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2008年12月18日

マーケティング

マーケティング 年の瀬を迎え、聞こえてくるニュースは自動車産業界に関する暗い話題ばかり。
日本のメーカーは相次ぐ減産の発表、それに伴う派遣契約の解除。もっとも派遣労働者というのは"調整弁"的な位置づけなのですから、急速な業績悪化に伴って派遣契約を解除することに、メーカーには大きな罪はないと個人的には思っています。

モータースポーツ界ではF1やWRCからの相次ぐ日本メーカーの撤退。業績が悪化し先の見通しも不透明な今日、経営判断としては間違っていないと思います。
ただし、株主の顔色を伺っての急場凌ぎに過ぎない撤退だったとしたら、将来的にブランドイメージや技術面で何らかのしっぺ返しを食らうメーカーも出てくるかもしれません。

北米からは"ビッグスリー"の救済策について。万一どこか一社でも倒産となればアメリカ経済に与える打撃は小さくないでしょう。
しかし個人的には80年代後半あたりからここ20年、ビッグスリー各社が何をしてきたのかを振り返れば今の苦境も当たり前のような気がします。彼らは欧州勢や日本勢などと提携を推し進めこそしましたが、本体は技術革新をなし遂げたわけでも無く。アメリカが好景気に浮かれる中で、旧態然とした大排気量のSUVを生産し続けてきたのですから。

こうした状況は各社の"マーケティング能力"を試すことになっているという感じもします。
自動車はあくまでも耐久消費財であり、輸送機器商品です。極一部の趣味性が強いメーカーを除いては、高いマーケティング能力が求められる世界です。

しかし近年、日本の自動車メーカーは特にセダンボディの車種についてマーケティングの主眼を日本市場に置いていないとしか思えない状況にあります。

ゆえに日本市場が急速に縮小して、車が売れない、若者が車離れを起こしていると騒ぎだしたのがここ最近の話し、という感じでしょうか。

日本軽視の最たるものとして、自動車のサイズがあります。
今や全幅1,700mmを超える3ナンバー車は当たり前、かえって都市部では5ナンバーの自家用車を見かける機会の方が少ないように思えるほどです。
同じ銘柄でもモデルチェンジの度に繰り返される肥大化。メーカーは「側突安全性の向上」「居住性の向上」「デザインの進化」などを声高に叫んでいますが、軽自動車などはモデルチェンジを繰り返しても規定寸法内で安全基準をクリアしています。
居住性にしても、果たして10年、20年で日本人の体格はそんなに大柄になったのでしょうか?

道路や駐車場といったインフラは変わらないのに、車だけがどんどん大きくなっていく。今や日本車でも全幅1,800mm以上というものは決して珍しくありません。
これが特定ユーザー層向けの上級車種だけならまだしも、ごく一般的なブランドネームを名乗る車までもが、一昔前の上級車種以上のサイズを有するに至っています。

しかしユーザーもメーカーの言いなりではありません。使いにくいものは買いませんし、見栄を張るために買い換えるような愚行もしないのです。

去る10月、BMW3シリーズがマイナーチェンジを受けました。
この変更で最大のトピックは、それまで1815mmだった全幅が1800mmに狭められたことです。これはドアハンドルに日本仕様専用のものを装着したことによるもので、M3を除く右ハンドル車で対応しているとのこと。
更に既存ユーザー向けにアクセサリーキットも販売されるそうですが、こちらについては車検証上の全幅が変更になるかと思いますが記載事項変更という手続きも装着時に含まれるのか気になるところ。

いずれにしても現行3シリーズデビュー当初から言われていた過剰に広い車幅は、遂に日本のユーザーの反発をドイツ本社も受け止めざるを得なかったという結果になったようです。

今回の件、BMWの日本法人は良くやったと思います。日本ユーザーの声をきちんと本国に届け、改良を承諾させたのですから。
しかし、そもそもユーザーを軽視したサイズを設定したことに起因する問題、次期3シリーズがどのようなスペックの持ち主になるのか今から注目していきたい存在です。

さて話は戻って日本メーカーの面々。
モデルチェンジ毎の寸法と排気量、そして最高出力の拡大。もう「大きさ」「速さ」「見栄えの偉さ」を自動車で競う時代は終わったと思います。
真の使いやすさを今一度しっかり見つめなおしたセダン、その登場を期待して止みません。
 
●関連エントリ : 「コンパクトカー」 2007年1月19日付
 
ブログ一覧 | 自動車全般 | 日記
Posted at 2008/12/19 01:16:20

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この記事へのコメント

2008年12月19日 16:50
NorthStarさん、こんばんわ。
僕も派遣の方には、あまり同情できません。

なぜなら僕も含めて零細企業では
社員を雇っている人たちは、
自分の給料も取らず、財産も崩し、
おまけに社員以上に働き、
経営責任まで取らされる状況…

もし文句があるなら、
自分で会社を設立して事業を
始めればいいと思います。

それとBMWの3シリーズは
よくまとめたなぁと思います。

というよりも最近のBMWジャパンの人は
色々と頑張っているなぁと関心させられます。

他の自動車メーカーや出版社の人たちも
熱いパッションを持って欲しいと
僕は切に思う、この頃ですよ。
コメントへの返答
2008年12月21日 3:48
ノッシーさん、こんばんは。

私も自営の身ですが、昨今ニュースで見る派遣労働者からは、一部の例に過ぎないのかもしれませんが「甘え」のようなものを感じてしまいます。

派遣労働をするに至った経緯は人それぞれでしょうから一概には語れませんが、元々会社勤めをしていたのに自主退職して派遣労働に身を置いた方々は、派遣社員がどういう立場なのかを理解した上で仕事にあたっていたのではないでしょうか?

自営で経営が成り立たなくなっても、住むところの面倒なんか誰も見てくれないというのに・・・。

BMWについては今回のスキンチェンジはBMWジャパンさんの功績が大きいと思います。
しかしあからさまに日本市場では大きすぎた全幅寸法、ゆえにユーザーの声をインポーターが反映させてのチェンジなのでしょうが・・・。

自動車雑誌ときたらデビュー当時は「特に問題になるサイズではない」「引き換えに得られるハンドリング性能の価値が勝る」などと称賛していたのですからね。

全く、消費者目線を忘れた媒体というのは困ったものです。
2008年12月21日 11:41
>真の使いやすさを今一度しっかり見つめなおした

セダンではありませんが、ホンダの新型ライフは華飾をすてて軽自動車本来の良さに回帰した感がありますね。以前三菱の発売した初代のEKを彷彿とさせます。

ただ、D社やS社と同じ土俵で戦えるほどの先進的な技術を投入する余裕がなかったからなのかもしれませんが…。
そうだとしても、結果良いものができれば消費者としてはなんら困りませんがねー。

そういえば先代のライフはこのご時世にABSレスにして価格を落とし、特別車を設定してましたが…せっかくコンセプトが良さそうなので今回はそんな事にはならない様にお願いしたいもんですね。
コメントへの返答
2008年12月23日 18:50
軽自動車もワゴンRのようなハイト系が円熟の域に入ったことから、今度はスペースユーティリティ系へのチャレンジが始まりましたね。

私的にはホンダのライフは特段に強い魅力を感じる存在でも無いという印象です。バックモニターの装備を強くアピールされても・・・、というか。

ファーストカーとして充分に通用するクオリティになった軽自動車ですが、逆にロープライスモデルも望まれているかもしれません。
それもセダンタイプではなく、今や軽自動車のスタンダードとなったハイトゴンで。

往年の「アルト47万円」ではないですが、そこそこの装備で「ワゴンR 67万円」なんてやると人気を博するかもしれません。
別に生産設備の減価償却がすんだ先代や先々代モデルでも構わないので・・・。

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各種取材やウェブサイトを中心とした制作業務を行なっています。 主なテリトリーは自動車/モータースポーツ、飛行機などの交通関係。 自動車は乗用車からトラッ...
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