
個人的な趣味と仕事との兼ね合いで、何かと"警察車両"の話題を採り上げることも多いこのブログですが、今日はちょっと面白い小ネタを。
ドラマなどでもお馴染みの「刑事さん」が使っている捜査用覆面パトロールカーについての情報です。
こうした車について、皆さんはどのようなイメージをお持ちでしょうか?
屋根にマグネット式の赤色警光灯を載せて、サイレンを鳴らしながら走る姿を思い浮かべるかと思いますが、頭の中にはどんな車種を想像されましたか?
やはり定番的なイメージとしては4ドアのセダンになるかと思います。
実際にもエンジン排気量でいえば2,000cc級のセダン型は全国的に大量配備されており、「トヨタプレミオ/アリオン」「日産スカイライン/ティアナ」「スバルレガシィB4」といったあたりは機動捜査隊や所轄署の捜査部門で活躍しています。
また最近は「トヨタノア/ヴォクシー」「日産エルグランド/セレナ」「ホンダステップワゴン」といったミニバン型や、「マツダアテンザ」「スバルレガシィ」などのステーションワゴン型も見かける機会が多くなりました。こうした車種は被疑者の護送や人員・物資の輸送などで高い使い勝手が支持されているようです。
さらに大きなクラスでは「トヨタクラウン」「日産ティアナ」などの車種も存在していますが、これらは配備先が限定されているので比較的少数派であることが多いのが実情です。
そんな感じの"捜査用覆面パトロールカー"の世界ですが、来年度にはこれまでの常識を覆すような車種が登場することになりそうです。
警察車両は国家財産になるため、入札を経て調達されています。
事前に告知され、細かい仕様が提示された上で各自動車メーカーや、都道府県予算で調達される場合は地域の販売店が入札に参加します。
一般入札の場合は提示された条件を満たす車種を各メーカー(販売店)が幾らで応札するかにかかっており、簡単に言えば最も安い価格をつけたところが落札となります。
そして国家財産ですからその透明化を図るため、入札募集の情報に加えて、入札結果の情報も公告として国民に公開されています。
その公告を見てみると・・・。
去る7月22日に契約された中に「私服用ハッチバック型無線車 (1,300cc級)」というものがあります。私服用無線車とはいわゆる"捜査用覆面パトロールカー"のことで、ボディタイプとしては珍しくハッチバックが指定されています。
しかも注目なのが排気量。これまでのものよりも小さい1,300cc級とされているのです。
そして落札したのは
本田技研工業。落札内容は無線機付仕様が417台で総額663,310,672円、無線機無仕様は582台で794,485,440円。これらには他の落札物件も多少含まれているようですが、割り算をすれば1台あたりのだいたいの単価を推察できます。
どうやら車種は"あの人気モデル"になりそうですが・・・。
確かに一般ユーザーはもちろん、レンタカーや営業車としても街中で頻繁に見かける車ですから、秘匿性の面ではとても高いものがありそうです。ただ、無線アンテナにカーテレビアンテナを模したTA型を装着するのかは気になりますが、もし装着すると秘匿性は若干下がってしまいますね。
それにしても何故にこのようなコンパクトモデルが指定されたのでしょうか。
勝手な推測ですが、やはり余りにも大柄になってしまった2,000cc級のセダンは使い勝手の面でデメリットが目立ちはじめたのかもしれません。例えばミニバイクや軽自動車で逃走する被疑者を追跡するような場合でも、狭い住宅街などでは機動力の面で劣ってしまいます。
その点では従来からの2,000cc級セダンとコンパクトハッチバックを連携させるという追跡方法もこれからは生まれてくるかもしれません。
また自動車の進化はコンパクトカーでも高い耐久性を有するに至ったことから、警察車両の中でも過酷な使われ方をする可能性の高い捜査車両の役務にも充分に堪えうるという判断もあったのかもしれません。
そして個人的には最も大きな理由になるのではないかと思ったのが、セダン市場の低迷が続いていること。今や一般ユーザーの多くがファミリーカーとして積極的に選ぶ時代ではないため、街中で特に排気量2,000cc級以下の4ドアセダンを見る機会は減少しています。
そのため、捜査用覆面パトロールカーとして採用されている車種の多くは、一般ユーザー市場では「不人気車」に相当するものが多く、車種そのものが秘匿性の面で問題を抱えてしまっているという状況になっています。
最終的な納入車種については半年もすればわかることですが、赤色警光灯とフラットビームを点滅させながらサイレン音とともに緊急走行してくる"○ィ○ト"・・・。
なんとも迫力には欠けてしまいそうですね・・・。
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Posted at
2009/10/28 01:22:44