• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+
イイね!
2007年02月03日

日産自動車の苦悩

日産自動車の苦悩 年度末が近づいてきたこともあってか、経済に関する話題が何かと目立つ時期になろうとしています。

政府の発表では戦後最長とされた「いざなぎ景気」を超える景気の拡大傾向が続いているそうです。
確かに大手企業は増益となっているところが多いようですし、今年の春闘では労働組合側も強気の姿勢で交渉に臨むことになる模様です。

また、抑制が続いていた新卒者採用も増える傾向にあるようで、一時期の"就職大氷河期"は脱したとされているようです。


このように確かな景気回復の裏付けも見えてきてはいますが、往年のバブル景気のように日本列島が浮かれている感じではありません。
さすがにそこは、バブルに浮かれた後の痛いしっぺ返しを経験したことで、日本人が賢くなっているのでしょうか。
 
しかし、やはり同じ好景気といっても、バブル景気と現在では余りにも違った空気に日本が包まれているように思えます。
 
振り返ってみると、バブル景気の時代には「大量消費、高額商品消費」がもてはやされ、大なり小なり国民の多くは好景気の恩恵に預かったものだと思います。
 
自動車の世界でその象徴となったのが「初代・日産シーマ」であると言っても、強く異を唱える人はいないでしょう。
1988年、「セドリックシーマ/グロリアシーマ」と伝統あるブランドの系譜を名乗ってはいたものの、事実上全く新しいブランドとして登場。
当時のセドリック/グロリアのコンポーネンツを用いながらもオリジナルデザインの3ナンバー専用ボディをまとい、完全に個人ユーザーを対象として生まれた高級4ドアサルーン。
心臓部には排気量3000ccのターボエンジンを搭載、それまでの日本車におけるこのクラスでは考えられなかった圧倒的な動力性能(洗練されていたかどうかは別として)を誇り、誕生直後から大人気となりました。
 
その人気ぶりは「シーマ現象」なる言葉まで生んだほど。
1989年の自動車税改正で2000cc以上の排気量をもつ車両の税額が下げられたこともあり、まさに飛ぶような売れ行きを示しました。
 
また、この当時はいち早く3ナンバー専用ボディをまといつつ割安な価格と日本の大型セダンでは先駆けとなった4WDを採用した「初代・三菱ディアマンテ」も登場するや大人気に。
輸入車も都市部を中心に売れ行きが急増、BMW3シリーズには「六本木カローラ」などという呼び名までつけられました。
 
 
バブル時代は自動車がまだ「富の象徴」だったことの証のようです。
 
 
さて、時は21世紀に入り2007年(平成19年)。

まずはこのようなニュースが流れました。
 
●1月新車販売台数は10%減、19か月連続で前年割れ
YOMIURI ONLINE(読売新聞)  2007年2月1日 19時22分

景気拡大とは裏腹に国内の自動車市場は軽自動車を除いて低空飛行が続いています。
1月の販売台数は、初代シーマ登場前年の1987年と同じレベルにまで落ち込みました。
ちなみに軽自動車の方は好調に推移しており、13ヶ月で前年実績を上回り、1月としては過去最高の販売を記録しています。
 
 
●日産、3月期減益予想…ゴーン氏「失敗は今回限りに」
YOMIURI ONLINE(読売新聞)  2007年2月2日 22時30分
 
国内販売は厳しい状況の各自動車メーカーですが、特に日産自動車の状況は注目を集めています。
 
バブル期などは好調な業績でヒットを立て続けに飛ばした日産自動車ですが、バブル崩壊とともに経営が悪化。
1999年にフランスのルノーと提携を結び、カルロス・ゴーン氏が牽引役となって業績の建て直しが図られました。
 
徹底的なコスト削減や会社の体質改善などにより巨額の負債も無事に完済。
しかし、ここ最近は売り上げの不振ばかりが伝えられています。
 
 
私が思うに、やや日本市場のマーケティングで甘さがあるような感じがしています。
特に思うのは収益率も高そうな車種の設定。
例えば「フーガ」はそれまでのセドリック/グロリアとは異なり、搭載エンジンの排気量は4,500/3,500/2,500ccとされています。
スカイライン」や「ステージア」は排気量3,500/2,500ccの二本立て。
ティアナ」は排気量3,500/2,500(4WDのみ)/2,300cc。
エルグランド」や「プレサージュ」は3,500cc/2,500ccとなりますが、初代が大ヒットとなった「エルグランド」は現行型デビューからしばらくの間は3,500ccのみの設定で、ライバルの後塵を浴びる結果になりました。
 
もうお分かりですね。
日産自動車の大型車種には、排気量3,000ccの設定がないのです。
これがどのような結果を生むか。

購入を検討した場合、維持コスト(特に税金)が割高な3000cc超のエンジン搭載グレードか、車格の割に動力性能や静粛性で劣る2,500cc級のエンジンにするかを決めなければなりません。
すなわち、日本市場においてクラスでちょうど良いであろうと思われる「3,000cc」という選択肢がなく、逆にライバルメーカーの車種の存在感が際立ってくる結果にすらなるのです。
 
もちろん一定以上の価格の車を購入するようなユーザーであれば、多少自動車税が高くなっても気にならないという人もいらっしゃるでしょう。
また、ボディサイズで考えれば割安な価格設定の小排気量グレードに高い商品価値を見いだす方もいらっしゃるでしょう。
 
しかし、特に地方では排気量3,000ccの壁というのは明らかに存在しているのではないでしょうか。
過去、三菱自動車が大人気を誇ったパジェロをフルモデルチェンジして3,500ccエンジンを搭載した時、ある地方ディーラーでは営業マンが「これ、全然ユーザーのことをメーカーが考えていない証だね」と嘆いていたことがありました。
 
 
日産自動車の押し進めるインテリアに目をつけた開発というのは、私は非常に関心を持っており、期待していました。
確かに最近の日産車は凝ったインテリアが特徴で、好感を持てる車種もいくつか存在しています。
しかし、それ以外の部分が特に高価格車種では甘いような気もします。
 
技術的な要素ではなく、なんとなく商品企画がずれているような気がしてしまうのですが、皆さんは最近の日産車をどのようにご覧になっていらっしゃいますか?
ブログ一覧 | 自動車全般 | 日記
Posted at 2007/02/04 04:57:26

イイね!0件



今、あなたにおすすめ

ブログ人気記事

実録「どぶろっく」170
桃乃木權士さん

週末の晩酌🏠🍶(解答付き)
brown3さん

液あとが残りにくいのは素敵♬
HIDE4さん

部屋のLEDシーリングライト比較と ...
☆じゅん♪さん

0613 🌅💩◎🙆 🍱🍱◎
どどまいやさん

皆さん〜こんにちは😃今日は、朝か ...
PHEV好きさん

この記事へのコメント

2007年2月4日 9:12
初コメ、失礼します。

最近は、2000ccクラスのラインナップが少なくなりましたね。
私は、地方に住んでいるので、クルマは必需品です。
気持ち良く走れる道路も至る所にあります。
日産は、S15や180SXが消滅した後に、その後釜が出てきませんね。
スポーツ系(走りの楽しさがある)のクルマは、全て2500cc以上・・・
自動車税やランニングコストを考えると、2000cc以上は手が出ない・・・という声が大きいです。
その為、日産離れが加速しているように感じますね。

トヨタもそうですね・・・
ホンダ・マツダ・スバルは2000ccクラスがあるので、かなりの人気です。

日産には、レクサスのように高額所得者を狙う戦略より、中流層を魅了する楽しいクルマ造りに期待したいのですが・・・
コメントへの返答
2007年2月5日 0:31
やはり自動車税の関係もあって2000ccという排気量を超えることもユーザーにとっては負担増となるので悩ましいところですね。
 
ブルーバードシルフィやNOTEなどは、2000cc以下の5ナンバー車として決して出来は悪くないと思うのですが、どうもユーザーに向けたアピールが弱いのか、的はずれなのか。
 
今の時点では集中的な新型車投入を行ったことの"ツケ"がまわってきている部分もあると思いますが、果たしてこの先業績が好転するキカッケがどこで来るのか、いまひとつ先行き不透明という感じがしています。
2007年2月4日 17:35
どうやら営業サイドと商品企画屋さんとの間に壁があるようですね(笑

最近の日産車、インテリアに凝った車種もありますが、車を選ぶ選択肢として
インテリアだけに力を入れても・・・と感じます。
他に特筆すべきものがあり、プラスアルファって形でインテリアも良い、ってのが
理想のような気がします。
インテリアだけ豪華=日本人の四畳半文化??

それにしても最近の乗用車って排気量がどんどんと大きくなってきてますね。
日本のメーカーはいったい何処に行きたいんでしょうか?
コメントへの返答
2007年2月5日 0:36
インテリアに凝るというのは、戦略としてアリかな、と思っています。
某メーカーの開発関係者とお話しした際に「カーナビの普及はインテリアデザインを画一的にしているかも」と仰っていました。
 
必然的に規格に沿った大きさ・形状のモニターをセンターコンソールの高めに位置に配することになるので、基本形状が決まってしまう。
ゆえに似通った雰囲気になりかねない、というものです。

実際に日々使う上では毎日触れ・見るインテリアのデザインや質感は重要だと思います。
ただ、仰る通り「インテリアだけ」では自動車としては魅力的とは言えません。
 
排気量の拡大傾向は続いていますね。
海外市場を重視した結果による部分と、国内専用車や国内市場メインの車でも排気量の拡大にユーザーは「寛容であるはず」というメーカーの"思い込み"や一部の都市だけの市場調査結果なのかもしれません。
2007年2月4日 19:11
最近の日産の車は、ユーザーが想像できない車種が多いように思いますね。
(トヨタは、良くも悪くも、どういう人に売りたい車か、割とはっきりイメージできます)

そこが、販売数につながらない理由なのでかな~?などと感じます。
コメントへの返答
2007年2月5日 0:42
日本のメーカーは新車開発の際に、おしなべて「ターゲットユーザー層は~」というお題目を唱えます。
 
良く聞くのが「ターゲットは団塊ジュニア世代」とするもので、「この層は都会的な生活スタイルであり、かつ余暇は行動的で家族で屋外のレジャーなどを楽しんでいる」、「良いものを見る眼が肥えていて、良いものにはお金を惜しまない」などと定義されます。
 
実際に、そんなものでしょうかねぇ?
 
そうして出来上がってきた車を見ると「どんな人が買うんだ?」というものが多々あります。
やはりトヨタはその点、なんとなく実際のユーザーが使っている姿を想像できる車が多いですね(一部例外もありますが・・・)。
2007年2月4日 23:14
販売も製造も無駄がなくなったからだと思っています。
NISMOフェスティバルの盛り上がり方を見ていると
潜在的日産ファンはかなりいるはずですが
購入していただけないのは
やはり日産車に期待している手を入れると素晴らしい性能を発揮するような
ムダな部分がなくなってしまったからだと思います。

インテリアに凝るのならとことんやってほしいです。
見た目のいいシートの座り心地が良いわけではないところに
問題が内包されているように考えます。

ソレタコデュアル・・・なオジサン達を喜ばせることは
マーケティングの中心から外れるのでしょうか・・・?
コメントへの返答
2007年2月5日 0:46
日産ファンは確かにいると思います。
しかし、全体的に高齢化しているのではないでしょうか。
その昔の「スカG党」やル・マンなどモータースポーツでの活躍、「大都会」や「西部警察」などテレビで活躍した日産車を見た人たち。
日産ファンになったきっかけは様々でしょうが、では最近の20代や10代の皆さんはどうなのでしょう?
 
自動車が盲目的な「憧れ」の対象でなくなった今日、トヨタやホンダとは違った魅力的な車造りに期待したいところ。
車の本質的な部分では初代プリメーラ的な欧州流儀、しかしインテリアや使い勝手は日本的なコダワリをもって、なんていうのはどうかな、と思いますが。。。
2007年2月5日 12:40
私の娘は沖縄で研修医をしていますが就職して半年ぐらいしたら
「車が欲しいがどんな車がいいの?」という電話がかかってきました。
「潮風にあたった中古は避けたほうがいい、ローンの心配もそれほどしなくていいならローバーミニあたりはどう」
と外車系へ振ってみました(笑)。しばらくすると娘から決めたとの電話、車種を訊ねると。
「ニッサンのティーダにした」
とのこと。想定外の車に決めた理由を訊ねてみました。
「内装がとても気に入った。価格も何とかなる範囲だったから」
と即座に回答が返ってきました。

先日、休暇で帰省した折に1年半の感想を聞いてみると
「いい車だよ、とても気に入ってるわ」
と話してました。やるじゃないニッサン!
コメントへの返答
2007年2月5日 23:51
車に対して単なる移動の道具としての存在以上を求めることってありますよね。

その昔は「速く走ること」が爽快感や優越感を生み出すことにつながっていたのかもしれません。

最近では車はオーナーにとっての「別荘」的な位置づけが濃いことも多いようで、独りで落ち着ける空間だったりする場合もあるでしょう。
そんな時、安らげるインテリアの車というのはとても魅力ですよね。
 
私は現在の日産車、ブルーバードシルフィよりも下のレンジ(5ナンバーサイズ、排気量2000cc未満)については先に記したようにNOTEや、cbr929さんのお嬢様がご購入されたティーダなど、魅力的な商品力を誇る車種が多いと感じています。
 
しかし、なかなか拡販が進んでいないのも事実。
商品的に何がライバルより弱いのか、広告や宣伝の仕方、全国各販売会社の質など、いろいろと検証すべきことが多そうですね。

プロフィール

各種取材やウェブサイトを中心とした制作業務を行なっています。 主なテリトリーは自動車/モータースポーツ、飛行機などの交通関係。 自動車は乗用車からトラッ...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/6 >>

1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930     

リンク・クリップ

office North-Star業務雑記帳(FC2) 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2011/08/12 00:27:49
 
ADVAN Motorsports 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2011/08/12 00:27:30
 
NINJA TOOLS 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2007/09/17 19:46:48
 

愛車一覧

日産 フーガ 日産 フーガ
三菱ディアマンテ30M-SE、Y50型日産フーガ350XVに続く、三代目の“社用車1号機 ...
フォルクスワーゲン パサート セダン フォルクスワーゲン パサート セダン
マツダRX-8、三菱ランサーエボリューションVII GT-Aに続く、三代目の"社用車2号 ...
日産 フーガ 日産 フーガ
二代目となった"社用車1号機"。 日産フーガ350XV、ボディカラーはダークブルー。 ...
三菱 ランサーエボリューションVII 三菱 ランサーエボリューションVII
マツダRX-8の後継として導入した「社用車2号機」。 三菱ランサーエボリューションVII ...

過去のブログ

ヘルプ利用規約サイトマップ

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!

あなたの愛車、今いくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離(km)
© LY Corporation