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2011年09月14日

モータースポーツの経済効果

モータースポーツの経済効果 主に3月中旬くらいから11月いっぱいの間、モータースポーツのオンシーズン中は全国各地の様々な競技会に足を運び続けています。モータースポーツを追っかけているメディアはカメラマンやライター、編集者といった立場や役割の違いこそあれ、概ね同じようにシーズン中は全国、人によっては全世界を飛び回っているのではないでしょうか。
そんな中で、私の場合はちょっと珍しいであろうと自分でも思っているのは、関わりのあるカテゴリーが多岐に渡っている点。国内だけで見ても、クラブマンのレベルから全日本選手権までのサーキット・レースにはじまり、全く異なるフィールドであるラリー、さらにはスピード行事に分類されるジムカーナやダートトライアル、さらに以前はドリフトなども取材していましたから、テリトリーの広さはあまりほかに類をみないのではないかと。実際、こうして色々なカテゴリーの現場に行っている中で、どこの現場でも顔を合わせる(=全てのカテゴリーに足を運んでいる)メディア関係者には会ったことがありませんので。

サーキット・レースのオーガナイザー&プロモーターという立場からモータースポーツ業界に入った身としては、最近は特にラリーやスピード行事といった分野でいろいろな発見や思いを巡らせることが増えています。
特に近年はシリーズとして全日本選手権を追っているラリーについては、競技フィールドが全くレースとは異なります。日本では実現性の低いストリート・レースであれば別でしょうが、あくまでもレースはサーキットというクローズされた空間で行われている行事。極端に言えば関心を持っていない人や、報道などで開催を知る機会の無かった人にとっては、場合によっては地元でレースイベントが開催されていたかどうかも分からないことが珍しくないでしょう。
対してラリーは、多くの住民が日常生活を送っている町そのものが競技フィールド。もちろんタイムを競い合うステージは厳密に閉鎖されて安全管理された道ですが、そこまでの移動は一般公道を普通の車と一緒に走っているわけです。つまり街中を走る競技車両を目にする機会も多いでしょうし、自分の家の前が移動区間になっていれば続々と通る競技車両に家に居ながらにして声援を送ることも出来るわけです。

こうして考えるとサーキット・レースよりもラリーの方が地域との密着度は高いかもしれません。これは逆に言えば地域の理解無しには絶対に開催できないことを意味しています。もちろん私自身もサーキットで働いていた経験上、レース開催においても地元の理解は絶対に必要です。レース中の騒音問題などもありますし、なにより普段の生活空間に突如として自治体の人口を超えるほどの関係者や観客などが押し寄せるわけですから、地元の自治体や住民の方々の協力も欠かせないのは言うまでもありません。

モータースポーツ競技会を開催すると、地元には何らかの負担を強いる面も存在していますが、その一方では確実に経済効果も産まれています。目に見える範囲だけでも宿泊施設や飲食・物販施設などの利用にはじまり、レンタカーや交通機関などには"特需"が発生します。
一例を挙げると、例えば40台程度の参加がある大規模な耐久レースの場合。参加者が1チーム平均15人として600人。サプライヤーやスポンサー、報道陣など、いろいろな立場の関係者が少なく見積もって300人。主催者は競技役員からオフィシャルまでを含めておよそ200人程度。これで1,100人となりますが、ここに観客を足すと1万人くらいの規模になることは決して珍しくありません。SUPER GTクラスでしたら観客数が更に増えるので、数万人の規模になるのです。

例えば私がサーキットに勤めていた頃に聞いた話で言えば、市街地と競技会場の間にあるコンビニエンスストアは、早朝から次々とやってくる関係者が大量に買い物をしていくので、商品があっと言う間になくなって驚いたとか。レンタカーは一斉に集中してオーダーが入るので車両の手配が地元だけでは間に合わず、驚くほど広範囲から車両を掻き集めてきて対応したとか。仕出し屋さんは日頃ありえない単位での弁当の発注が連続で入るので、臨時のパートを大量に雇って対応したとか。

やはり経済効果が大きければ、地元としてもより積極的に大会の開催を支援しようという流れになるのは当たり前のこと。こうしたギブ・アンド・テイクの良好な関係をしっかり主催者と地域が築き上げていくことが、本当の意味でのモータースポーツの定着には必須であろうと思います。
ちなみに私の場合、取材の前後で例えば食事をしたり買い物をするような場合でも、なるべく主催者から支給されたクレデンシャル(入場パス)を身につけるようにしています。こうすることで地域の一人でも多くの方々に地元で競技会が開催されていることを知っていただき、モータースポーツ関係者が多く訪れて地域に経済面でも貢献していることを広く認知してもらうことも大切ではないかと思っています。
 
ブログ一覧 | モータースポーツ | 日記
Posted at 2011/09/23 03:37:58

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この記事へのコメント

2011年9月23日 4:54
多くのドライバーや関係者がそれを職業にできる、という文化にまで国内のモータースポーツが成長すれば、全てが変わってくると思っています。
これは自動車を産業として牽引する大きな企業や団体が力添えをしないと達成されませんので、そこにギブアンドテイクの意味を見出して欲しいな~と思っています。

ボクは今までどれだけ意味のないことをやってきたんだろう・・・ということに気が付いてしまった1人です (^_^;
そうならないように、とガンバっているメディアに方には頭の痛い話かもしれませんね。。。
コメントへの返答
2011年10月8日 0:27
そうなんですよね、モータースポーツが現在の日本では産業として確立されるには至っていません。

例えばドライバーにしても、本当の意味での“プロ・ドライバー”が何人存在していることか。

自戒を込めて言えば、メディアにも大きな責任があると思っています。特に近年の“モータースポーツメディアの商業主義”には、目に余るものがありますので。
2011年9月23日 6:46
日本でのモータースポーツ振興は、なかなか難しいですね。
ヨーロッパではモータースポーツ活動って、ボランティア活動と言う感じが強いようですが。
日本ではイベント意識が強すぎて、経済状況によってすぐに辞めたり参加したりすますから。
十勝もそうですが、富士や鈴鹿以外の地方サーキット運営は非常に厳しいようですね。
アメリカみたいにグラスルーツみたいな、気軽に参加出来るモータースポーツもありですね。
コメントへの返答
2011年10月8日 0:29
まずは日本流に“イベント”として定着させる手法でも良いとは思いますが、なかなか地域や地元にモータースポーツを理解してもらえていないのが実情のように思えます。

ル・マンやマカオを実際に訪れて、“お祭り”として当たり前のように市民から受け入れられている様を見て、その格差に愕然としたことは忘れられません。
2011年9月23日 18:01
初めまして。イイネからやってきました。
Northsterさまあが仰るように全日本選手権のようにある程度お客さんを呼べるイベントになると、関係者や観客がその地域で消費する経済効果が大きいことをいつもながらに実感しています。
先日の全日本ジムカーナ九州ラウンドではビジネスホテルの駐車場が競技車両で埋め尽くされ、周辺の飲食店では関係者がまとまって食事をしている。一過性のイベントだけどそれがあるとないとではその地域にて発生する消費に影響が出るわけで、特に地方に行けばいくほどこういったイベントの経済効果は大きいように思いました。

まだまだ日本人の中にはモーターっスポーツと言うカテゴリーが認知されているとは言えない状況ですが、モラルとマナーを守って一般にも受け入れられやすい状況を我々が支えて行かなければと思います。
コメントへの返答
2011年10月8日 0:32
はじめまして。

特に規模の大きな全日本選手権ともなると、レース/ラリー/スピード行事とカテゴリー問わず、地域経済に与える効果というのは決して小さくないと思っています。

しかし一方では参加選手たちに“全日本選手権”の自覚があるのかどうか、疑問を覚えることも少なくありません。

参加型カテゴリーであっても、全日本、つまり国内最高峰に参戦することには、それ相応の責任や義務もついてまわると思います。
ですが競技車両で交通違反をしたり、飲食店で大人数でバカ騒ぎをしてみたり……。

この辺りは参加者同士が仰るようにモラルとマナーを守るように自覚することが必要ですよね。

プロフィール

各種取材やウェブサイトを中心とした制作業務を行なっています。 主なテリトリーは自動車/モータースポーツ、飛行機などの交通関係。 自動車は乗用車からトラッ...
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