
土曜日の
鈴鹿サーキットでは、メインレースの
WTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)とサポートレースの
スーパー耐久が、ともに予選を迎えます。ただし、
WTCCについては予選に先立って30分×2回のフリープラクティスが行われ、ここで世界を戦うトップチームは限られた時間の中で予選と決勝に向けたセットアップの詰めを行ってきます。もちろん見どころとしては、初開催となる
鈴鹿サーキットの東コースに対して、マシンをどこまで合わせてくるのか。事前に聞いた所では、特にシボレーなどの主力チームについては色々なかたちでこのコースに関する様々なデータを入手済であり、日本に乗り込んでくる前の時点で解析は終わっていたと言うことです。
しかし、いくら事前にシミュレーションしたとしても、厄介な要素となってしまうのが空模様。もちろん各チームともにドライとウェット、それぞれのシミュレーションは行っていたでしょうが、この日の
鈴鹿サーキットはそんなチームをあざ笑うかのように厄介な天候となってしまったのです。
そもそも、レースウィークの天気予報そのものが安定せず、コロコロと変わってしまう傾向にありました。そんな中で土曜日は終日雨、特に日中は時間によって激しく降るという予報が出されていました。更に決勝レースが行われる日曜日についても当初は雨の予報、それが徐々に変わってきて、不確定要素の強い状況がこの日も続いていたのです。
果たして朝一番で行われた1回目のフリープラクティス。スタート時点で雨は止んでいましたが、前夜からの雨でコースはウェットコンディション。各車はレインタイヤでコースイン、30分にわたって周回を重ねていきます。
続いてお昼のピットウォーク前に2回目のフリープラクティス。雨はありませんでしたがウェット宣言が出され、コース上はまだ濡れたいわゆる"ダンプ路面"という状態。まずは各車が1回目同様にレインタイヤでコースインしていきますが、徐々にライン上から乾いていきます。慌ただしくピットイン/アウトを繰り返してセットアップを詰めていく各車、折り返しの時間に近づくとスリックタイヤを装着し始める車両もちらほら。最初はFF(前輪駆動)車の場合、フロントにスリックを装着してリアはレインのままという変則的なかたちでコースイン。このタイヤチョイスは日本で初めて
WTCCが開催された2008年に、当時はセアトを駆っていたトム・コロネル選手が決勝で実践して、優勝を飾った時のパターンです。その後、路面コンディションが好転するにつれて、4本全てをスリックタイヤとして各車が走行。
ピットウォーク中には通り雨がありましたが、注目の予選では各車が最初からスリックタイヤでコースイン。
WTCCの予選は2回行われ、全車が出走する1回目でトップ10のタイムをマークした車両が、その後に行われる2回目の予選に進出する権利を獲得できます。そして2回目の予選で上位10台が再びタイムアタック合戦を展開し、総合予選結果としてはトップ10については2回目の結果を反映し、11番手以下は1回目の結果が採用されます。このリザルトはそのまま決勝第1レースのスターティンググリッドに反映されますが、1回目の予選における結果については、トップ10台がリバース配置で決勝第2レースのスターティンググリッドに反映されます。
予選になると、
WTCCらしいアグレッシブな走りを披露する各選手。縁石を目一杯に使い、コースのギリギリを攻めていくスタイルの走りは、まさに
WTCCの醍醐味そのものです。
その中で光る走りを披露したのは、今シーズン日本人として初のレギュラー参戦を果たした谷口行規選手。今や日本人でもっとも
WTCCの経験が豊富で、知り尽くしているドライバーとなった谷口選手は、惜しくも予選2回目への進出こそならなかったものの、あと一歩と迫る総合12番手を獲得。一部では「日本人は予選において苦戦」という報道もありましたが、実際のところは谷口選手にとって今シーズン予選最上位となるポジションであり、ホームコースの鈴鹿で実力をしっかり見せてくれた結果なのです。
なお、総合のトップはシボレーのアラン・メニュ選手、これにチームメイトのイヴァン・ミューラー選手が続くかたちに。ドライバーズタイトル争いを繰り広げているもう一人、シボレーのロバート・ハフ選手は4番手となり、間に割って入ったのはボルボを駆るロバート・ダールグレン選手でした。
予選が終わった後はメディアセンターでお仕事。その後、日が暮れてからサーキット内で行われたウェルカムパーティの模様を取材、パーティ終了後は某選手とお食事をご一緒する流れに。
こうして終わった予選日、ここまで来るとあとは明日の決勝を残すのみ、唯一気になるのはやはり空模様だったのでした。
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モータースポーツ | 日記
Posted at
2011/11/06 01:55:59