求められる安全への意識

2008年は下半期に突入。カレンダーは10月に替わりましたが、私は昨日に引き続き「Alfa 147」のテストドライブのお仕事。

朝早めに社員嬢を伴って事務所を出発、午後に予定通り車両を返却。二日間ともにあまりスッキリした天候ではありませんでしたが、インプレッションも撮影も無事に終えることが出来ました。


ところで昨日で「秋の全国交通安全運動」が終了しました。

●死者131人、最少更新＝秋の交通安全運動－警察庁
－時事通信社　2008年10月1日　16時00分

9月21日から30日まで展開された「秋の全国交通安全運動」期間中、全国で131人が交通事故で亡くなったという記事です。
警察庁の資料によると、同運動期間中の交通事故死者数は最近の10年間をみると、2001(平成13)年の260人をピークに年々減少傾向をたどっており、昨年2007(平成19)年は163人。つまりこれまでで最小だった昨年よりも更に32人減少して、過去最小の記録を更新したということです。

運動期間中に限らず交通事故死者数全体が減少傾向にあることは「2006年12月11日付のブログ」でも記したのですが、一方で社会的な問題としては「高齢者が被害者のみならず加害者となる事故の増加」といったこともクローズアップされてきています。

もちろん交通安全については年齢や性別、運転歴を問わず、ステアリングを握る全てのドライバー、そして歩行者や自転車など交通社会に関わる全ての人が高い安全への意識を持つことが必要とされます。

しかし「秋の全国交通安全運動」が終わったと思ったら、情けない話題が報道されました。

●インパルス堤下：“速度狂”で捕まっちゃた…
－毎日jp (毎日新聞社)　2008年10月1日

●宝田明さん：首都高で６４キロ速度超過、交通切符
－毎日jp (毎日新聞社)　2008年10月1日

31歳のお笑い芸人と、74歳の大ベテラン俳優が、ともに速度違反で摘発されたという話題。
テレビなどへの出演を通じた社会的な立場もある方々だけに、今回の件は猛省を望むところです。

こうした交通安全意識は、先程も記したように誰もが持つべきところですが、特に"自動車に関わるプロフェッショナル"であればなおさらです。
タクシーやバス、トラックといった車を運転することそのものが仕事のプロドライバー諸氏。
自動車メーカーやディーラーなどに勤めている皆さんも、一般ユーザーに対しての"プロ"として模範的な運転が求められるでしょう。

そしてモータースポーツ業界に携わる人も例外ではありません。
良く速度違反を「道路はサーキットじゃない！」とか「公道でサーキットのように暴走する若者たち」などという表現がありますが、そのサーキットをはじめとしたモータースポーツの世界にいる人こそ、一般社会からの誤解を受けないように高い安全運転意識が必要です。

それこそ一昔前は「サーキットやレース＝暴走族」と思われていたこともあり、まだまだそうした考え方は社会に根付いています。
こうした誤解を解くためにも、モータースポーツの世界にいる人間が率先して安全運転を履行しなければなりません。

特に競技ドライバーであればなおさらです。
競技に参加しているドライバーが一般公道で暴走行為を行うことは、社会的に見て「やはりレース(モータースポーツ)＝暴走族」としか映りません。

競技ライセンス所持者であれば周知の事実ですが、JAF公認モータースポーツ競技会に出場するには、JAFが発給する競技運転者ライセンスと当日有効な運転免許証を有していることが必須。
この当たり前のことを考えれば、自ら競技に出る人が暴走行為を行う＝運転免許証を失う可能性のある行動をとるということは、自分自身の首を締めているにほかなりません。

さらに個人で趣味的にモータースポーツを全て自腹でやっているというのならいざしらず、何かしらのスポンサード(資金・物品・サービスなど、その大小に関わらず)を受けていたり、チームの一員として携わっている立場の場合、交通事故や違反を犯すことが周囲にどれほどの迷惑をかけることになるかは容易に想像できるはずです。

それすら分からずに暴走行為を行うような人は、絶対にモータースポーツをやるべきではありません。