
今回のタイトルを見て、平尾昌晃さん&畑中葉子さんを思い浮かべたアナタ! 年齢がバレてしまいますね~。
あちらは「カナダからの手紙」でしたが、今週に入って私のところには連日、ズリンからの手紙が届いています。もっとも国際郵便で運ばれてくる"紙"ではなく、インターネットを通じてやってくる"メール"がその正体ではありますが。
ズリン(ズリーン)とはどこなのか?
この街の名前を聞いたことがあるという方は少ないかと思いますが、チェコ共和国の東部にある町です。ここで週末、国際ラリーシリーズである「
IRC(インターコンチネンタル・ラリーチャレンジ)」の第9戦として「
バルム・チェコ・ラリー・ズリン」が開催され、この東ヨーロッパでの一戦に日本から
奴田原文雄選手が遠征しています。
ということで、関係者の方から現地の様子や最新情報が、写真とともにメールで送られてくるのです。
日本とチェコの時差は、現在はチェコがサマータイム期間中ゆえにマイナス7時間。メールが来るのは14時から16時くらい、現地は朝7時から9時といったところですから、ホテルで朝食の前後にとか、サービスパークについて一息ついてから送信していただいたのではないかと想像しています。
やはり国際シリーズということですし、ヨーロッパが舞台のラリーゆえに、日本とは全く異なることが多いようです。
なによりもビックリさせられたのは、金曜日のDAY1-1で行われた最初のスペシャルステージであるSS1・BARUM(ZLIN)。金曜夕方すぎにセレモニアルスタートをズリン市内で行い、少し間を置いてから行われるのがSS1。アイテナリーを見ると1号車のスタートは21時すぎのナイトステージ、距離は9.36kmのSSS(スーパースペシャルステージ)とありましたが、ちょっと気になったのが距離数の後ろに記されていた「3laps」という表記。
なるほど、SSSということですし、「Rally Hokkaido」のOBIHIROステージみたいな感じで特設クローズドコースが並列で用意されていて、そこを3周しましょうってことか、と勝手に思って見ましたが。しかしよくよく考えたら、3周で9.36kmということは、1周が3.12km。特設クローズドコースにしては長すぎる。なにしろ筑波サーキットより長く、ツインリンクもてぎの東コースなどに近い距離なのですから。
地図サイトで調べても、ズリーンにサーキットのようなクローズドコースは見当たらず。
果たしてどんなステージなのかと思っていたら、現地から情報が入りました。
簡単に言うと、ズリーン市街地の一般行動を封鎖して設けたコースだったのです。
市街地コースというとマカオグランプリなどが有名ですが、こちらは特にガードレールなどを全周に張りめぐらせることもなく、ごく日常の状態のままで一般車の通行を止めてステージとして使われたそうです。沿道には一般住宅こそ無いものの、企業の建物やレストランなどが軒を並べています。
そのルートには普通のアスファルト路面に加えて、ヨーロッパの古い街らしく石畳もあったそうです!
さらになんとルート上には踏切があったり、バスターミナルの中でフルターンを要求する場所があったりで、テレビゲームも顔負けのストリートコースが用意されていたそうです。その凄さは僅か3kmのルートに対して、コマ図が20コマ以上あるという複雑さからも窺い知ることが出来ます。ちなみに踏切は貨物の引き込み線のようで、さすがに夜間は電車が来ることは無いそうです。
更にもうひとつ凄いのが、スタートは30秒間隔ということ。
ゆえに1周が約3kmのルート上には、最大で5台程度のラリーマシンがいる計算になり、時にはレースのようにラップしたりされたりということもあったそうです。
とにかく日本の常識が全く通用しない感じですが、実は海外のモータースポーツで当たり前のことが日本で通用していないだけのように思えます。
私も少ないながらも海外のモータースポーツ現場を訪れたことがありますし、インターネットを使って海外の情報を集めたり、現地を訪れた方々のお話しをお聞きする機会も多くあります。そうして海外のモータースポーツ事情に触れるたび、日本のモータースポーツに"諦め"のような思いを抱くことも少なくありません。
市街地で一般公道を封鎖してモータースポーツが開催されるなんて、日本ではまだ夢のまた夢というのが現実です。
しかし、特にラリーは街や地域全体が会場となり、"お祭り"の感覚で多くの市民が楽しめる要素を持っています。それこそお祭りで神輿の巡行などが行われる際には道路が封鎖されることもありますが、何故かモータースポーツとなるとそうはいかないのが日本という国です。
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モータースポーツ | 日記
Posted at
2010/08/31 22:39:18