トヨタ・オリジン

今日もまた(？)新たなミニチュアカーコレクションが届けられました。
その品とは株式会社ブンカがリリースした43分の1スケールのレジンモデル。
2000年秋にデビューした「トヨタ・オリジン」です。

トヨタ自動車の生産累計1億台達成を記念して、1000台限定で生産・販売されたのが「オリジン」。
「プログレ」をベースにして全く異なるハンドメイドに近いオリジナルボディを架装した特別限定車でした。

エクステリアのモチーフとなったのはトヨタ自動車の礎を築き上げた1955年デビューの初代クラウン。
アメリカンデザインの影響を受けつつも、日本的な繊細さで仕上げられた初代クラウンのデザインテイストを巧みに再現していました。

また製造にあたっては同社の最高級車「センチュリー」の生産技術も応用され、継ぎ目のないエクステリアの実現や、最高品質の塗装を施された艶のあるボディが魅力的でした。

しかし一方で残念だったのは、インテリアについてはベースとなった「プログレ」そのままに近い状態だったこと。
エクステリアに注力したがゆえに皺寄せがインテリアに押しつけられたのか、オーナーとして乗り込むたびに感じられるはずの"所有することの満足感"は、相当にスポイルされてしまったような気がします。

この「オリジン」、新車当時のメーカー希望小売価格は700万円という超高価格車。しかし、ほぼ手作業で仕上げられるエクステリアなどを見れば、この価格も納得です。
だからこそ"特別な車"なのですから、あと100万円高価になってもインテリアにも高いオリジナリティを与えてほしかったと言うのは個人的な感想。

ちなみにエンジンやトランスミッションは「プログレ」と共通。直列4気筒と4速オートマチックというコンビネーションですが、実は「ブレビス」や「アルテッツァ」との血縁関係も濃い間柄です。
ということは･･･、「アルテッツァ」向けにリリースされているアフターパーツの流用も効くであろうという存在の「オリジン」。過去にはローダウンされた個体も見たことがありますが、それはそれでなかなか渋く決まっていました。

個人的にはちょっと気になる存在ですが、その高い稀少性と新車価格の高額さから、中古車市場でもタマ数は少なく、かつ高価。
中古車情報サイトを調べても、全国にあるタマは一桁という台数に留まっています。しかも価格は最低ラインで300万円、中には500万円、600万円以上という強気の値付けをしている個体も存在しています。

こうなると、さすがにチョット手は出せません･･･。
ということで、ミニチュアカーコレクションに加えるところまでで止めておくことにします･･･。

それにしてもトヨタ自動車は、時折このような面白い記念限定車をリリースしてきました。
「コロナ・スーパールーミー」「ソアラ・エアロキャビン」「トヨタ・クラシック」などなど。
体力のある企業ならではの限定車群、そろそろ何かまた興味を惹くような一台の登場に期待したいですね。


MiniCar｜BUNKA トヨタオリジン