の歴史を編んだ広報にのってるくらい。
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頁は、昭和32年の静岡国体の写真。

ちなみに宿の前が旧東海道である。
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そのうちタモリがロケでくるかもね。
そう言ったら、娘さんわらってた。
あと、このひとに「駐車場にとまってるアルファロメオですか?」
といわれてびっくりした。知ってるんだなー。

「アルファロメオで旅して写真を撮ってるんです」
といくぶん気取っていうと、
「仕事で?」
といわれた。
ちがいます。仕事じゃありません。
このビジネス旅館のひとは、私がなにやっても仕事だと思うらしい。


さあ、ここから「大井川鉄道」にむかいます。
そのもようは次回に。
ご期待ください。

Posted at 2020/04/05 18:14:06 | コメント(6) | トラックバック(0) | 日記
2020年02月21日 イイね!

城崎温泉 外湯めぐり

城崎温泉 外湯めぐり【前回のあらすじ】

小説にでてくる宿にとまってご満悦。

  *  *  *

翌朝、宿からすぐの

「夕日ヶ浦」に足を運んでみる。
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夕日ヶ浦、というからには夕陽の名所なのだ。
ただそれは夏場のはなし。
冬は陽が山側に沈むので、きれいな夕景はおがめない。
だったらせめてと思い、早朝来てみた。
撮影している私の背後に、旅館がひしめくように建っている。
夏場はさぞかしにぎわうのだろう。

宿にもどると、朝食の用意が整ってます。
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お味噌汁が土鍋で、陶器の椀によそうのが当館のデフォルトらしい。

近所でとれた有機野菜のサラダバーがある。
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みずみずしく、味が濃くてうまい。
おもわずおかわり。

さて、今夜の宿泊は
現在地より西の城崎温泉。
でも、いまから行きたい、回りたいルートは反対の東。
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まあ、いいいでしょう。
気にせず順に回って行こうじゃありませんか。

丹後半島一周ドライブ

略して「タンイチ」。
コレ広まったら、おれ命名者な!と思ったら、ググったらすでに言葉としてあった。あるのかー。
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しばらく走ってると、このような漁村がある。
通り過ぎようとすると、カモメ(ウミネコ?)が群れをなして空を舞っている。
渡辺真知子の曲みたいな光景に、おもわずこの先で車をUターン。
が、戻ってくるともうカモメはいない。
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真っ赤なアルファロメオがウロウロしてたら、そりゃカモメも逃げるわな。

経ヶ岬灯台

そこから30分たっぷりかけてはしると、このような広く整備された駐車場に着く。
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が、かんじんの灯台の姿がみえない。

え、灯台はどこ?とあたりを見回すと、

…まさか、あの山登るの?
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シマッタ!こんなことならストック持ってくりゃよかった!
まさか丹後半島に登山ギアなんかいらんだろうと、車のトランクに入れてこなかったののだ。持ってるのに。ストック持ってるのに!
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おれの人生、すべてが想定GUY☆

途中、ふりかえって。
うおゥ・・・。
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10分ほど登って、やっと見えてくる。
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美しい灯台だ。
ほんとうに白亜なんだな!
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Tom catさん、やっとおれもここに来たよ!

ふたたび道を走りだします。
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このあたりでようやく、今回のドライブの距離感というものを自分が見誤っていることに気づく。
丹後半島って、思ったよりもでかいのだ。
走っても、なかなか目的地につかない。
まあ、こうして道々写真とりながら、だからかもしれませんが。

伊根の舟屋】につく。
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下調べしたつもりが、重大な勘違いをしたようで、幹線道路からひょいと眺めるものと思ってたら、どんどん狭い道に迷い込んでしまう。
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舟屋を横から撮るって、アリなんかな。
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なんだか道がヤバそうだったので、そうそうに引き返しました。
結局ベストポジションを見つけられませんでした。
まあ、そういうこともあります。

で、次にむかったのは、
天橋立
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駐車場からテクテク歩いて。
駅がみえる。
京丹後鉄道の「天橋立駅」です。
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ここからぐるっとまわると、駅の裏にロープウェイだかケーブルカーの乗り場があるらしいが、
ん?まさか・・・。
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うわー、リフトォーッ!?
またリフトか!
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また、というのにはワケがある。
昨年5月に伊予・松山城で乗ったばかりだから。
アレですな。
いままでリフトなんか乗らなかったのに、旅やら写真なんかやりだすと乗るはめになるんでしょうか。

2回目だから慣れたろうと乗ってみると、2回目でもやっぱりコワい。
右手にカメラ持って、しきりにファインダーのぞくからでもありますが。
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みな無言で乗ってます。あたりまえですが。
なんか、スピーカーでジャニーズの曲がかかってます。
奇妙な時間がながれます。

やっとつきました。
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おりたその先に、
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ほう・・・!!
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いや、さすが。
日本三景はダテじゃないなと思いました。
古来よりずっと人々を魅了しつづけてきた、やはりここは絶景ですな。

展望台には遊園地があり、
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レストランもあった。
いまお昼の2時。
夜は但馬牛だから、いまここでシッカリした食事はひかえたい。
うーん、どうしよう。悩んだすえ、
「レモンティーとみたらし団子」
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メニューの取り合わせがクレイジー。
ちょっと疲れたので、レモンのクエン酸とあまいもので、といちおう自分なりには筋は通っている。

…この時点で、きのうの鉄道風景写真のつづきは断念した。
ちょっと詰め込みすぎました。

  *  *  *  *  *

そこから車で1時間半。(道はまちがえず)
兵庫県豊岡市。
 きのさき
城崎温泉】に到着。
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(天橋立からここまでの道中、前をマツダのCX-5がずっと走っている。奈良ナンバーなので、ははあ、この車も城崎温泉に行くんだなと勝手に思ってたら、久美浜で別れた。結局車列のうち、おなじ城崎温泉まで同道したのはダンプカーだけだった。この話にとくに意味はない)

『城崎温泉 東山荘
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・いきなり部屋の写真なのは、外観がダサかったから。
・かといって貧相な悪いホテルではなく、自分がここを選んだ理由は料理も部屋も価格もまずまずで、まあ温泉の奥座敷にもっと格式もお値段も高そうな宿がありましたが、温泉街の歩行者天国みたいなところを車で出入りしなければならず、これは現地にきてわかったことですが、この宿は幹線道路に面してるので出入りがラクでよかった。
・木津温泉は京都府ですが、ここ城崎温泉はそんな遠くないのにもう兵庫県なんですな!

歳のころは30代後半から、私とおなじ40代くらいの女中さんにお茶を淹れてもらう。
写真がブレているのは、茶を淹れてもらいながらきいた女中さんの説明が異様だったせいである。
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最初、女中さんの説明が何を言ってるのかわからなかった。

しきりに「ソトユ」とか、内湯がどうとかいう言葉がでてくる。
そして「規制」という単語がでた時点で私は音をあげた。

「ちょっと待ってくれ!」

なんの話をしてるのか、サッパリわからん!
頼むからもう一度イチから説明してくれ!

すると、城崎温泉には「外湯」というのがあり、

その外湯にお客さんをガンガン行かせるため、条例で旅館内のいわゆる「内湯」の大きさが規制されてるそうなんです。

  *  *  *  *  *

城崎温泉 外湯めぐり

へえー、そうなんだ!
そういうことになってるのか。
私ははじめてきいたので目を白黒させながら聞いとったのですが、まァ有名な話でしょうし、みんカラのみなさまのなかにはごぞんじの方がおられるかもしれません。

で、宿のフロントでこういうQRコードつきのパスを渡される。
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うわ、スゴい!なんか面白くなってきたゾ。
ちなみにパスの有効期限は、チェックインから24時間。翌日の15時まで。

あー、なんかきいたことある。
九州のくろ・・・黒川温泉だっけ?
温泉手形みたいなのをもって、あちこち温泉に入りに行くんだよな。

すると女中さん、
「いえ、ちょっとちがうんです」

黒川温泉はあくまでも、旅館内の「内湯」をめぐるしくみ。

「あ、そうか、わかった!」

要するに、城崎温泉には
「温泉の公衆浴場」がいくつもあって、それをめぐるのだ。

「こういうのは城崎温泉だけだと思います」
女中さんはいくぶん自慢げだった。

では、さっそく外湯めぐりに参りましょう。!
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「七つの外湯」があるそうですが、休湯日の店もあるそうで。
18時に夕食なんで、そんなにまわれませんが。
温泉地で外湯めぐりとか、思いもしなかった。

まずは、いちばん有名でここのメインフレーム。
一の湯
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なかはこんな感じ。
2階で休憩できる。
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QRコードを読み取るさまを一枚。
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スゲエ。城崎温泉、IT化ハンパねえ・・・。

ここから先は撮影禁止なので、あたりまえですが。

・湯舟はそら豆型。その長辺短辺に洗い場。
・いま地下のマグマであっためたんかというくらい、湯がアツい。
・奥に露天風呂があり、「洞窟crave」とある。入ると、岩壁をえぐって露天風呂がある。自分好みのぬる湯でいい。
・私は東京で10年銭湯通いだったため、こういう公衆浴場に場慣れしているが、さすがに常時20~30人ものひとがひしめく光景ははじめてで落ち着かない。

湯上りに、2階でちょっと休憩。
行きかう湯治客をながめながらソーダを飲んでいる。
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じゃ、もう一軒いってみるか!
柳 湯
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入って奥でふりかえる。
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・さっきより小さいが、混んでなかった。湯舟はふつうに四角。
・が、おどろいたことに、天井や梁がすべて木造り。ふんだんにヒノキが使われ、えもいわれぬ極渋(ゴクシブ)ぶりに気分は上々。ここは雰囲気いいですよ。

…とまあ、さまざまに趣向を凝らしてお客さんを呼び込んでるんですな。

宿にもどると、夕食の用意が整っている。
この宿は部屋食なんです。
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(ちなみにぶっちゃけますと、これいちばん安めの1万7千円のコースです。前回の宿と1万円の価格差がありましたがそれは関係ない話です)

部屋食がわたしははじめての経験だったので、このあとどうしていいかわからない。
まあ、とりあえず飲み物頼むし、フロントに電話してみる。

さすがに生ビールはなく、キリンラガーと迷ったが、プレミアムモルツをえらぶ。プレミアムな気分だったので。
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ビールもってきた女中さんに、コンロに火をいれてもらいます。

今回のメインは、但馬牛
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AF-S NIKKOR 35mm f/1.8G ED
こういうのに俄然、写欲をみなぎらせる。
フルサイズ用単焦点レンズが冴えわたるぜ。

お造りもうまい。
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ここでもカニがでてくる。
ここに来るまでの道中、ほんとうにカニのお土産屋さんが多かった。
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お酒をたのもう。
部屋食だと、お酒の追加をたのむタイミングがはかれなくてちょっとこまるね。
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但馬牛の牛鍋もあります。
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茶碗蒸しがすき。
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ご飯をいただいて、
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最後にデザート、白玉だんごです。
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さあ、飯もくったしおやすみ~。
・・・と、ふだんの私ならそうなるんですが、
今回はこれでおわりじゃありませんよ!
本日最大のミッション、
城崎温泉夜景】で撮らねば!

まずはさっき行ったばかりの
「一の湯」からスタート。
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ポスターにもなってる場所だけど、それならもうちっと前に寄って、カメラを左だったかなあ。
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自分なりにはこっちのほう。
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温泉地で、しかも城崎温泉で夜景を撮るのが夢だったんですが。
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やはり雪がチラチラ舞ってないと。
風情が足りませんかねー。

でも暖冬のおかげで、冬対策していない私のアルファロメオでも来れたんですよね。
おまけに薄着で手袋もせずに素手で撮ってるという、なんというイージーモード。
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うーん、写真の出来栄えは、30点くらい?でしょうか(笑

  *  *  *  *  *

翌朝、朝食が7時半だったので早起きすると時間をもてあます。
外湯が7時からなので入り行く。

すると、きのうは休湯日で休んでいた
地蔵湯』が開いていた!
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もうすで並んでいる。

オッシ!外湯めぐり3軒目!
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中に入ると。
ああ、ここも2階で休憩できるんですね。
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・湯舟がプラナリア型。わかりやすく言うと、キノコ型でまわりをUの字に洗い場がある。
・朝の光が入ってきて、気持ちのいいお風呂だった。

時間ピッタリに宿にもどると、これまた朝食が部屋に用意されている。
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いやあ~、今回温泉がよかったなあ。
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そんなわけで、これで今回の私の旅も終わりです。
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ありがとうございました。
またお会いできたらさいわいです。

   *  *  *

  【自分用メモ】
・帰り、北近畿豊岡自動車道で走行距離6万㎞。

・吹田JCTから岸和田までどしゃぶり。和歌山に入ったとたん、雨は止んだ。

Posted at 2020/02/29 19:04:15 | コメント(10) | トラックバック(0) | 日記
2020年02月20日 イイね!

【聖地巡礼】小説の舞台になった宿に泊まる【松本清張】

【聖地巡礼】小説の舞台になった宿に泊まる【松本清張】今回は

小説の舞台になった宿にとまる

というテーマで、

丹後半島を旅します。
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地図にすると、こんな感じです。
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和歌山から丹後半島は妙に遠く感じる。
だからなかなか行かなかった。
今回よくやく行けた。

せっかくですから、【舞鶴】にも寄りましょう。
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『舞鶴 赤れんがパーク
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舞鶴も前から来たかった場所。
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「艦これ」とかやってたら、もっと早く来てたんでしょうけどねー。
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艦これやってないんですよ。
やってそうにみえるでしょう?
やってないんですよ。(笑

みんカラでもみなさま訪れてますからね。
私もこういう写真を撮りたかった。
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「旅を主題に」写真を撮るなら、
こういう写真も撮りたくなる。
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今回なぜか自撮り多し。

いや、だってこういう便利な台があったので、つい。
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写真をはじめてはや丸4年。
創意やら工夫やら、いろいろしょーもないことを思いついては実行してみる今日この頃。

そういや、艦これといえばポスター一枚貼ってなかったんだけど。
ブームはもう過ぎ去ったの?
かわりといってはなんだが、今はコレらしい。
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階段の踊り場にあった。

赤レンガ倉庫を離れ、遠巻きに護衛艦を見物します。
広島・呉みたいに間近では見られないんですね。
駐車場から先は海自管理区域なので、きびしく立ち入りを禁止されてて。
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ヘリ搭載型護衛艦「ひゅうが」の姿がみえませんね。
仕事中のようです。
こういうのなんて言うんだろう?
就役中?運用中?実戦配備中?
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そこからテクテク歩いて10分。
「海自カレー」を食べにお店に。
レストラン 海望亭
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店内のようす。
お店の名誉のために申しておきますが、他にもお客さんいるんですよ。
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席からのながめ。
遠くに輸送艦らしき艦艇がみえる。
それと新日本海フェリーの乗り場。
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われながら、つまらぬ写真だなと思ったら、あとでわかったことですが、すぐ目の前が

あの「岸壁の母」の場所だそうで、びっくり!
そうだったのか。ここか・・・。
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さて、お目当ての海自カレーがきましたよ!
『掃海艇「のとじま」の
  茄子と合挽肉のキーマカレー
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いままで食べたことのないカレーの味がした。

五老スカイタワーから。
天然の良港、舞鶴。
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こうしてみても、リアスってますなー。

  *  *  *  *  *

【丹後由良・鉄道風景写真】
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関西圏でも有名なこの場所へやってきたんですが、

待てど暮らせど電車がこないので、
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宿のチェックイン時刻もせまっているので、明日にします。
だってしょうがないじゃない。
来ないんだもの。

  *  *  *  *  *

そこから車で1時間半。(道まちがえた)

京都府京丹後市。

『木津温泉 ゑびす屋
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小説では、「鄙びている」とあったがそうでもない。
なかなかしゃれている。
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そう、この宿は松本清張が実際に二ヶ月逗留し、書き上げた小説、
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Dの複合』にじっさいに登場する宿なのです!
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清張作品をわたしが熱心に読んでたのが、10代後半から20代前半。

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ン十年たって、好きな作品にでてくる宿が実在することを知る。
まさか実在するなんて!
そりゃ、ファンとしては泊まりにきますよ!

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チェックインもそこそこに、館内を探検です。
この宿は、新館と旧館に分かれていて、旧館の名前が「大正館」。

昭和9年の創業ながら、大正ロマンを色濃く残す宿だそうで、この扉のむこうは、
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いきなりアールヌーボー調で、すごくおもしろい。
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さて、お目当てのアレはどこだろうな。
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「なんだここは!?」
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(洗面所・・・?)
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この宿は新館・旧館に分かれてるせいか、建物の造りがすこぶるカオス。
まさに迷路。
いまおれはどこにいるんだ状態で、おもわずニヤニヤがとまらん。
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このうしろに、

あ、あった!ここだ。

清張の書斎
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松本清張が滞在期間中、実際にここで執筆した。
これ見たさに、はるばる和歌山からきたんだ。

背後の本棚に、
アレッ!こんなところに光文社カッパノベルス版があるやん!
(※私が持参したのは、新潮文庫)
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このカッパノベルス版を父が持っていて、私がこの作品を読んだのもこのカッパノベルス。
この旅のまえに、父に「アレどこいったん?」ときいたら、「処分したから、もうない」と言われガックシ。いまあったら、レアだろうにな。なにせ、昭和40年代だから。

Dの複合』(昭和40年)
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さて、思い出深いカッパノベルスがここにあったことだし、この小説がどんな話か、ちょっと手短にお話しさせていただきます。

  *  *  *  *  *

主人公は、伊瀬忠隆という売れない作家です。
…むかし私が抱いたイメージでは、「サザエさん」の「伊佐坂先生」みたいな作家先生をイメージしてたのですが、いま読み返してみると、アレですね。もっと若いというか、50代、いやひょっとしたら40代後半かもしれません。

その先生のところに、ある日雑誌編集者の浜中という若い男が訪ねてきます。
創刊したばかりの雑誌に、ぜひ先生の紀行文を載せたいとのこと。
そう、原稿の執筆依頼です。

お茶を持ってきた先生の奥さんが、しきりに先生に目くばせしています。
今月苦しいから、はやくOKしてと言ってるいるのです。
だけどそれだと、ダンディズムにかかわるので先生はわざと渋ってるふりをしますが、結局はOKします。ほかに仕事がないからです。
こうして、先生と浜中の取材旅行がはじまります。

ふたりがまず旅をしたのは、丹後半島。
「浦島伝説」
「羽衣伝説」
を追って。

(↓宿から車で15分にある網野神社。浦島伝説を由緒にもつ延喜式の古社。作中、伊瀬と浜中が立ち寄る。この一枚の写真のために私も参拝した)
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先生は、せっかくきたんだし、
「有名な城崎温泉に泊まりたい」
というと、浜中は、
「ダメです。城崎温泉は俗化してるからダメです」
と却下されます。
鄙びた温泉宿のほうが雰囲気あっていいからといわれ、それでこの木津温泉にやってくるんです。

ディーゼルカーにゆられ駅に降り立つふたり。
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(↑じっさいに宿の駐車場から、京丹後鉄道宮舞線・夕日ヶ浦木津温泉駅がみえます。右端に駅のホームがちょこっと見えてます

タクシーに乗ろうとすると、宿は目の前だと知り、テクテク歩いて。
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(↑二人が入った旧館の玄関。清張自身もここから入った。玄関の上が書斎という建物の構造的な位置関係に写真を撮ってみて気づく)

宿に泊まったその夜、裏の山でなにやら警察やら地元の青年団やらが松明もって山狩りしている光景が。どうやら殺人事件でもあったらしい。(小説の話ですよ)
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(↑方向的には作中とたぶん合ってるはず)

浜中は、先生、紀行文にこの殺人事件の話を挿入してくださいよと言われる。
先生は紀行文に現実の事件いれたら変じゃないかと言いつつ、しぶしぶ承諾する。

その後、二人は明石から淡路島を抜け、紀淡海峡をへて和歌山・加太を旅する。
浦島・羽衣伝説を追って、京都や三保の松原、千葉の館山なんかにも行く。

…そんなある日、先生の自宅にファンだと名乗る和服美人が訪ねてくる。
当時は作家の自宅住所がわりと公開されていたからである。
美人なので思わず先生も自宅に招じ入れると、美人なのはいいがこの女性かなりヘンで、先生の次の取材旅行先をきくと、
「先生はやはりご存知なんですね!?」
などと訳の分からぬことをいう。
先生も、
(へんな女性だな)
と思いつつ応対するが、女は時刻表を貸してほしいという。当時各家庭に時刻表はあった。それでなにやらしきりに計算をはじめる女。やがて、「先生のこの前の取材旅行の鉄道キロ数を計算すると、ちょうど350kmです。で、今回の取材のキロ数が353.5kmです」というので、先生も、
(エッ?)
なんだそれ!?となる。
作中では計算狂とあるが、いまでいうサヴァン症候群の女性がストーリーをぶった切るようにしていきなり登場する。

…そんなある日、またしても浜中と取材旅行中、電車にのってると先生はふいにトイレにたつ。トイレの帰り、車内でふと地図を目にする。当時国鉄の営業路線図みたいな日本地図が車内にあった。
先生は、明石や加太や三保の松原とか行ったなと回顧しながら地図をながめていると、そこであることに気づいて、
(アッ!)
となる。あわてて座席に戻り、寝ている浜中を起こし、かれを詰問する。
「浜中君、きみはこのことを知っていたのかね!?」
本作品最大のミステリーがここからはじまる。

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【清張作品の魅力】

それまでの小説とちがって画期的だったことが二つあります。
まずは、殺人動機の明瞭化です。
それまでの小説って、殺人の動機があいまいでした。(←江戸川乱歩のことでしょうか)
シャーロックホームズなんかもほとんど貴族のスキャンダルなんです。
殺人の動機は、地位や名誉、権力とカネ、そして情欲。欲はすなわち人の業であり、人がひとを殺めるのに足る理由がそこにあります。
清張はそこをつきつめて言及した結果、「松本清張サスペンス」のようなエログロのイメージがついてまわりましたが、本来純然たる人間の本質を描いてるだけなのです。

もうひとつは、推理小説に旅情を入れたことです。
それまでの殺人といえば、どこが舞台なのかはっきり描かれませんでした。
それを清張作品は、有名な「ゼロの焦点」の能登半島をはじめ、日本中の実在する地名をバンバン出しました。
その結果、当時高度成長期で国内旅行ブームがはじまり、国鉄が行ったキャンペーンや日本交通公社(現JTB)の誕生もあり、清張作品は一大旅行ブームの火付け役になりました。

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【羽衣伝説の正体】

もう、ここまできたら全部書かせていただきますが。
この「Dの複合」に対する唯一の批判が、民俗学のうんちくを語るだけで羽衣伝説の正体になにも迫っていない、という批判があります。
でもこれはしょうがないことなんです。当時の民俗学の研究ではこれが限界でした。
作中、いい線までは言及されてるんです。
羽衣伝説は、ヨーロッパの白鳥伝説と同一であること。
伝説は世界各地にあり、シナ、インド、シベリアからスカンジナビア半島まで、おなじ伝説があるんです。
作中ではこれを、ユーラシア大陸を経て「口伝により伝播」したとありますが、これはまちがいなんです。
最近の研究では、同時多発的に発生したと考えられてます。
そんなことってあるんでしょうか?
じつはこたえを言いますと、白鳥伝説のある地域と太古の昔、製鉄が行われていた場所と一致するんです。

製鉄、ときいてもののけ姫のタタラ場を思い浮かべたひと、正解です。
昔の製鉄は、いまとちがい鉄鉱石と石炭ではなく、大量の木炭と砂鉄を必要としました。
でも、それと白鳥にどんな関係が?
白鳥などの渡り鳥は、体内の器官で地磁気を感知しナビゲーションするといわれています。
地中に大量に砂鉄があると、地磁気が狂います。
白鳥が飛来する所に砂鉄が豊富に存在し、製鉄が興り、人類は文明を発達させました。そのえいえいとした歴史を物語る口碑が、白鳥伝説となってながく残ったというわけなんです。
これが松本清張の時代にはわからなかった。

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   *  *  *  *  *


さて、もういい加減に私の旅に話をもどします。

書斎が見れてひと安心。お風呂に入りにいきましょう。

ここにはなんと、貸切風呂があるんです。

部屋にもどって着替え準備して、旧館に行こうとするともう道順がわからない。
「えーと、どっちだっけ?」
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ほとんど迷宮、ラビリンス状態。
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ウロウロしたあげく、やっとみつける。
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松本清張も浸かったという、
『ごんすけの湯』
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小説の作中でも伊瀬先生が風呂に入り、
「タイル張りながら、うすよごれて気持ちが悪い」
とあるが、いまはそんなことはなく、気持ちのいい温泉である。

温泉からあがると、夕飯の支度が整ってます。
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まずは京都の地ビール、
プレミアムモルツでのどをうるおす。
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なんか、こういう場所で独りで食ってますが。
ぜんぜん平気です。
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さいきん物事がどうでもよくなってきた。

『お造り』
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めちゃくちゃあまい。

『蒸し蟹』
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松葉ガニ(ズワイガニ)です。ちなみに。

『焼き蟹』
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Nikon AF-S NIKKOR 35mm f/1.8G ED
写真もキレイに撮れてうれしい。

女中さんに焼いてもらいます。
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甲羅酒も楽しめるようで、そうだ、お酒はなに頼もう。
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「利き酒セット」があるそうで、なら頼むしかないわな!
5種類の酒で800円ときいて、めちゃ安いな!
と思ったら、おちょこで出てくるそうで、なんだおちょこかよと言ったら、女中さんがそこそこ量はありますよという。

じゃ、頼んでみよう。
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で、利き酒の感想。
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べつにふざけているわけでなく。
酒どころ京丹後の酒にハズレなし。

かにづくしフルコースも、いよいよ大詰め。
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(※宿の予約のさいにかにづくしを頼んだわけではなく、なんの注文もせずにただ泊まったら自動的にフルコースだった)

かにすきに突入。
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〆はモチのロンで、雑炊に。
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これがうまい。
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最後にデザート。
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京丹後の夜は、こうして更けていきます。
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明日は城崎温泉に泊まります。

ご期待ください。
Posted at 2020/02/23 19:04:20 | コメント(3) | トラックバック(0) | 日記
2020年01月02日 イイね!

海と泡盛とチャンプルー食って帰るだけの旅【石垣島・川平湾】

海と泡盛とチャンプルー食って帰るだけの旅【石垣島・川平湾】石垣島に

3連泊したホテルを

ここで紹介します。

ガチガチのリゾートホテルでなく

平板なビジネスホテルでもないところが

気に入りました。

南の美(ちゅ)ら花 ホテルみやひら
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(※外観を南国ムードタップリで撮りたかったが、いい場所がみつからず。帰りに路線バスに乗車したとき、「あ、あそこ!」と気づく。ふつうに探せばみつかるのに、私にはこういう馬鹿なところがあるからこまる)

ロビーにはウェルカムドリンクがズラリ。
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いちばん奥が「シークワーサー」のジュース。すだちやカボスみたいな緑色の柑橘類。
さんぴん茶は、「あ、ドクダミ茶だ!」と思ったが、私は味覚バカなのか、あとで調べたらぜんぜん違ってた。アレの味なのだが、これから行く人もいるかもしれないのでネタバレ禁止の方向で。

そして、いちばんうれしいのが、
本場泡盛
飲み放題!!

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『ご自由にお飲みください』
もうね、けっこういただきましたよ。
もちろんマナーの範囲内で。
ヤバイっすよ。昼間から泡盛ですよ。
無料だから置いてるお酒もたいしたことないんじゃないかと思ったら、これがうなるほど美味いッ!フロントで銘柄きいときゃよかった。

正月三が日はこのような樽酒もふるまわれ、
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「金ダライ」で底上げする「なんちゃって」樽酒ですが。

縁起物だからありがたく一献いただくと、
「ん!?」
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この酒、泡盛じゃないか!
おいおい、石垣島じゃお屠蘇に泡盛飲むんかい!?
しかも今この場に泡盛がダブルで存在する。
なんなの?ギャグなの?

部屋のようすは最初のブログでやったので写真は省くとして、気になったのがテレビ。それも「天気予報」。
沖縄本島を中心に、島だらけのマップで予報すんのかな?と楽しみにしてたら、こんなかんじでガッカリ。
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それと気になったのが、ここって日本テレビ系列は映らないんですね。
クロス放送もなく、ここのひとって、笑ってはいけないを見たことないのかも。
それより個人的に困ったのは、箱根駅伝が見られないこと。

…それからこれはまったくの余談になりますが、ここのホテルを予約するときかなり変な具合になりまして、旅の3日前に航空券とともにホテル探しをしたのですが、予約の電話をいれると若い女性がでて、「ダブル(シングルははじめからなくダブル)はない」というんです。私はPC画面を見ながら、いやそれはおかしい。画面にはあるとなっとるやないか!
「お客様はなんの画面をいまご覧ですか」
というので、ホテルのHPやがな!というと、
「販売形式がことなるので」
という。んなわけあるかい。フロントと公式HPとで予約情況に齟齬があったらおかしいだろ。更新してないだけじゃないの。

で、ツインしかないというので値段を聞いてみると、衝撃の2万4千円。
さすがにそれはと尻込みしていったん電話を切る。
で、ほかのホテルをあたってみるが、いいのがない。宿泊も年を越すとどこもけっこう値が張る。
4泊の予定を3泊に切り替えたらなんとかなるやろと覚悟をきめ、あらためて電話を入れると、こんどは別の女性がでた。
またイチから説明せなならんなと予約の手順をふんで、ツインの値段をあらためて確認すると、
「1万8千円になります」
値段変わっとるやんけ!
もうね、勘弁してくださいよと。
値段が下がったのでいい、ということではなく、いつ誰が電話しても誰が受け付けても価格は公正でなくてはならない。少なくとも、わが国ではそれが常識です。

なんでこんなことに、と不審だったが、いざチェックインしてわかった。
フロントから清掃員まで、ベトナム人など外国人が多数ホテルのスタッフとして雇われていた。
雇うのはべつにいいが、お金のことはキッチリやってもらいたい。

  *  *  *  *  *

さて、ようやく朝食の話題です。

うほーっ!
毎朝メニューが変わるから楽しみ!
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『フーチャンプルー』
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フーとは、お麩のこと。

『島産豚のウインナー』
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バツグンのうまさ。毎日食べたい。

ご飯は、赤飯にみえるが「黒紫米」だそうで。
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もちろんご飯はこれ以外にも、ひとめぼれや今はめずらしいコシヒカリなどの白米も取り揃え。

お味噌汁は、ワタリガニの味噌汁とはまた豪華な。
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サイドメニューがこれまたスゴい!
県産和牛の牛丼
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これがまた!うまいんだな、これが!
ホテルの朝食にこんなの出すなよ~。
ほかが食べられなくなっちゃうじゃないか。

カレーは別腹。
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さあ、出かけよう!
【正月 二日】
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この日は朝から、吉兆を占うかのように晴れ渡った。
旅の女神は最後にきて、ようやくほほえんでくれたようです。

ホテルからすぐ、
レンタルバイクの
南国屋
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(※グーグルマップの位置情報は間違ってます)

今回は本ブログ初、
ミニバイクで
旅します!

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店の若いにいやんに、操作をイチからおそわる。
なにしろ20年以上ぶりなので、それこそエンジンのかけ方から。
ウインカーを左右にやって、もう一回押し込むとウインカー・キャンセルとか知らなかったし。

時間は5時間にしてみた。3千円を前払い。時間すぎても「当日3,500円」あつかいになるだけなので、あとで500円追加料金払えばいいだけ。すこぶる安心・良心的価格設定。

これがそのバイク。
「ホンダ・タクト」
みん友さんに、神戸にお住まいの黄色いアバルト乗りの方に思いを馳せ、バイクの色は黄色をチョイス。
海の青さに映えるだろうと思った。
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これ、コレッ!
この視点の低さがエモーションかき立てる。
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よおし、いくゾ!
石垣島らしい風景のなかを、軽快に疾走します!
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島をめぐるのに、軽自動車でも身が重すぎる。

(↓「名蔵アンパル」)
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一人旅だとなおさら。
バイクは身軽でいい。

(↓マングローブの林が広がる)
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目に留まった風景を写真におさめながら、

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風とともに自在に駆け抜ける。

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【川平湾】

2時間ほどブラつきながら走ってるいると、昼前に川平湾の駐輪場に着く。
多数のみやげ屋と船のチケット屋が周囲をかこむようにしてある。
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↑ふとみると、駐車場は入りきれない車で長蛇の列。
やはりバイクで正解。

駐輪場からテクテク歩いて行くと、そこに碧い海が。
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ほおーっ!?
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じつは、この光景を目にするまで、【川平湾】がどんなところか知らなかった。
そもそも前日まで川平湾の存在を知らなかった。
ホテルのフロントで、「バイクで島を一周したいんやケド」ええとこある?と聞いてみると、「なら、ぜひカビラ湾へ!」というので、
(楽天カードマンのふるさとかなあ)
ぐらいに思ってて、まさかこんな碧い海が広がっているとは思ってもみなかった!

ちょっとショックを受けたが、かといってほかにやることがないので来た道をトボトボもどっていると、このような船のチケット屋がほかと離れたところにポツンとあり、なかから女性に、
「グラスボートいかがですか?」
とキャッチセールスみたいに声をかけられる。
これが奇貨となるから、世の中どこでどうなるかさっぱりわからない。
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グラスボートなぞ、ぜんぜん乗る気なんてなかったが、ひさしぶりに女性に声をかけられたというのもあって、いちおう値段と所要時間を聞いてみる。

なにより、商売上手だった。
女性の話だと、お昼のこの時間、いまから海は満潮になる。海の透明度が高まる今が絶好のチャンスなのだという。

絶好のチャンス、というワードに私は完全に心をうごかされた。
ちなみに干潮だと川の水が入って海が濁るのだという。

さらによかったのが、このあとチケットを購入しながら、
「船の出発まで15分あるので、展望台に行かれては?」
とすすめられたことだった。
「展望台なんかあるの?」
相変わらず下調べをしない男だ。
だが、15分で帰ってこれるの?ときくと、すぐそこだという。

あ、あれか!
やばいな。コレ、おそわらなかったら自分で気づいたろうか?
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そのさきの光景に目を見張る。

ああッ!!
めっちゃイイ!
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ああ、なんかココ、テレビでみたことある!
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意外なところに絶景がひそみ、夢中でシャッターを切る。

船の時間が近づいたので、浜辺へ下りる。
専用の待合所みたいなのがある。
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これが今回のチケット。
と、沖縄オリジナルのパインジュース。
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背後で物音するので見たら、なぜか海に猫。
ジャルパックと猫。異色の取り合わせに思わず一枚。
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時間になると、なんとなくわらわら人が集まってきて、
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なんとなく乗船する。
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なんとなくだから、チケットの確認もしない。
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船内のようす。
潜水艦のなかみたいなのを想像してたらちがってた。
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出発。
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すぐ湾内で停泊。
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【STAGE 1 】 海の深さ:浅い

あ、おれでも知ってる熱帯魚!
クマノミだ。
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青いさんご。
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船頭さんが、「青い珊瑚礁。松田聖子です」というと、船内がどっとうける。
私もフフッ・・・となるが、いやそうじゃない。
「青い珊瑚礁」はそういう意味じゃない。

そこからすこし船を移動させる。
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海の碧さが増す。
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…さっき船頭さんがあんなこというから、いま頭ん中は松田聖子の歌でいっぱい。

【STAGE 2 】 ちょっと深い。

南の海らしい海中のようすが目の前に。
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魚影も濃い。
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船はコバルトブルーの波をけってさらに沖へ。
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【STAGE 3 】 深い。

船頭さんが、「このあたりはウミガメのおうちです」という。
おうちってなんだ。巣じゃないのか。
だいたいウミガメって、もっと大海原を回遊してるんじゃ?
半信半疑でいると、こどもというのはたいしたもので、まあ我先にみつけようとするじゃないですか。
やがて乗り合わせたちびっこが、
「あ、いる!」
と叫ぶや、大のおとなたちまで、
「いる!いる!!」
となり、私までおもわず
「いる!いる!」
と声が出てしまっていた。
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こうして30分ほどで浜にもどってきます。
ウミガメみれて、千円は安い!じつにいい体験をした。
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駐輪場にもどる道端に、
めずらしい蝶をみつけた。
『ジャコウアゲハ』
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みやげもの屋の裏手に隠れるようにして、一軒の店があります。
『公園茶屋』
写真にはないが、店の前に行列ができてた。
主力が麺類なので、回転がはやくすぐ入れた。
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↑メニューをみると、「てびち」というのがある。きのうの店にはなかったメニューだ。てびちってなんだっけな。どうにも思い出せん。だが、きのうが八重山そばだったので、きょうは順番に、

『ソーキそば』
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食べ終わって店のおばちゃんに、
「てびちって何?」
ときくと、ニコニコしながら、「豚よ」という。
ソーキも豚肉でないか。すると、
「てびちは豚足入ってるの」
あ!そうか。そうだった。

ここにきて、いま私の頭のなかではこういうふうに整理がついた。

   沖縄そば早見表
     価格  麺スープ   豚肉
八重山 700   おなじ   細切り肉
ソーキ  900   おなじ   骨付きあばら肉
てびち  900   おなじ   豚足

どうでもいい表をつくってしまった。

   *  *  *  *  *

川平湾を離れ、ふたたび走りだす。
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どこを走っても、碧い海がみえる。
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地上の楽園のような島だ。
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岬をぐるっとまわると、灯台につく。
『石垣御神埼灯台』
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なんとなく来たので、ここから西表島がみえることをしらずにこんな写真撮っている。
あとでわかって、自分のうかつさに冷や汗がでる。
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が、フォルダをさがすとあった。
ギリ西表島がうつってる写真。(右です)
たいした写真じゃないのでボツのつもりだった。
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さあ、こうして島めぐりの旅も終わろうとしています。
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さて、帰るか!
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  *  *  *  *  *

ホテルに戻るといつものようにひとっ風呂あびて、
3夜連続でおなじ店。

これにはわけがありまして、店が気にいったこともありますし、なによりこのホテルには「清掃スキップ」という面白いシステムがあって、「フルスキップ」をフロントに申請するといわゆるドント・ディスターブ状態で清掃やアメニティの交換をしない、そのかわりホテル内レストランでつかえる千五百円ぶんの割引券をくれるんです。これは大きいですよ。

『シャコ貝のお造り』
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最後なので、なんか変わったのを頼んでみた。
お刺身盛り合わせを頼もうと思ったが、マグロとサーモンだったのでやめた。石垣島では地魚は期待できないものらしい。活魚はたしかに北ですな。

『島豆腐ガーリック揚げ』
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ビールにぴったりでうまい。

最後のチャンプルーはなにを食うべきか。
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アダンの実をつかったとかいう、
『アダンチャンプル』
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↑どれがアダンの実?と思ったら、これらしい。
この鶏の骨みたいなやつ。
食べてみると、あれだ。たけのこの食感に似てるのだ。
石垣島には竹なさそうだもんな。
そういえば、きのう行った竹富島も妙だな。
竹もないのになぜ竹富島。

最後の晩酌はもちろん、泡盛古酒で!
初日のんだのが気にいったので、さいごにも頼む。
請福ビンテージ
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これがしみじみうまい。

現地を旅し、こうして本場の泡盛古酒をのむのが夢だった。

…で、この酒はホテルの売店にあったので、
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↑シッカリ買って帰ります!
帰りの飛行機の手荷物預かりが心配。

さて、3泊4日におよんだ今回の旅もまもなくおわります。
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いきなりの旅で無計画だったので、
泡盛のんで、チャンプルー食って帰るだけの旅にしよう!
と過度な期待はしてませんでしたが、

運良ければ、きれいな海を見られたらラッキーかなと思ってましたが、

それ以上にかかえきれない宝を私は持ちかえったような気がします。
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南の楽園、宝の海をふたたび訪れることを誓って。
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…最後になりましたが、
新春のお慶びを申し上げますとともに、
みなさまの今年一年の健康を祈って。
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…みなさまのお正月だより、楽しく読ませていただきました。

ありがとうございました。
またお会いしましょう。


   *  *  *  *  *

  (自分用メモ)

前回のブログアップ後、出勤、寝込む、出勤、寝込む。
風邪の諸症状がきつく、やむにやまれず薬に頼る。薬剤師にすすめられたのは、エスタックイブ。となりの綾瀬はるかが気になったが、成分的には一緒だがこっちのほうが効き目が強いとのこと。
服用後、気絶したように眠る。
Posted at 2020/01/12 19:04:34 | コメント(5) | トラックバック(0) | 日記

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