風化させてはいけないこと

【2008年12月29日　11時20分／長崎県南島原市深江町丁】

南島原の中心街に入る手前で、「道の駅 みずなし本陣」に立ち寄り。
単なる休憩ではなく、ここは当初から訪れる予定にしていたスポットのひとつです。

この場所から正面に望めるのが"雲仙普賢岳"。
1990年代前半に活動が活発化、1991年6月3日に発生した火砕流では43名もの死者行方不明者を出す惨事となりました。

この火山活動によって新たに誕生した"平成新山"は標高1482m、褐色の山肌にはほとんど植物が生えておらず火山活動の猛威を見せつけています。

「道の駅 みずなし本陣」は国内最大規模の道の駅で、敷地内には飲食施設や温泉などが多数存在しています。

そんな中にあるのが「大火砕流体験館」と「被災家屋保存公園」。
今回は公園の方を見学しましたが、平屋の家屋は辛うじて屋根だけを見せるところまで土石流にのみこまれてしまっています。

一連の災害による被害総額は2,299億円、被災した建物は2,511棟と発表されています。
こうした大災害があったために、現在この地域は国道を走っている限り道幅も広く整備されており、家々も新しいたたずまいのものばかり。

何も知らずに通ると「綺麗な街並み」という感想に終わってしまいそうです。
しかしこの地で起きた災害のこと、そして自然災害は決して他人事ではないということを忘れないためにも、こうした施設によって災害の事実が風化しないことを願います。


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