
たまたま探し物をしている過程で、とても懐かしい写真が1枚出てきました。今でこそデジタルカメラを複数台持ち、写真撮影も仕事のひとつになっている身ですが、アナログカメラの時代には写真はほとんど撮ったことがありませんでした。一応はインスタントのカメラを持ってはいましたが、撮影した枚数はごくわずか。その僅かな写真の中の1枚が、たまたま何年ぶりかで姿を見せたのです。
折角の機会なので、スキャンしてデジタルデータ化しておきました。
その写真が掲載したものなのですが、被写体となっているのは「
シトロエンBX 19TRi」。
愛車紹介でもご紹介していますが、私にとっては2台目の愛車となったクルマです。
購入したのは1991年、釧路にあったユーノスの店舗から私の元へやって来ました。
バブル景気に日本列島が沸いていた1989年に、マツダが販売5チャンネル化を実行して生まれたのがユーノス。マツダ店、アンフィニ店、ユーノス店、オートザム店、オートラマ店というのが5系統の全貌ですが、その中でユーノス店はちょっと上質なプレミアムテイストを訴求していました。
この系列は開業と同時に誕生した初代・ユーノスロードスターとともに話題を集めます。しかし、大いに注目されたユーノスロードスターでしたが、私が当時住んでいた帯広市にはユーノスの店舗が無く、じっくりと見る機会もなかなかありませんでした。そうこうしているうちに1990年、"Project EUNOS"の6番手としてユーノス・コスモが誕生。市販車世界初の3ローターエンジンを搭載したバリエーションを持つラグジュアリークーペで、この車に興味を持って120kmほど離れた釧路市にあるユーノス店を初めて訪れました。
閑散とした平日の日中に初めて訪問しましたが、一通りをショールームで眺めていると、応対してくれた女性スタッフさん(当時、ユーノスでは"トレーダー"と称していました)が勧めてくださったので、用意されていた試乗車にも乗ってみました。
初回の訪問以降も、地元の帯広にユーノス店舗が出来るまでは時間を要したので、ドライブを兼ねて度々遊びに行っていたのですが、すっかり女性スタッフさんとも意気投合する仲になっていました。
そうこうしているうちに私が最初に購入した愛車であるS13型・日産シルビア(1988年型)の初回車検が近づいてきたのですが、代替を真剣に検討するようになりました。何故なら、人気を博したモデルだったがゆえに街中で見かける機会が多くなってきたことに加え、下品な改造などを施された個体も増えてきたことにありました。その上で人気絶頂期ゆえに手放すときの下取り価格は、オートマチックミッションのモデルだった私の愛車でも予想より遥かに高く、まさに"売り時"だったのです。
代替候補の条件にはクーペやオープンは考えておらず、実は筆頭候補に挙がっていたのは「マツダ・カペラカーゴ」という5ナンバーサイズのステーションワゴンでした。ユーノス店はマツダ系列、釧路のお店も当時のアンフィニ店と同じ敷地内にあったので、マツダ車であれば問題なく購入することが出来たのです。ただ、欲しかったのはプレッシャーウェーブ・スーパーチャージャーというエンジンを搭載したモデル。機械式ではなく圧力波を用いたスーパーチャージャーを組み合わせたディーゼルエンジンは、経済性にも優れているので興味を持っていたのです。
しかし、なにしろプレッシャーウェーブ・スーパーチャージャーそのものが一般的ではない機構ゆえ、是が非でも購入前には試乗してみたいと考えていました。ところが釧路市内のマツダ全店はもちろんのこと、帯広市内をはじめとした十勝管内、さらには札幌方面でも出かけた際にはディーラーに立ち寄ってみたのですが、このエンジンを搭載した試乗可能なクルマは皆無でした。
乗らずに買うつもりは全くなかったので諦めかけていると、釧路のマツダで中古車センターの商品として同エンジンを搭載した4速オートマチックのセダンがあるという情報が、件の女性スタッフさんから寄せられ、それこそ飛んで行きました。
念願叶って試乗してみた結果は……。購入しないという結論に。期待値が高すぎたのかパフォーマンス的にそれほど共感を覚えなかったことと、走行距離の割りにはエンジンのフィーリングがいまひとつで、「プレッシャーウェーブ・スーパーチャージャーはメンテナンスに手間を要する」という事前情報を確認する結果になったのです。
試乗を終えてショールームに戻り、果たして振り出しに戻った代替車選びをどうしたものかと悩んでいたら……。
ここから話は急転直下、シトロエンBXというそれまで全く眼中になかった存在が、代替候補の筆頭として赤丸急上昇してくる流れになったのです。
(つづく)
ブログ一覧 |
その他 | 日記
Posted at
2011/12/09 21:10:41