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イイね!
2007年05月29日

500cc=7,000円

500cc=7,000円 今日は自動車の排気量に関するお話しです。

最近は日本メーカーの登録車における大排気量&大型化が進んでいるように感じている方も多いのではないかと思います。
その昔、それこそ消費税導入前で自動車物品税が存在していた頃は3ナンバー車に対する自動車税が5ナンバー車よりも圧倒的に高額だったこともあり、街中を走る車の大半が排気量2,000cc以下の5ナンバーでした。

25年ほど前の感覚に戻ってみると、排気量1,000~1,300ccのコンパクトハッチは女性ユーザーやセカンドカー需要。トヨタで言えば当時のスターレットやカローラIIあたりですね。
1,300cc~1,600ccはファミリーカーの王道。まさにカローラがこの排気量帯にグレード展開していました。
1,500cc~1,800ccはちょっと余裕を感じさせるファミリーカー。コロナがこの領域を受け持っていましたね。
1,800cc~2,000ccは高級パーソナルカー。マークIIに代表され、当時は「ハイソカー」などとも呼ばれたものです。
そして2,000cc~3,000(2,800)ccのクラウンは、それなりに事業を成功させた方などの自家用車や社用・公用車的な位置づけでした。


そんな時代は既に遠い昔になり、バブル景気、失われた十年、そして「いざなぎ越え」と言われる景気回復基調の中で日本社会には"格差"が生じた面もあるでしょうが、25年前とは車に対して求められる価値観や環境も大きく変化しました。

3ナンバー車は街中で珍しくない存在となりましたが、ここ最近は大型セダンを中心に排気量の拡大傾向が見られています。

例えば「トヨタクラウン・アスリート」は2005年秋のマイナーチェンジで、3,000ccエンジンを廃して3,500ccエンジンを搭載しました(写真はマイナーチェンジ前のモデル)。

このクラスでライバルとなる「日産フーガ」は、デビュー当初から3,500ccと2,500ccの二本立てとし、後にV8の4,500ccを追加しています。

背景には海外市場対策であったり、日本国内でもこのクラスで好調な輸入車勢への対応という面があるでしょう。
またこのクラスの高価格車は数値のスペックを重視する客層も未だ少なくないようなので、ひとつの"ステイタスシンボル"的な意味合いが排気量に反映されているのかもしれません。

しかし、3,500ccって必要ですかね?

私はもう古い人間に属するためなのか、一般的に所有するという意味での上限は3,000ccが適当ではないかと思っています。
もちろん自動車にはステイタスを要求されるカテゴリーもありますので、一概に大排気量車を否定するつもりはありません。
ただ、日本全国を満遍なく見てみたときに、一般的に個人ユーザーが3,000ccを遥かに越える排気量の車種を持つものだろうか、と思ってしまいます。

例えば自動車税の負担額は次のようになります。
1,500cc超 ~ 2,000cc以下  39,500円
2,000cc超 ~ 2,500cc以下  45,000円
2,500cc超 ~ 3,000cc以下  51,000円
3,000cc超 ~ 3,500cc以下  58,000円
3,500cc超 ~ 4,000cc以下  66,500円
4,000cc超 ~ 4,500cc以下  76,500円

いわゆる3,000ccエンジン搭載車(実排気量は3,000cc以下)と3,500ccエンジン搭載車(実排気量は3,500cc以下)を比較すると、年間の自動車税は7,000円の違いがあります。
なお上記の税額を見ればお分かりの通り、500cc刻みの設定となる自動車税ですが排気量そのものが大きくなるほど差額も大きくなる累進制になっています。


ここでひとつ面白いマーケティングの差をご紹介しましょう。

先に3,000ccエンジンを廃した「トヨタクラウン・アスリート」のケースをご紹介しましたが、実は同じクラウンでも「トヨタクラウン・ロイヤル」はマイナーチェンジを受けても3,500ccエンジンは搭載されず、3,000ccが上限となっています。

これはトヨタ自動車らしいマーケティングの妙という感じがします。
オーナードライバー向けの「トヨタクラウン・アスリート」はライバルを意識した性能勝負としつつ、一方で法人・公用需要が高い「トヨタクラウン・ロイヤル」は価格面や入札などの条件指定で有利となるであろう3,000ccエンジンに留めておく。

もちろん「トヨタクラウン・ロイヤル」も個人で購入できますので、外見の差異はあるにせよユーザー的に言えばクラウンで3,000ccエンジンも3,500ccエンジンも選択できるということになります(2,500ccは共に設定あり)。


事実、街中を見ると圧倒的にクラウンの方を見かけるように思いますが、その中には多くのハイヤーやショーファードリブン、社用車なども含まれています。
やはり維持コスト面や慣例などによって3,000ccの壁を超えた車を導入しにくい世界というのがあるものなのでしょう。

そろそろクラウンは次期型の話題も出るようになりましたが、排気量がどの程度のエンジンをラインナップしてくるのかも興味深いところです。
ブログ一覧 | 自動車全般 | 日記
Posted at 2007/05/31 23:33:49

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この記事へのコメント

2007年6月1日 23:06
私は1500ccもあれば全てこと足りると考えています。
友人が乗ってきたゴルフGTのTSI、1400の過給エンジンですが
車重が1400kgあるのに、200km/h以上スピードがでて、
実用燃費も15km/Lくらいキープできるようです。
技術の進歩を感じさせます。

プリウスも1500でしたね。モーターにしても過給器にしても
実用に耐えうる方向への進化は大歓迎です。

日産系の1500ccクラスのコンパクトカーも秀逸だと思います。
なかでもTIDAの存在感は格別です。
あの内装の高級感はかって日本のコンパクトカーにはなかった・・・
(決して高級素材ではないと思いますが・・・)
問題は経年変化に弱いと思われることですかね。



コメントへの返答
2007年6月2日 21:46
そうですね、実用面で言えばセダン系なら1500ccで充分事足りるでしょうね。
そこからプラスする排気量は「余裕分」ということになるでしょうか。
私のように長距離走行の機会や険しい勾配を走る機会もある場合は(最近はラリーの取材も多いので・・・)、ある程度の「余裕」も欲しくなるところです。

排気量は"車格"という概念を具体的に数値で現す指標という意味合いが強かったように思います。
しかし昨今は無駄に"車格"を追うユーザーは減り、より実用性やライフスタイルとの適合性を、維持コスト面を含めて検証するユーザーが増えたように思います。

そしてゴルフGT TSIの登場は、排気量で車格を現すという概念を覆しましたね。
それはハイブリッドカーであるプリウスにも言えるかもしれませんが、まぁハイブリッドはそれ自体がひとつの記号性を持っている部分もありますね。

しかし新たに登場したハイブリッドはガソリンエンジンが排気量5000cc・・・。
これが3000cc程度でガソリンの5000ccクラスと並ぶ動力性能を持っていれば、性能的にも環境性能面でもユーザーとしては自慢でき、周囲も羨む存在になるのでしょうが・・・。

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各種取材やウェブサイトを中心とした制作業務を行なっています。 主なテリトリーは自動車/モータースポーツ、飛行機などの交通関係。 自動車は乗用車からトラッ...
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