由緒ある記念病院

【2008年12月27日　10時20分／福井県小浜市大手町】

小浜市内を走っていて、ふと目に入ってきたのが大きな二つの建物。
カーナビゲーションの表示を確認すると、ひとつは小浜市役所。そしてもうひとつは"公立病院"とされています。

「あ～、なるほどね」。
というのが素直な感想。地方都市では役場と病院が比較的大きな建物ゆえに目立つというのは、決して珍しいことではありません。

そして"市立病院"の前を通りすぎるときに建物をふと見ると、その病院名にちょっと驚かされました。

「杉田玄白記念 公立小浜病院」。

日本史の授業で必ず習う先人の一人が杉田玄白。
ご存じ江戸の蘭学者で、人体解剖を行なったことで知られています。解剖の結果、オランダなどから伝わっていた蘭学書に記されていた解剖図の精密さと正しさを知るに至り、「ターヘル・アナトミア」というドイツ人医師の解剖学書のオランダ語版を日本語訳することに取り組み、1774年に「解体新書」を完成させて日本の医学に大きな功績を残した人物です。

この杉田玄白は東京(江戸)の小浜藩下屋敷で生まれ、幼少の頃に小浜へと移り住んでいます。そして小浜藩の藩医を経て、江戸で開業しました。

こうした由縁から、小浜市の公立病院は"杉田玄白記念"という名称を冠しているようです。
"○×記念病院"というのは全国各地にありますが、ここまで誰にでも分かる由緒正しい記念病院は珍しいような気がします。
　
　
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