
昨夜チェックインしたのは「
ホテルアルファーワン上越」。
JR直江津駅の南口から徒歩10分ほどの幹線道路沿いという立地条件、83台収容の平面駐車場は宿泊者の利用は無料です。
全国チェーンのビジネスホテルゆえに真新しさはありませんが、施設やサービスは充分な内容。もちろんブロードバンド回線も全室に完備、マッサージチェアを備えた広めの"リラクゼーションシングルルーム"などは旅の疲れを癒すのにも最適です。
二日目も朝から生憎の雨模様。
午前9時前にチェックアウト、まず最初の目的地へと車を走らせます。
■テレビでも人気の"ジョー君"にご対面!

ホテルから車で5分ほど、日本海方向に走ったところにあるのが「
上越市立水族博物館」。
元々は民間の水族館だったものが1954年に市立に移管され、1980年には現在の場所に移転している市民に親しまれている施設です。
正直なところ、外観などは"昭和の香り"が漂っています。一時は建て替えなども検討されたようですが全国的に地方財政が厳しい昨今、
上越市も例外ではなかったようで計画は凍結された状態にあるとのこと。
水族館エリアでは、夏期限定でイルカショーが行なわれるというので、まずはこれを見学。
「
伊豆・三津シーパラダイス」からやってきた2頭のバンドウイルカ、"スダチ"と"カボス"が満員の観客を前にして"カップルボールジャンプ"などの妙技を披露してくれました。
その後、いよいよこの水族館で人気ナンバーワンの"アイドル"にご対面。
ゴマフアザラシの"ジョー"君です。
1980年といいますから、現在地移転とほぼ時を同じくして北海道からこの地にやって来たジョー君。まさに「
上越市立水族博物館」。のヌシ、といったところでしょうか。
このジョー君は、"立つアザラシ"として人気で、テレビでも紹介されたことから一躍人気に火がつきました。
高齢ゆえに安楽な姿勢に行き着いた結果が、プールの中での直立不動ということらしいのですが・・・。確かにこの日もしっかりと"立って"いました。
この他、飼育数日本一というマゼランペンギンなどの姿は、眺めているだけで癒されます。
さらに館内には実に多くの魚などが展示された水槽がいくつもあり、家族連れでもカップルでも楽しめるお薦めのスポットです。
■東西ニッポンの境目を越えて

海の人気者との対面を果たした後は、北陸自動車道を富山方面へと進みます。
糸魚川インターチェンジの近く、311.5kmポスト付近で視界に入ってくるのが写真の看板。「糸魚川静岡構造線 フォッサマグナ」と大きく記されています。
学生時代に地学などでその名を聞くことになる"フォッサマグナ"。
本州の真ん中を縦断している地溝帯のひとつで、その西端が糸魚川静岡構造線となります。
日本海側は景勝地としても知られる"親不知"から諏訪湖を通り、太平洋側の安倍川に抜ける糸魚川静岡構造線。ここ
糸魚川市には残念ながら今回は立ち寄りませんでしたが「
フォッサマグナミュージアム」があり、その詳細を知ることが出来ます。また、この地は世界にも珍しい"翡翠(ヒスイ)"の産地としても知られています。
ちなみに景勝地・親不知は海岸にそびえ立つ断崖が連なっているところで、西側が親不知、東側は子不知という名称の地域になっています。
特徴的なこの地名、その由来については諸説あるようですが、「余りに険しい道のりゆえに親は子を、子は親を省みる余裕もない」というのが主に語られている説のようです。
その昔は断崖の下、波打ち際を歩くしか道が無く、容赦なく打ち寄せる日本海の荒波が旅人の行く手を阻んだそうです。
その後、難工事の末に国道8号が開通。さらに現在では北陸自動車道で快適な移動が実現していますが、親不知の付近では高速道路が海上に迫り出した橋梁区間となっていることから、自然の厳しさは現代においても何ら変わりのないことを象徴しているようです。
ここを越えると地質学的にも西日本。さらに車は西へと進んでいきます。
【フォッサマグナミュージアム】 新潟県糸魚川市一ノ宮1313 電話番号 025-553-1880 開館時間 9:00 ~ 17:00 (最終入場 16:30) 入館料金 大人 500円、小中高生 300円 休 館 日 月曜、祝日の翌日 (月曜が祝日の場合は開館) 入館料金 大人 500円、小中高生 300円 駐車場 無料駐車場完備 Website http://www.city.itoigawa.niigata.jp/fmm/ |
■また食べに来たくなる絶品ラーメンに出会う!

車は
富山県に入り、
魚津市へとやって来ました。
時計を見ると既に正午をすぎており、お腹も減ってくる頃合い。
そこで何か昼食を・・・、とリサーチしてみましたが、昨日はコメを堪能したことから今の気分はラーメン。
富山では"富山ブラック"という呼ばれ方もしている濃口醤油を煮詰めた黒いスープのラーメンが話題のようですが、今回はこれとは異なる"鰹だし"が効いた絶品のラーメンにめぐり会いました。
「むてっぽう 魚津店」は、国道を一本海側に入った道沿いを進み、路地を少し入ったところにあるラーメン屋さん。新潟方向から来ると見つけにくい場所にあるかもしれませんが、ホームセンターがひとつの目印になります。
この場所には元々ラーメン屋さんがあったようですが、その店が閉店。2007年12月に新たにオープンしたのが、この「むてっぽう 魚津店」ということのようです。
こぢんまりとした店は明るく清潔。ボックス席2つの他は、15人くらいが座れるコの字型のカウンターというレイアウトです。
店に入ると威勢のよい店員さんがお出迎え。入り口近くの券売機で先に食券を購入するスタイルですが、何にしようか迷っていると店員さんがやってきて、メニューの説明やお薦めの紹介をしてくれる親切さ。
注文したのはお薦めという"醤油チャーシュー麺"。更にこれもお薦めという"麦飯"を追加、おまけで味付けたまごもトッピング。
店内には「当店のスープはかなり味が濃いので、薄めが好きな人は遠慮なく申し出て」と表示されていますが、出てきたラーメンのスープは確かに濃厚な味。しかし、単に塩辛いとかではなく、鰹やトビウオ、鯛といった魚介の旨味が凝縮された味で、単なる醤油ラーメンとは一味も二味も違います。
麺はコシのある太麺。チャーシューは箸で持ち上げるのが難しいほどのトロトロさ。
そしてハイライト(?)は、麺を食べ終わってスープとチャーシューの欠片が残る丼に、麦飯を入れて"おじや風"にしていただくこと。これが濃いめのスープと良く合い、とても食が進む一品です。
濃いめのスープには賛否両論があるようですが、元々が北海道という濃い目の味付けを好む地で生まれ育った私にとってはクセになる美味しさ。ただし、こんな私でも一口目には「味が濃いな~」と思ったくらいですから、好みははっきり別れるお店と言えるでしょう。
私にとっては長崎は生月島で出会った"あごだしラーメン"に匹敵するラーメンの逸品。ぜひとも、また食べに訪れたいと思われるお店なのでした。
■2,000年の奇跡

食後は市内にある特別天然記念物を見学していくことに。
向かった先は「
魚津埋没林博物館」です。
"ねっこランド"というユニークな愛称もつけられている博物館には、1930年の魚津港改修工事の折に海底から発見された"埋没林"が展示されています。
杉を中心に樹齢数百年と予想される大きな樹根だけでも200株以上が海水面よりも低い高さで発見されました。
埋没林そのものは世界各地で発見されているそうですが、ここ魚津のものは規模的にもかなり大きい部類になるようです。これだけの規模で長い時間を腐敗せずに過ごしていたのは、地形などによる偶然の産物なのでしょうが、展示の中には実際の埋没林に触ることが出来るものもありますので、悠久の昔に思いを馳せてみるのも良いのではないでしょうか。
また、この博物館では蜃気楼に関する展示もされています。
魚津市は蜃気楼が見える街として有名ですが、館内で定期的に上演されているDVDを見てみました。
蜃気楼には4月から5月にかけての"春の蜃気楼"と、11月から3月にかけての"冬の蜃気楼"があるそうで、両者では見え方が異なるそうです。
残念ながら夏の時期には姿を見せない蜃気楼、一度はこの目で見てみたいものです。
【魚津埋没林博物館】 富山県魚津市釈迦堂814 電話番号 0765-22-1049 開館時間 9:00 ~ 17:00 (入館受付は 16:30まで) 入館料金 大人(高校生以上) 510円、小中学生 250円 休館日 3月下旬~11月は無休、それ以外の期間は月曜日と祝日の翌日、年末年始が休館。 駐車場 無料駐車場 乗用車100台分完備 Website http://www.city.uozu.toyama.jp/nekkolnd/ |
■富山を語る上で外せないポイント

車は県庁所在地である
富山市に到着しました。
富山といえば名物や特産品、観光スポットが数多くありますが、全国どこにお住まいの方でも真っ先に思い浮かぶのが"富山の薬売り"ではないでしょうか。
富山県薬業連合会のウェブサイトには立山信仰に起源を見いだせるという製薬は、江戸時代になって大名諸公の間でその効き目が話題となって全国に広まっていきます。
その後、売薬は越中富山を代表する産業となりますが、商品を顧客の元に預けておいて、後に使った分だけを精算するという"先用後利"の考えに基づいた置き薬とい手法が全国で重宝されるようになります。
こうした薬売りの歴史に触れられるのが「
売薬資料館」。なお、この資料館は「
富山市民俗民芸村」の一角にあり、「
売薬資料館」の他にもいくつかの資料館が集まっていますので、これらを巡ることで越中富山の歴史民俗文化を知ることが出来ます。
「
売薬資料館」の中には、全国を歩いた薬売り達が持ち歩いていた七つ道具や、懐かしい薬の包み紙、紙風船などの販促品などが展示されています。
当然のことですがパソコンや通信手段も無い時代に、膨大な顧客を台帳でこまめに管理していた様子を伺えますし、薬売りたちがしっかりと組織化されていたことも知ることが出来ます。
ところで個人的には薬売りというと、時代劇における"忍者の仮の姿"という印象も強いもの。
時代劇の"王道"とも言える「
水戸黄門」に以前設定されていたキャラクター、"柘植の飛猿"は伊賀流の忍者ですが、普段は薬売りの格好をしていました。
日本中どこにいてもおかしくない存在であったことなどによるものかと思いますが、忍者でなくとも全国に散っていた富山の薬売りの存在を思えば、越中富山には全国各地の最新情報が集積されていたのではないかと想像できます。
■夕暮れに佇む海の貴婦人と、日本海の潮風を感じて

そろそろ時刻も日暮れ時。夏の長い太陽も、徐々に沈もうとしています。
富山は暑さの厳しい地域でもありますが、ようやく外は涼しい風も吹く時刻になったことから、夕涼みを兼ねて"貴婦人"と久しぶりの対面をすることに。
富山市のお隣に位置する
射水市にある、「
海王丸パーク」を訪れてみました。
私にとって、この地にやってくるのは一昨年の夏に続いて2回目。
1930年に進水、1984年まで航海練習船として多くの船乗りたちを輩出していたのが「海王丸(初代)」。その美しさから"海の貴婦人"と称されるこの船は、現役を引退した後はこの場所で静かに余生を過ごしています。
もちろん船内は公開されており、見学も可能。また年に数回は29枚ある帆を全てひろげる"総帆展帆(そうはんてんぱん)"が行なわれ、帆船ならではの美しい様を間近にすることも可能です。
「
海王丸パーク」はこのように観光スポットという要素も強い場所ですが、実際に訪れてみると地元の皆さんに愛されている"憩いの場"という雰囲気が色濃く感じられます。
散歩やジョギング、ベンチに座って海を眺めながら語らう人々など、特に夕暮れのこの場所は穏やかな空気に包まれているという印象。
一日の締めくくりとして訪れた地を回想したり、これから訪れる地に思いを巡らせてみるのも、良いのではないでしょうか。
【海王丸パーク】 富山県射水市海王町8 電話番号 0766-82-5181 海王丸公開時間 9:30 ~ 17:00 (受付は 16:30まで、季節変動あり) 入館料金 大人(高校生以上) 400円、小中学生 20円 定休日 毎週月曜日、年末年始(月曜が祝祭日や休日の場合は公開、翌日に定休日を振替) 駐車場 無料駐車場 完備 Website http://www.kaiwomaru.jp/ |
夕涼みを楽しんだ後は、富山市内の「
ダイワロイネットホテル富山」にチェックイン。
繁華街の荒町に位置しており、路面電車の駅も近いことから富山駅周辺へのアクセスも良好なロケーション。
近くには地元の名物を供する飲食店も多いですが、利便性という面では1階に24時間営業のファミリーレストランがあること、道をはさんだ向かい側にはコンビニエンスストアもあることから、出張などでも便利に使えるホテルです。
●ルートマップ|ホテルアルファーワン上越 → 上越市立水族博物館 → フォッサマグナミュージアム → むてっぽう魚津店 → 魚津埋没林博物館 → 売薬資料館 → 海王丸パーク