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2007年01月19日

コンパクトカー

コンパクトカー ここ最近の自動車における日本市場は、ミニバンの普及に伴うセダンボディの販売不振、北米市場での販売減も影響してのスポーツカーブランドの激減、そしてコンパクトカーの販売活性化が大きな特徴として挙げられるのではないかと思います。
 
中でもコンパクトカーの販売活性化については、自動車販売連合会全国軽自動車協会連合会の発表資料を見ると一目瞭然です。
 
2006年の一年間について車種銘柄別にまとめられた販売ランキングを見ると、次のようになります。
 
順位 メーカー 銘柄名 販売台数
1位 スズキ ワゴンR 221,066台
2位 ダイハツ ムーブ 184,983台
3位 トヨタ カローラ 143,176台
4位 トヨタ ヴィッツ 117.641台
5位 スズキ アルト 110,341台
6位 ダイハツ タント 106,428台
7位 ホンダ ライフ 105,503台
8位 ホンダ フィット 101,793台
9位 トヨタ エスティマ 95,626台
10位 ダイハツ ミラ 81,375台
11位 日産 セレナ 80,901台
12位 ホンダ ステップワゴン 78,216台
13位 トヨタ ウィッシュ 78,142台
14位 トヨタ ラクティス 74,975台
15位 トヨタ パッソ 72,099台
16位 ホンダ ゼスト 71,897台
17位 トヨタ クラウン 70.833台
18位 日産 ノート 69.863台
19位 日産 ティーダ 69,348台
20位 三菱 ekワゴン 68,599台
 
上位20位中、実に8車種が軽自動車です。
全般的にいわゆる「コンパクトカー」に分類される車種が多いことが見て取れるでしょう。
 
この統計をちょっと突っ込んで見てみると、まず注意すべきは販売台数には個人オーナー向け以外の台数も含まれること。
例えば企業名義の営業車もありますし、台数的に影響が多い点ではレンタカー需要があります。
カローラやヴィッツなどはレンタカーとしての配備台数も全国的に多いので、多少この分を差し引いて「個人向けマーケット需要」を推し量る必要があります。
 
ちなみに軽自動車についても法人需要やレンタカー需要はありますが、販売台数に対する影響については「ワゴンR」や「ムーブ」などの車種についてはカローラやヴィッツに比べると与える影響は少ないのではないでしょうか。
 
 
振り返るとバブル経済期にはトヨタでいえばクラウンやマークII、日産ならばシーマ、セドリック/グロリア、ローレルといった車種が大いに売れたことがあります。
一時期は銘柄別販売台数で2位や3位にクラウンやマークIIが入ったこともあったほどです。
 
しかし今ではこれら車種は惨憺たる販売台数。
かろうじてベスト20にはクラウンが入っている程度です。
また、当時はコロナやブルーバードなどのミドルサイズセダンもファミリーカーとして一定の支持を集めていましたが、現在のプレミオやシルフィも決してセールス面で絶好調とは言えない状況です。
 
 
ミドルサイズ以上のセダンが売れず、コンパクトカーが売れている。
果たして市場は「小さなクルマ」を求めているのでしょうか。
 
私個人が最近思うひとつの側面として、
「コンパクトカーが売れているのではなく、自動車の肥大化が進んだ結果として、売れ筋の車種が現在はコンパクトと呼ばれている」
というものがあります。
 
例えば写真のトヨタパッソをはじめとした、現在の車と過去の車たちのサイズを比較してみましょう。
 
銘柄 年式 全長 全幅 全高
トヨタパッソ 2006年 3600mm 1665mm 1550mm
トヨタヴィッツ 2006年 3750mm 1695mm 1520mm
トヨタスターレット 1991年 3720mm 1600mm 1380mm
ホンダシビック 2006年 4540mm 1750mm 1440mm
ホンダシビック 1991年 4310mm 1695mm 1360mm
トヨタマークX 2006年 4730mm 1775mm 1435mm
トヨタマークII 1991年 4725mm 1710mm 1405mm
日産フーガ 2006年 4900mm 1795mm 1510mm
日産セドリック 1991年 4860mm 1720mm 1405mm
スズキワゴンR 2006年 3395mm 1475mm 1645mm
スズキワゴンR 1993年 3295mm 1395mm 1680mm
 
ご覧の通り、15年ほどの間に日本車が如何に"肥大化"してきたかが分かります。
特に横方向(全幅)の拡大が目立ち、その証拠に今や街中には"3ナンバー"車が溢れかえっています。
 
つまり、逆に言えば昨今のコンパクトカー人気は、ユーザーの目線でいえば「コンパクトカーを求めている」のではないということ。 周りが肥大化しているために現在は「使いやすい車種がコンパクトカーと呼ばれている」だけのことで、15年前と同じように"使いやすいサイズ"の車種を選んでいるだけ、と言えるのではないでしょうか。  
 
元々は1989年の自動車税改正で排気量2000ccから3000ccの税額が安くなったことと、税賦課要素がエンジン排気量のみになったことから排気量2000cc未満でも全長4700mm/全幅1700mm/全高2000mmを超えるボディが売れるようになったことが、車体拡大化のきっかけと言えるでしょう。
 
そして自動車メーカーの海外進出とコストダウン促進は、海外と日本両方の市場でプラットフォームなどの共通化が行われ、結果的に北米や欧州市場でスタンダートとされるサイズの車種が日本でも増えることとなりました。
 
また自動車の安全性に対する要求が高まっていることも、車体の大型化にとって大きな要因となっています。
 
 
しかし、この15年間で道路はどれだけ広くなったでしょうか。
各家庭をはじめ、商業施設などを見ても駐車スペースがどれだけ広がったことでしょうか。
 
都心部ではいまだに"5ナンバー枠"を基準としたであろう駐車場も多く、そこに最新の車種が「ギュウギュウ詰め」に停車している光景もよく見られます。
またタワーパーキングに入庫できない全高1550mm以上の車種が休日の街中で駐車場探しに躍起になっている姿も見られます。
 
 
私個人は車の使い方やライフスタイルから、比較的大型のセダン系車種を好みますので、一概に大きな車を否定するつもりは毛頭ありません。
 
しかし1990年代、例えばクラウンや当時のセドリックが3ナンバーボディをまとうにあたってメーカー開発者は「数多くのユーザーや商業施設を徹底的にリサーチして、拡幅が許される寸法を見いだした」と言っていましたが、それ以降そんなに許容範囲が年々増えてきているものなのでしょうか。
 
 
軽自動車の人気ぶりを「軽自動車も立派になったから」と評している自動車媒体関係者も多いですが、確かにそれはひとつの事実ですが、「登録車(白ナンバー車)が立派になりすぎているから」という側面も大いにあると、私は強く思っています。
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Posted at 2007/01/20 22:45:30

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インパクトカー From [ あばれんぼう温泉 ] 2007年1月22日 19:07
誤字ではありません。 North Starさんの記事を見て直感したこと。 以下引用・・・ 《・・・昨今のコンパクトカー人気は、ユーザーの目線でいえば「コンパクトカーを求めている」のではないという ...
軽自動車が売れているのは、まともなリッ ... From [ winistのオプティマイズ日記 ] 2007年1月30日 02:21
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この記事へのコメント

2007年1月22日 0:29
後先になりましたがトラックバックと記事の一部転載をさせていただきました。お許し下さい。

私の乗っているフォーカスⅡは車幅が1840㎜"も"あります。時々"横"を向いてその広さに「レクサスより20㎜も広いですよ」と言った営業マンの得意そうな顔を思い出します。今は広いのが高級な時代なんですね。私には理解できません。
コメントへの返答
2007年1月22日 3:01
ご丁寧な書き込み、ありがとうございますm(_ _)m。

「レクサスより20mmも広いですよ」って、かなり笑えますね。
"幅が広いこと"が自慢になると思っている点と、比較対象をなぜかレクサスにしているあたり、失礼ながら営業マンの素質が見える気がします。
 
ま、高級というのは消費者が決めることであって、製造者や販売者が押しつけている「自称高級」が多いのは、特に昨今の自動車業界の特徴ですね。
結局は"自称"なので、寸法や排気量の拡大、分かりやすい素材の多用などをしていかないと、作り手・売り手側が自信を持てないのでしょう。

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各種取材やウェブサイトを中心とした制作業務を行なっています。 主なテリトリーは自動車/モータースポーツ、飛行機などの交通関係。 自動車は乗用車からトラッ...
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